5つのポイントでEDIをやさしく解説!EDIの必要性と今後の課題

2017年4月に経済産業省から発表された、「平成28年度 電子商取引に関する市場調査」によると、2016年度の日本のBtoBのEC化率は28,3%であり、BtoCの5.43%を遥かに上回ります。これだけみると「日本のBtoBはEC化が進んでいるんだな~」と思われるかもしれませんが、実はBtoBのEC化率の数字にはEDIが多く含まれているのです。

EDIとは、「Electronic Data Interchange」の略称で企業間の「電子的データ交換」という意味です。つまり、BtoBの企業間取引においては、

①受注・発注
②出荷・納品
③請求・支払

等の各種取引情報のやり取りが多量に発生し、この処理を紙伝票や電話・FAXで業務を行うと膨大な手間・コストが双方の多大な負担になります。これを企業間でお互いの取引情報を専用回線(オンラインを含む)で接続し、自動化した仕組みがEDIなのです。

本日は、インターファクトリーでWEBマーケティングを担当している筆者が、EDIの概要が把握するためのEDIの必要性や課題を解説いたします。

①BtoBの取引業務効率化にEDIは必要不可欠!

EDIの必要性について、EDIを導入していない企業と、導入した企業を比較して解説いたします。

下記はEDIを導入していない企業の受発注を図にしたものです。

◆EDIを導入していない企業間取引の例

このように、紙や郵送ベースの取引には、両社に大きな負担がかかります。また、紙を見ながら手作業は社内システムに入力時に誤入力が頻繁に発生するため、効率が非常に良くありません。では、EDIを導入すると、どのような仕組みになるのでしょうか?

◆EDIを導入した企業間取引の例

このように企業間で、下記①~③の取り決めを行い、

①取引プロセス
①データの形式・内容
②通信プロトコル

EDIを導入することで、受発注のための伝票を作り、郵送する必要がなく、専用回線で「正確・迅速・低コスト」で企業間取引を一気に効率化できるのです。取引規模が大きくなると企業間取引には、EDIの導入は欠かせません。

また、企業間双方が商品の売上や在庫情報のデータを共有することで欠品を防ぎ、無駄な在庫を生まないように、流通の最適化を図る狙いがあります。

②EDIによってデータ品質が向上し、顧客サービスが向上!

EDI導入によって、伝票入力等の手作業が減るので、データの品質が向上します。データの品質が向上するとデータ不備によって、莫大なコストがかかっていた顧客サービスの品質も向上するため、コスト削減に結びつきます。

内部統制の徹底にEDIは欠かせない?

受発注の最適化だけがEDIのメリットではありません。企業の内部統制にもEDIは必要になってくるのです。

内部統制とは会社の経営目標達成のために、社員に対して一定のルールと業務プロセスを整備することです。よって内部統制では重要な書類やデータを電子化し、信頼性を高める必要があります。しかし、内部のデータだけ整備しても、外部の会社から送られてくるデータが電子化されていないと、信頼性に欠けてしまいます。こういった内部統制の面からもEDIを取引先に求める背景があるのです。

③EDIの導入は買手主導になり、売手には都合が悪いことも

しかし、企業間のEDI導入においては、買手がシステム導入の主導権を握り、売手が相手のシステムに合わす形になることが多く、企業間の力関係に強く影響を受けます。また売手にすると取引先企業は複数社あり、売手は相手によって、複数のEDIを導入している企業もあるのです。このような個別の企業間EDIを「個別EDI」と呼びます。

それに対して地域や業界のくくりで標準化されたEDIを「標準EDI」と呼びます。同じ標準EDIを使う企業同士は、規格が同じなため導入がスムーズです。しかも下記図のように、複数社間で同じEDIを使うことができ、大変効率的であり、このような規格が進めば社会的なロスも大きく軽減されます。

標準EDIが進めば企業同士が対等にデータ交換を行うことができ、他の取引先への導入が容易なため、下請け企業にも大きなメリットがあるのです。

◆標準EDIを使う企業同士の例

しかし、標準EDIには業界や業種毎に多くの規格が存在しており、業種・業界を超えた標準化が必要になってきております。

④企業競争力を高めるEDIとは?

EDIは単なる受発注の効率化を促すためのものではありません。買手と売手がEDIで迅速で正確なデータ交換をすることで、

①需要予測
②生産計画
③販売計画
④在庫計画

①から④の最適化を2社間で行うことが可能です。例えば自動部品メーカーのEDIではEDIから提供されるデータを見て、3ヵ月先の需要を予測して部品の生産を行っており、自動車製品において需要の調整が、1企業の枠を超えてEDIによって行われているのです。

また、グローバル企業の高度なEDIは、例えばアメリカの会社が日本のサプライヤーに発注をEDIで送りますが、仮に日本に在庫がない場合は、日本からEDIで「在庫にない製品情報」がアメリカの企業に送られます。そして、その情報を元にアメリカの企業は他の国のサプライヤーに自動でEDIによる発注をかけます。このやり取りはわずか数秒の間に行われます。

このようにEDIとは単なる受発注システムではなく、EDIの完成度が、企業の競争力の一因となるのです。

⑤EDIのほとんどが固定電話回線!

