メリット・デメリットで選ぶ!ECで使うべき決済方法とは?

ECサイトの決済方法には様々な種類がありますが、ECサイトを構築した時には、どういった決済方法を選ぶべきでしょうか?クレジット決済だけカバーすればいいのでしょうか?

まずはEC市場ではどんな決済方法が使われているのか調べてみました。

少し前の資料になりますが、経済産業省から2014年8月に発表された「平成 25 年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る 基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によれば、2013年のクレジットカードでの支払いは63.4%で一番の利用率となっていますが、2012年に比べて4.4ポイント減少しており、その分デビットカード、電子マネー、キャリア決済などに分散されて増加しています。

「平成 25 年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る 基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」:PDF

クレジットカード利用が減少している原因として3つの要因が考えられます。

①個人情報リスクを避けるためクレジットカード情報の送信を控えたい
②多様な決済サービスの普及
③10代、20代のクレジットカード離れ

といった点です。このため「クレジットカード決済のみに対応していれば大丈夫」という考え方でいると、クレジットカードの減少トレンドにそって、あなたのビジネスの売上も減少するかもしれません。とはいえ多様な決済方法の中から、どの決済方法を選択すればいいのでしょうか?

ざっくりですが、どんな業界でも「クレジット決済」「代引き」「コンビニ決済」の3つの決済方法に対応すれば、ターゲットユーザーのほとんどをリーチできます。

しかし、あなたのECサイトに最適な決済方法を検討するにあたって「ユーザーの年齢」「ユーザーの性別」「あなたの会社のビジネスモデル」の3つの要素から決済方法を導きだす必要があります。

そしてその3つの要素と各決済方法のメリット・デメリットを理解した上で、決済方法を選ぶのが正しい選択の方法です。なぜなら各EC事業によって最適な決済方法は異なるからです。

本日はインターファクトリー(ebisumart)でWEBマーケティングを担当している筆者が、各決済方法のメリット・デメリットを解説いたします。

目次

■決済方法の種類
クレジットカード決済
クレジットカードの多通貨決済
代金引換(代引き)
コンビニ払い(後払い)
キャリア決済
PayPal
アマゾン決済
LINEPay
楽天ID決済やYahoo簡単支払い
銀行決済
決済方法のまとめ
■決済会社を選ぶ3つのポイント
■最後に

決済方法の種類

それでは各決済サービスのメリットとデメリットを紹介していきます。決済方法を選ぶ時の基本は、ユーザーに若年の方が多ければキャリア決済を選び、年齢層が高ければ銀行振込を選びます。ただどんな決済方法にもデメリットがあるので、下記解説からデメリットを把握しましょう。

クレジットカード決済

メリット:利便性が高く、最も普及している決済方法
デメリット:チャージバックが発生するリスク

クレジットカード決済は利便性が高く、1番普及している決済方法です。クレジットカード決済が出来ないという事は機会損失につながるリスクもあり必ず導入すべき決済サービスです。

クレジットカード決済には機会損失抑制以外にも、EC事業者側にメリットがあります。クレジットカード決済は即時決済されるため、お金を取り損ねる事がありません。しかも、決済完了後のキャンセル率が低いのが特徴です。

クレジットカード決済のリスクは※チャージバックです。不正利用があった場合はEC事業者が責任をもたなくてはいけないからです。実店舗ならサインなどで事実確認できますが、ECサイトのように非対面の場合は本人確認ができないため、ECサイト事業者も宅急便など明細を取り寄せて事実確認しますが、消費者が守られるケースがほとんどです。

チャージバックとは、クレジット会員が支払いに同意しない、あるいは支払いに身に覚えがない等のトラブルが発生した時にカード会社に返金の義務が発生することをいいます。

■代表的な決済代行会社

クレジットカードの多通貨決済

メリット:海外の外国人ユーザーが決済に抵抗感がない。
デメリット:為替リスクあり。
多通貨決済は1ドルを1ドルとして決済します。つまり海外の通貨価値を基準として決済金額できるクレジットカードのサービスです。
ですから為替の変更よるリスクが絶えずあります。しかし海外のユーザーには喜ばれる決済手段であります。
■代表的な決済代行会社

代金引換(代引き)

メリット:ユーザーがカード情報を送信しなくよいので安心して使える。
デメリット:手数料が安くない。女性ユーザーに好まれない傾向

宅配業者が代金を回収してくれるサービスです。ユーザーがEC決済時にクレジットカードの情報を送信しなくても良いので、セキュリティの観点から安心感があります。

また、EC事業者としても商品と引き換えに代金が回収できるので、取り損なう事がなくなります。ただ、デメリットとして手数料が安くないことです。そのため、ユーザーに負担してもらうケースがよく見受けられます。

