ECサイトの商品ページに流入を増やすSEO施策

EC事業者にとって、商品ページのSEOを最適化し、検索結果の上位に表示することは、売り上げに直結する大きな課題です。ひと昔前はSEO業者に頼めば、比較的カンタンに目的のキーワードで商品ページを上位にすることができました。

なぜならブラックハットSEOという手法で、SEOを上げたいページに、SEO業者が用意したブログやWEBページからのリンクを大量に貼ることでSEO順位を大幅にあげることができたからです。

しかし、Googleは2011年頃から検索エンジンのアップデート(ペンギンアップデート)をかけて、ブラックハットSEOを行っているWEBサイトを一斉に取り締まりました。その結果、多くのWEBサイトが順位を下げることになりました。

では、ECサイトオーナーは、今後どのようにSEO施策をしていけばよいのでしょうか?現在のSEOの主流はコンテンツマーケティングです。なぜなら半年もあれば、流入を数倍にすることも可能だからです。

では具体的にどのようにECサイトの商品ページへ流入を増やすのか?本日はebisumart(インターファクトリー)でWEBマーケティングを担当している筆者が解説いたします。

ほとんどのEC事業者が取り組んでる効果の薄いSEO内部施策

EC事業者もブラックハットSEOという手法がNGなのは把握しており、現在ではブラックハットSEOを行うEC事業者は少ないです。SEO外部施策(リンクを貼ること)ができないので、内部施策の最適化を徹底的にやっているEC事業者がほとんどです。内部施策とは、URLの正規化や、サイト構造の正規化、HTMLの記述等です。

これらの施策は間違ってないですし、ECサイト構築の際は必要な手順です。しかし、SEO業者から渡された内部施策指示書を徹底的に順守しても、残念ですがSEO上位に行くことは困難です。なぜなら内部施策というのはマイナスを失くす作業であり、SEOの順位を積極的に上げる施策ではないからです。

ひと昔前であれば、外部施策(リンクを貼る)ことで、内部施策と外部施策でSEOを上げることができましたが、現在は外部施策はNGです。つまり内部施策はマイナス点を失くす施策でしかないので、ライバルサイトを上回るのは極めて難しいです。

外部施策ができない今こそ、攻めのSEO施策の「コンテンツマーケティング」の実施を検討します。では次にコンテンツマーケティングを実施した、弊社の実績を紹介します。

サイト流入を8ヵ月で5倍にするコンテンツマーケティング事例

まずは、コンテンツマーケティングが本当に効果がでるのか、弊社の実績を紹介します。あなたが今読んでいるこの記事もコンテンツマーケティング施策のブログ記事です。ECサイトではありませんが、当ドメイン「ebisumart.com」のセッション数の推移を見てください。

ebisumartの事例

2015年10月からebisumart.comのドメイン配下で開始した、このブログは、8ヵ月後にはセッション数は開始前の5倍に達しました。しかもこのブログの更新頻度は、月に3~4本。そして現在は月に1本程度です。しかも業者に依頼せず、すべてebismart社員が内製で作成したので、人件費以外は一切かけていません。

当然ですが、弊社への問い合わせも一気に増えることとなりました。このようにコンテンツマーケティングは、仕込みに時間がかかりますが、中・長期施策として、商品ページへの流入を増やすSEOとして極めて効果的であることは間違いありません。

なぜコンテンツマーケティングで流入が増えるのか?

では、なぜ私どものサイト「ebisumart.com」の流入が、ここまで飛躍的に増やすことができたのでしょうか?それはECサイトにおいて主要なECサイト関連のキーワードでSEO1位~3位を独占しているからです。では具体的に実例を見てみましょう。

◆「ebisumart.com」のSEO実績(2016年9月26日時点)

「EC化率」1位
「EC決済」1位
「EC事業」1位
「自社ECサイト」1位
「ECマーケティング」2位
「EC事例」3位
「ECサイト構築」3位
「ECサイト 作り方」3位
「ECコンサルティング」3位

上記以外にも多数のキーワード、例えば「オムニチャネル事例」や「スマホ決済」などECサイトと親和性の高いキーワードでもSEO上位を獲得しています。

私どもの事業はECサイトのプラットフォームの提供をしており、EC関連のキーワードで上位を取ることは、ビジネス上極めて影響が大きいのです。このように、ECに関する関連キーワードを弊社で独占しているので、流入数を5倍にすることが可能になったのです。