EDIの歴史は古く、1970年代から存在します。そのため企業間の回線として、固定電話回線が通信インフラになってきていましたが、電話回線は通信速度が遅く画像データの送信ができないなど、時代遅れの通信インフラになっています。

しかも、NTTは固定電話加入増が見込めないことから、2020年に固定電話回線の随時廃止を決定しました。その動きに伴い、今後のEDIの通信インフラの変更が、業界の大きな課題になっています。

2007年4月に発表された標準EDIの「流通BMS※」の通信インフラはインターネット回線を使った新たな標準EDIです。今後は流通業界で主流の標準EDIとなり、流通BMSの普及が、EDIのインターネット回線普及のカギを握ります。

※財団法人流通システム開発センターの商標登録です。

 

⑤WEB-EDIとは?

WEB-EDIとは、インターネット回線を使ったブラウザーベースのEDIのことです。※WEB-EDIは標準EDIのことではありません、ブラウザーベースのEDIです。ここを勘違いしないようにしましょう。

2020年に電話回線が廃止になりますから、今後はインターネット回線を経由し、データーのやり取りを行うWEB-EDIへ移行する企業も増えて行くでしょう。WEB-EDIはブラウザーベースで、専用ソフトを端末にインストールする必要はなく、クラウド型のWEB-EDIが市場のほとんどを占めています。

従来のEDIと比べて、安価でインターネットとパソコンがあれば、すぐに導入可能です。しかし、WEB-EDIには大きな問題があります。それは標準化されていないことです。

WEB-EDIは標準化されていない!

WEB-EDIは標準化されておらず、個別EDIと同じで、取引先が異なれば違うWEB-EDIを導入しなくてはなりません。もし、取引先が1社の場合は、問題ありませんが、複数社いる場合、EDIも異なるので、手間になります。

流通業界においては、標準EDIとしては流通BMSが主流です。流通BMSの1機能として、WEB-EDIがありますが、あくまで流通BMSの補完的な1機能です。※流通BMSではWEB-EDIのみの提供を行っていません。

ですから、WEB-EDI導入はコストが安くなる半面、取引先が増えると、かえってコストが掛かってしまうこともあるのです。

 

最後にEDIとECの違いは?

BtoB市場においてもECサイトの導入が増えてきております。では、EDIとECの違いはどこにあるのでしょうか?

EDIは決まった取引先とのデータ共有に留まりますが、ECサイトであれば日本中・世界中が取引先になります。しかし、よくある疑問ですが「BtoBなんて、ニッチ市場だから取引先相手は決まっている。ECサイトは無駄だ」と思われるかもしれません。しかし、例えば、特殊部品を扱う製造業のBtoB企業がECサイトを開設すると、

「WEBで検索から、今までとは違う新規の取引先が生まれた!」
「ニッチ部品だから、個人から受注が発生した!」

といった声もあり、このように商圏を日本中に広げることが可能でBtoB-ECサイトには大きな可能性があります。

そして、EDIには顧客データベースという発想がなく、顧客データが溜まらないためマーケーティング施策が行いにくい現状がありました。一方ECサイトでは、元から顧客管理の概念を持っていますので、顧客データベースとの連携によって、高度なWEBマーケティング施策を行うことが可能です。

デジタルマーケティングの隆盛により、今後はBtoBの分野においてもデジタルマーケティングを有効活用することが非常に重要になってきています。顧客管理をすることによって、顧客行動を分析し、顧客毎に最適な広告を最適なタイミングで表示することができます。

最近はFacebook内でもBtoB-ECによるリターゲティング広告もよく見られるようになってきました。こういった取り組みによりマーケティングの最適化を図るには、EDIで受発注の管理をするだけではなく、BtoB-ECによって顧客管理を実施していく必要があります。

ECサイトは今や、フルスクラッチではなくとも「ECパッケージ」や「クラウドEC」をカスタマイズすることで、様々なデータベースとの連携や、BtoB独特の商習慣(卸売り、掛け売り)にも対応しているため、EDIに見劣りしない機能の実現が可能です。

弊社ebisumartのBtoB向けECサイト構築システムはBtoBに必要な機能や拡張性があり、独特の習慣にすぐに対応することができます。

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