また代金引換は女性ユーザーに好まれない傾向のある決済手段です。なぜなら一人暮らしの自宅に宅配員がくるためドアを開けるのに抵抗感がある女性が多いからです。またアンチエイジングの化粧品などは誰にも見られたくない傾向があったりするので、単に女性の一人暮らしという理由だけではありません。

■代表的な決済代行会社

コンビニ払い(後払い)

メリット:商品を受け取ってから支払える。コンビニで支払うためユーザーにとって利便性が高い。
デメリット:お金を回収できないリスクあり。(債権保証してくれるサービスもあるが手数料が高い)

コンビニ払いは、商品にコンビニ払い用紙が同封されている場合や、EC購入時にコンビニ会社を選択して、画面に表示された画面を印刷して持ち込む場合もあります。コンビニ決済には以下の3種類があります。

①コンビニ払込票決済

商品と一緒に払込票が送られてくるタイプです。 昔からあるタイプです。ユーザーにとっては商品を確認してからお金を払えますし、クレジット番号のような個人情報も事前に必要なく手軽です。しかし事業者にとってはユーザーからお金を徴収できないリスクがあります。カタログ通販などでよく使われる決済方法です。

②コンビニ払込票決済(債権保証型)

未回収を自社でやるのが手間な場合は、このコンビニ決済に保証がついているこのサービスがいいでしょう。

例えば、定期購入の単品通販などを扱う会社はサンプル製品の送ったユーザーをいかに正規製品への販売、継続購入させるかが重要になっており、注文するまでの手続フローをできるだけ短くしたい意図がありますので、そういったビジネスの場合に重宝される決済方法です。そして現金未回収のリスクを防ぐには保証サービスが最適です。

ただし手数料もその分高額になります。目安ですが「購入品の手数料3%+150円~200円の固定」といった感じで安くはありません。

③ペーパレスコンビニ決済(WEBコンビニ決済)

ペーパーレスのコンビニ決済方法です。ローソンの例で説明しますとLoppiという端末にWEBの決済確認画面のシリアルナンバー端末に入力すると紙が印刷されます。それをレジに持っていき精算を行うサービスです。

コンビニは全国どこにでもあり24時間365日営業ですから、ちょっとしたついでに支払を済ませる手軽さがあります。また、代金引換と同様にクレジットカードの情報を送信したくないというニーズに応えることができます。

キャリア決済

メリット:クレジットカード情報を送信しなくてよいので、ユーザーの安心感がある。
デメリット:手数料が高く、キャリア各社の仕様が異なるため導入の敷居は高い。

キャリア決済は、キャリアからの請求として購入することができます。スマートフォンの普及は著しく、ECにおいてもスマートフォンからの購入は多くあります。また、キャリア決済ができるようになると、これもクレジットカードの情報送信をしなくても良いので、安心感があります。まだ、キャリア決済での利用割合は少ないですが、これから普及していくものと思われます。
キャリア決済はユーザーにはメリットが多いのですが、EC事業者には手数料が多くかかり、目安としてクレジットカードの1.2倍~1.5倍になります。またキャリア決済の難点はキャリア毎に仕様が異なりますので、導入前に運用が考慮する必要があります。

■代表的な決済代行会社

PayPal

メリット:グローバル展開しているので、海外のユーザーが申込やすい。
デメリット:ユーザー認知度が低いので、日本のマーケットではまだ需要があまりない。

PayPalは、PayPalのアカウント(口座の相当するもの)にクレジットカードの情報を登録しておき、ECでの購買時は、このPayPalのアカウントを使って支払をするサービスです。このため、ECサイトには、クレジットカードの情報を送信しなくて済みます。

PayPalの特徴は、グローバル展開しており、海外発行のクレジットカードでも使えるということです。越境ECには必須な決済でしょう。また、比較的簡単に導入できるので、クレジットカード決済の整備ができない小規模ECサイトなどで利用することができます。ちなみに、PayPalは、eBayのグループ会社です。

アマゾン決済

メリット:ユーザーは個人情報をアマゾンに登録済みなので、個人情報入力の手間がかからない。
デメリット:アマゾンの商品と比較され、アマゾンにユーザーが流れる可能性があります。

アマゾンは、2015年5月に「Amazonログイン&ペイメント」の提供を開始しました。アマゾンアカウントによるログインと、アマゾンを経由した決済を、ワンクリックで行なえるようになります。アマゾンに登録されている、配送先、クレジットカード情報等を利用することが出来るため、手間軽減と心理的な安心感により、集客後の離脱率抑制効果が期待できます。