ECサイトでのコンテンツマーケティングの始め方

では、コンテンツマーケティングの効果が理解できたところで、ECサイトでどのようにコンテンツマーケティングを開始するのか、具体的に解説いたします。

まずはコンテンツマーケティングを開始するための、ブログプラットフォームを構築する必要があります。よくある質問は「SEOに強いブログプラットフォームって何ですか?」と言う質問ですが、間違いなくWordpressです。

WordPressがSEOに強い理由

まず、WordPressとは何か?それは世界で最も普及しているブログ用CMSで、無料で提供されております。過去にGoogleもWordPressによるブログを推奨しています。ではなぜSEOに強いのでしょうか?それはSEO施策を施しやすい柔軟性とプラグインの提供です。

WordPressでブログを書くだけではSEOに効果があるわけではありません。WordPressはSEOの内部施策の細かいカスタマイズがカンタンにできる点です。下記は一例ですが、メタタグの設定はもちろん、カテゴリーの設定などが、コーダーの手を使わず、マーケティング担当者やECサイト担当者が自分でカンタンに設定できる点です。

◆WordPressのメタタグ設定画面

メタタグの設定

また、WordPressには、世界中からプラグインが提供されており、例えば有名なプラグインの「All in one SEO」を使えば、SEOの知識がなくても、カンタンにSEO内部施策を施すことができますし、SEO内部施策を実施済みのテーマ(ブログのデザイン・外観のこと)をボタン一つで採用することができるからです。

このようにWordPress自体がSEOに強いわけではなく、SEOの設定をすることがカンタンで柔軟に対応できるためWordpressがSEOに強い理由です。もちろん既存のCMSで、コンテンツマーケティングを行っても問題はありません。しかし、現在コンテンツマーケティングで成功している会社のほぼ全てがWordpressを使っています。しかも無料であることから使わない理由がありません。

では次に、WordPressをインストールするサーバーとドメインの解説をいたします。

SEO効果を早く出すためのブログのドメイン・サーバー設定

多くの企業がコンテンツマーケティングをはじめる場合、ドメインを「新規ドメイン」または「公式サイトのサブドメイン」でスタートしていますが、これには2つのデメリットがあります。

デメリット1:新規ドメイン扱いになるためSEOの効果が出るまでに時間がかかる。
デメリット2:公式サイト(ECサイト)とドメインが違うのでCVしにくい。

当たり前の話ですが、新規のドメインからSEOの順位をあげていくには時間がかかります。それでも質の高いコンテンツを提供できればいずれ順位は必ずつきますが、SEOの順位が早くあがるほうがいいに決まってます。

SEO効果を早く出す方法とは、公式サイト(ECサイト)のドメインを使う方法です。

例えば「https:www.xxx.com」という公式ECサイトがあるなら、「https:www.xxx.com/blog/」というblog以下のディレクトリーをWordPressで運用する方法です。

この方法は公式サイト(ECサイト)のサーバーに無料のWordPressをインストールし、インストールの際に自社のドメインを設定するだけです。設定には知識が必要になるのでインフラ担当に相談します。

インフラチームに相談した結果、社内のサーバーの仕様や、セキュリティールールの観点などから、PHPベースのWordPressをインストールできない場合もあると思いますが、あきらめる必要はありません。

外部にレンタルサーバーを借りて、「リバースプロキシ」という設定を使えば、貴社のサーバーとレンタルサーバーをまたぐ形ですが、公式サイトと同じドメインでブログを開設する事が可能です。リバースプロキシを使ったWordPressの設置でも、公式サイト(ECサイト)のドメインのSEOの力を継承できることを筆者自身が実施経験があり、問題ないことを確認しました。

これらの設定をするのはある程度の知識が必要なため、あなたの会社のインフラ担当と相談して、なるべく公式サイト(ECサイト)のドメイン配下でブログを開設します。

公式サイトではなく、「サブドメイン」や「新規ドメイン」でのブログ開設でも問題はありません。ただし効果が出るまで時間がかかる点は覚悟しましょう。とはいえ、どんなドメインであっても「ユーザーを共感させる記事」を書ければ、ドメインがどこであっても大した問題にはなりません。