まだ、始まったばかりのサービスですが、Amazonアカウントを持っているユーザーは多く、今後導入するECサイトは増えそうです。

LINE Pay

メリット:若年層にLINEアプリは普及している。
デメリット:LINE Payがあまり普及していない。

LINE Payは、LINEのアカウントにお金を最大10万円までチャージして、このお金を使って支払ができるサービスです。また、加盟店ではLINE Payが選択でき、登録したクレジットカードからの支払もできるようです。

ただ、以前LINEアカウントを乗っ取り、ウェブマネーを購入させる詐欺が横行しました。LINE Payは、LINEとは別の認証システムを採用するといっていますが,今後心理的な不安を払拭させることが普及の鍵になるでしょう。

またLINE Payを使う可能性のある若年層がメインにもかかわらず、LINE Pay登録の際にカード情報が必要になりますが、もともと若年層はクレジットカードの所有率が低いため普及には障壁になっています。

楽天ID決済やYahoo簡単支払い

メリット:楽天やYahooなどのポイントで決済でき、ポイントも溜めれます。
デメリット:手数料が高く、自社ECサイトへのロイヤリティーが低くなる可能性がある。

それぞれ楽天やYahooのポイントを使って決済ができて、しかもポイントがたまります。導入すれば一般のECサイトでもポイントが使えるので売上が期待できるサービスです。ただしデメリットとしては手数料が高く、またポイント付与分をEC事業者が負担しなくてはいけませんのでコストが高くつきます。また楽天やYahooのポイント目当てのユーザーなので自社ECサイトへのロイヤリティーが低くなる可能性があります。

銀行決済

 銀行決済はECの決済方法としては、WEBの記事ではあまり紹介されていませんが、昔からある主要な決済方法です。銀行決済には6つの決済方式があります。各々メリット・デメリットがあるので解説していきます。

①口座振替

メリット:公共料金などの継続課金に向いている。
デメリット:登録の手間がかかる。未回収リスクが発生する。

 

銀行口座に口座振替を登録して、引き落としを毎月かけていく昔からある決済方法。一般的には公共料金の引き落としに使われます。定期販売系の商品で使われることがあり ユーザーも一度登録すれば、手間がかからず継続課金に合う決済方法です。
逆に口座の登録を行うため、登録には手間と時間がかかりますし、単発商品の購入には使かえません。また口座の残高不足になる可能性があるため、未回収リスクが発生します。

②WEB口座振替

 メリット:①口座振替の弱点が補完されている決済方法
デメリット:WEB登録にはITリテラシーが必要になり障壁がある。

 

基本的な考え方は①口座振替と同じですが、口座の登録を紙(登録用紙)ではなくWEB上で登録管理をする仕組みです。メリットとしては紙の口座登録での手間を無くし、口座登録ができる事です。デメリットとしてはある程度のITリテラシーが求められるので、高齢者などITリテラシーが低いユーザー層の場合は避けた方が無難でしょう。

③銀行振込

 メリット:日本人には最も馴染みの深い決済方法
デメリット:事業者側の入金の消込作業(入金者の確認作業)の手間がかかる。

 

振込口座を作ってお客様に振り込んでもらうサービスです。メリットは日本人に認知度が高くて、ユーザーが最も迷わない決済手段の一つと言う事が出来ます。しかし事業者側が入金の消込作業が大変です。また振込者が不明になることもあります。

③バーチャル口座決済

 メリット:銀行振込の弱点の消込作業がなく、手間がかからない。
デメリット:支店名が変な名前になるためユーザーに不信感が生じる。導入にはコストがかかる。

 

実在する銀行の仮想支店を作る事によってユーザー、一人ひとりに別の振込口座番号を割り当てる事ができるサービスです。事業者側のメリットは入金の消込作業が必要がなく振込者を特定できます。デメリットは変な支店名ですのでユーザーに不信感がある事とある程度の口座数を押さえる必要があり、イニシャルコストがそれなりに発生します。

⑤ペイジー

 メリット:入金金額の間違いや、入金者の相違が発生しない。
デメリット:認知度が低く、普及していない。

 

ペイジーとは、1つの決済に応じて、支払い番号がユニークに発行される仕組みです。そのため金額相違や入金する人の相違が発生しません。デメリットはユーザーの認知度が低く、入金のやり方を迷ってしまうお客様が出てくる事です。店頭のATMでも対応と非対応があるため、ユーザーがわかりにくい他、元々は国が税金を徴収するために作った仕組みです。決済方法としては悪くないのですが認知度が低いのが難点です。