一番重要なのは提供するコンテンツですので、公式サイトのドメインが用意できなかったとしても時間はかかりますが挽回可能です。

ブログ記事の書き方

ブログ記事の具体的な書き方については、以前の記事で解説したので、下記記事の後半の解説を読んでください。本日はブログの立ち上げ方に重点を置いて解説していきます。

自社ECサイト・ネットショップの集客方法を解説

ECサイトの記事のネタ(キーワード)は販売する商品のついての記事を書きます。ECサイトの場合は、下記の二つブログキーワードとして考えられます。

商品名のキーワードで記事を書く

例えばあなたの会社がダイエットサプリの販売代理店であった場合は、

「商品名」「商品名 + レビュー」あるいは「商品名 + 評判」

といったキーワード1位を目指したコンテンツを書きます。つまりあなたの会社以外にもこの商品を販売している会社がある場合は、ライバルはAmazonや楽天、価格コムなどになるでしょう。それらのサイトより上位に立つために、商品名から派生するキーワードで記事を書きます。例えばスマートフォンの「ギャラクシー」と検索したとします。

◆「ギャラクシー」と検索

seo

この2位に来ているのは、メディアの記事ではありますが、コンテンツマーケティングと理屈は同じです。ユーザーが知りたい内容なので、SEO上位なのです。このように商品名で、ライバルサイトより上位に来ることは可能です。

お悩みキーワードや欲求キーワードで記事を書く

商品名ではなく、お悩みキーワードや欲求キーワードで記事を書く方法もあります。例えば以下のようなキーワードです。

「結婚式で着るスーツ」
「太りやすくなった」
「伊豆 おすすめ」

このようなキーワードで、ユーザー目線のブログを書き、そして商品ページへと誘導するのです。ただし注意は、Googleはユーザーの課題を解決するコンテンツではないと、上位にしないので、ユーザー目線を無視して、自社製品を根拠もなく、「100%痩せる!」「楽して痩せる!」などといったコンテンツでは上位をとることはできません。

場合によっては、他社製品を紹介したり、あるいはお金をかけない方法を紹介するなど、自社目線ではなく、ユーザー目線でブログを書かなくてはなりません。ここでは詳しい記事の書き方は説明しませんが、筆者がブログ記事の書き方を学んだ記事を紹介するので、ブログ記事の書き方についてはそちらをご覧ください。

参考記事:たった1記事で8万人に読まれる文章を書けるようになるライティング術

コンテンツマーケティングで集めた流入を商品ページへ送る

では、コンテンツマーケティングによって、SEOで上位独占しページビューが増えても、それで満足してはいけません。目的は商品ページへの流入を増やす、売り上げを増やすことだからです。

まず下記図をご覧ください。

ブログからECサイトに送る

従来ECサイトのSEOというと、商品ページをSEO上位を狙う方法でしたが、ECサイトにおけるコンテンツマーケティング施策では、集客するブログと、CVするECサイトを分けて考えます。つまりブログで対象の商品に関するブログを書いて、SEO上位をとり、そこで集めた流入を商品ページに送るのです。

なぜ、ECサイトのコンテンツマーケティングは、このように分ける必要があるのでしょうか?商品ページのコンテンツを拡充して、ブログのように記事を付与して、商品ページ自体をSEO上位にすることも可能です。ただし問題がありがます。それはCVRです。

商品ページの役割は、欲しい商品の魅力を伝えることと、スムーズにカートに入れて決済させることです。ですからSEOに注力して、ブログ記事のような長い文章は商品ページにふさわしくありません。なぜならCVRが下がるからです。ですからECサイトでSEOを最適化する場合は、下記のように役割を分けます。

①SEOで集客する「ブログ記事」
②流入をスムーズにCVさせる「商品ページ」

ECサイトの機能「LPからのカートイン」と「Amazonログイン&ペイメント」を使えばCVRが改善する!

ブログ記事で商品を紹介し、商品ページへの誘導リンクを貼る際は、ECサイトの機能の「LPからのカートイン」を使うと、さらにCVRは上がります。なぜなら、ただのリンクはページの遷移だけですが、この機能を使うと商品ページの遷移と同時に、カートに商品を入れることができるからです。

ただし、その際はいきなりカートインさせると、ユーザー心理から不安に思うユーザーもいるので「商品Aを購入する」といった文言を忘れずにつけましょう。いきなりカートインさせてはユーザーが不安になり離脱するからです。ユーザーは商品のブログ記事を読んでいるだけの感覚なので、いきなり購買行動させる際は「びっくり」させない仕組みが大切です。

そして、さらにCVRを上げる施策として決済方式として「Amazonログイン&ペイメント」を導入します。カンタンに説明しますと、ユーザーはAmazonのアカウントで、あなたのECサイトの購入ができる仕組みです。Amazonや楽天での購入に慣れたユーザーは、知らないECサイトで買い物はしませんが、Amazonのアカウントがあれば、あなたのECサイトでも心理的に買いやすく、CVRを上げることができます。

コンテンツマーケティングは集客に強いというメリットがあるかわりに、ブログ形式のためCVしにくいデメリットがあるので、この点はECサイトのプラットフォームが対応しているかどうかを見極める必要があります。

「LPからのカートイン」も「Amazonログイン&ペイメント」も弊社のECプラットフォームの「ebisumart」は両方対応しています。とくに「Amazonログイン&ペイメント」はまだ、ECパッケージでも数社しか対応していないので、導入の際はECのプラットフォーム会社に問い合わせてみましょう。

ブログは誰が書くのか?

誰がブログを書くのか?という点を解説します。ブログ記事は基本は自分たちで作成します。その理由はブログを外注しても効果が出ないからです。

なぜコンテンツマーケティングは外注できないのか?

コンテンツマーケティングは世間では下記の2つの手法があります。

①自分たちで、ブログを書く方法
②ライターを集めて、1記事1000円程度書いた記事を大量にアップする

残念ですが②の方法では、SEO上位をとることは不可能です。Googleがおこなった検索アルゴニズムには2つのロジックがあり、1つは冒頭で紹介した不正リンクの取り締まりの「ペンギンアップデート」。もう一つは低品質なコンテンツを取り締まる「パンダアップデート」です。1000文字程度のどこかのサイトの文章をコピーしてきた内容では、検索順位はあがらないだけでなく、サイトのSEOのパワーを下げてしまいます。

またクラウドソーシングや業者に発注するライターの正体は主婦や、ビジネス経験に乏しい人が多いのが実態です。ブログ記事を書くのは、慣れないと大変ですが、自社の人間が書くしかありません。

ブログ記事の更新頻度は週1本から

ブログ記事は更新頻度が多ければ多いほど、SEOが強くなります。しかしブログ記事は1記事3000字~10000字書くこともありますから、毎日書くのは現実的ではありません。

このブログは、リリース当初は週に1本の頻度、月に4本程度でした。現在は月に1度程度です(インタビュー記事は除く)。ですから、まずは週に1度の更新でいいと思います。もしブログチームをつくことができたら、週に2本~3本のブログ記事のアップを目指しましょう。

ECサイトでのSEOのまとめ

いかがでしたか?本日はECサイトのSEO、つまりコンテンツマーケティング施策について、一通り解説しました。通常のECサイトのSEOというと、内部施策やメタタグ最適化ばかりの解説になりますが、現在はそれだけでは、ターゲットキーワードでSEO上位になることは難しいです。

そのためには、他社を上回るコンテンツの記事をブログで書く必要があります。だからこそ、外注ライターには、商品知識がなく、質の高い記事を書くことができません。その商品については商品知識のある社内の担当が書くのがもっとも良いのです。

そしてコンテンツマーケティングはどこの会社も実施を考えていますが、ほとんど成功していません。その理由はブログを書くのワークロードを用意できないのです。ですから、もしあなたが会社が始めれば、ライバル会社は追いつくことができませんのでチャンスです。まずはWordPressの導入からはじめましょう。

また、SEOの内部対策については、下記記事をご覧ください。

ライバルサイトに勝つための9つのSEO内部対策と成功・失敗事例



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ABOUTこの記事をかいた人

井幡 貴司

forUSERS 代表。 株式会社インターファクトリーのWebマーケティングシニアアドバイザーとして、ebisumartやECマーケティングの支援、多数セミナーでの講演を行う。