⑥ネットバンキング

 メリット:リアルタイムに24時間の入金体制の構築が可能
デメリット:事前登録にはITリテラシーが必要になる。 

 

基本的に銀行を使った決済方法はリアルタイム決済がされるわけではないので、ECサイト側から見るとお金は後で入ってくるスキームです。しかしネットバンキングでは24時間お金を受け取る事ができるスキームの構築が可能になります。この方式はFXの入金によく使われております。デメリットはネットバンキングの事前登録が必要だったり、ある程度のITリテラシーが必要になってきます。

■代表的な決済代行会社

決済方法のまとめ

各決済方法について、メリット・デメリットを中心に解説していきました。繰り返しになりますが、決済方法の選択の基準は

・ユーザーの年齢
・ユーザーの性別
・あなたのECサイトのビジネスモデル

がポイントになりますので、それに最も合う決済方法を選ぶべきです。次に決済会社を選ぶべき3つのポイントを紹介いたします。

決済会社を選ぶ3つのポイント

もし、あなたの会社のECサイトが「銀行振込」と「代引き」だけ良いとしたら、決済会社は必要ありません。しかし、ユーザー目線から見ると不親切な決済方式になってしまい、その分売上も限られたものになります。ではEC事業者はどの決済会社を選択すれば良いのでしょうか?筆者が考えるEC事業者が決済会社を選ぶ3つのポイントを解説いたします。

(1)自社の使いたい決済手段とECシステムに対応している決済会社を選ぶ事

大前提として導入しているECシステムに標準対応している決済会社を使うべきです。ECに標準対応していない決済会社を使うには開発コストが新たに発生するからです。従ってECサイト構築・導入の際には決済方法まで考慮しなくてはなりません。導入するECシステムにどんな決済方法が対応しているのか事前に確認するようにしましょう。

(2)3年先までコストシミュレーションする

複数の決済会社から、どの決済会社にするべきか悩む場合は、イニシャルコストとランニングコストを含めて、どの決済会社が一番コストが安くすむか、3年先までコストシミュレーションを行います。一見手数料が安く見える会社でも導入費用が高く、償却する期間が長くなってしまうようでは本末転倒です。

コストシミュレーションには導入費用(イニシャルコスト)と売上の手数料(ランニングコスト)を考慮し算出してみましょう。短期的に考えコストが多く発生する決済会社も、長期的にみればコストが抑えられる場合もあるからです。

(3)決済会社の信頼度

決済会社の信頼度は下記の3つの要素からなります。決済はお金まわりの事となるため信頼度は高い会社でなくてはなりません。

(3)-1財務的な健全さ

決済代行するという事は、締日があり入金するまでの一定のサイクルがあるため、会社としての信用度や財務的な健全であることが大前提です。経営基盤がしっかりしている会社を選ぶべきです。

(3)-2カスタマーサービス

コンビニ払い等では人的処理があるため、ミスが発生する可能性ゼロではありません。それ以外にも、何かしらのトラブルがあり、決済がうまくいかない事はゼロではありません。このような時にユーザーを保護する意味でも、決済会社の対応は重要な意味を持ちます。

このため、何かしらのミスが発生した場合のために、決済会社としてもクレームを受け付ける窓口と調査する仕組みが重要になってきます。EC事業者に過失がなくても連帯して信用を落とし兼ねないので、ユーザーのためにもカスタマーサービスが充実した決済会社が好ましいです。

(3)-3セキュリティー

決済会社は、万が一クレジットカード情報が漏れたら、巨額な保証を抱えて倒産の危機になるので、必要以上な対処をしているはずです。ただ、セキュリティレベルは非公開ですので、どのような対処をしているかはわかりません。決済会社の担当にセキュリティーに対してどのくらいの投資をしているか尋ねてみるとよいでしょう。

最後に

ここまで読んでいただいた方には、あなたの会社にふさわしい決済方法の選択方法が理解できたと思います。

また、すでに決済サービスを導入済みの事業者も、決済方法の見直しのために定期的にユーザーにアンケートを取り、どの決済方法がいいのか再検討する機会を設けるべきです。例えばユーザーの利用が最も多いクレジット決済も実は新規に購入する場合は、後払いが喜ばれたりする例があるからです。

とはいえ、新しい決済方法の導入には手数料が膨らむことや各決済会社との接続する仕組みも必要なことから、投資も必要となってきます。このことからEC規模に応じて、決済サービスの導入を見直していくことが良いでしょう。



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ABOUTこの記事をかいた人

井幡 貴司

forUSERS 代表。 株式会社インターファクトリーのWebマーケティングシニアアドバイザーとして、マーケティング支援や多数セミナーでの講演を行う。