SEO対策費用相場と業者の実費用について解説

SEO業者の実態とその手法


インターネット集客の基本は、リスティング広告とSEO施策であることは、昔から変わりありません。リスティング広告は、広告主が費用を決めて運用し、業者に依頼する場合も相場は運用費用の10%~20%程度と決まっており明確です。

しかし、SEO施策となると、様々なタイプや費用体系があり、価格相場は様々です。そしてリスティング広告と異なる点は、効果が不明確な点です。なぜなら2012年以降、Googleは検索エンジンのロジックを更新。「ペンギンアップデート」と「パンダアップデート」を行ったため、SEO施策は難しくなり、ほとんどの業者のSEO対策が不可能になりました。

それでも、現在は大きくわけて2つのタイプのSEO施策が行われております。

①従来の外部リンク中心のSEO施策 1キーワード相場:月間 5万円~30万円
②記事量産型のSEO施策 1記事相場:1万円~5万円

本日はインターファクトリーで、WEBマーケティングを担当している筆者が、これらのSEO対策の費用相場を解説するとともに、業者が、それにかけている実費用を解説いたします。

SEO施策の種類

筆者はSEO業者ではありませんが、WEBマーケティングを広告主として10年間やってきた経験があり、どんなタイプのSEO施策があるのかを理解しています。2017年では、おおよそ2種類のSEO施策が行われています。

タイプ①被リンク中心のSEO施策
タイプ②記事量産型のSEO施策

SEO業者のほとんどは、タイプ①の被リンク施策です。残念ながら2017年の現在では、これらのSEO施策は全く効果がないどころか、Googleからペナルティを受ける可能性が強く、施策をする意味がありません。それを前提に以下の解説をご覧ください。

①被リンク中心のSEO施策

昔からあるSEO施策です。このタイプのSEO施策は成果報酬の業者がほとんどです。ずばり費用感はだいだい下記のようになります。

1キーワードあたり、月額5万円~30万円

この価格差は、キーワードの難易度によって変わります。例えば「EC 決済」というキーワードをSEO業者に依頼した場合、費用は以下のようになります。

被リンク中心のSEO施策の費用一覧

・成果報酬型(10位以内に入らなければ無料)
・対象の貴社指定のホームページに内部施策指示書を作成(別途初期費用10万円程度かかる場合あり)
・10位以内にランクインした場合は、1日3000円
・5位以内にランクインした場合は、1日5000円
・月額の限度額を5万円に設定(30日間1位であっても、5万円以上の支払義務が発生しません)

そして内部施策をSEO業者の指示通り行った後は、SEO業者が被リンクを月に3本~5本程度貼っていきます。では、SEO業者はこの仕事にどれだけの費用がかかっているのでしょうか?ここからは推測ですが、私の経験から考察してみます。

SEO業者が1キーワードの対策にかける実費用

・内部指示書の作成 5000円(制作時間2時間程度)
==>すでにテンプレートが出来ており、そのテンプレートをカスタマイズするだけです

・被リンク作成  リンク1本に対して5000円~1万円程度
==>自社のサーバーに、小さいサイトを作ります。それがバックリンクです。「EC決済」ですので、決済方法に関する記事を書きます。このサイトは見られることを考慮しておらず、読みにくいサイトです。ライターに依頼して書かせるため、コストが発生します。

・サーバー管理費 月間費用1000円程度
==>サーバーの管理費がかかりますが、このサーバーは複数クライアントで、共有されることがありますので、サーバー費用自体は月間1万円から3万円程度ですが、1クライアントあたりは1000円程度になると思われます。またこの費用には、被リンク作成のためのドメイン取得費用も入っております。

・レポート作成費用(0円)
こちらはツールによってエクセルが自動生成されているか、少し加工するだけです。実質費用はかかりません。

合計 SEO業者が1キーワードにかかる費用3万6000円

1キーワードにかける業者の費用の計算

5000円(内部指示書作成)+3万円(1カ月の被リンク)+1000円(サーバー管理費)=3万6000円

内部指示書は初回だけですので、SEO業者一カ月あたりの被リンクにかかる費用は3万円程度と言えるでしょう。その他にも人件費がかかっているので、事業者がSEO業者に支払う費用が1カ月に5万~10万円であれば、適正な価格と思われるでしょう。

しかし、SEO業者に被リンク施策を依頼するには、問題があります。それは、ほとんどのSEO業者がこの被リンクを公開していないため、本当に被リンクが貼られているのかがわからない点です。そしてSEOの成果は毎月レポートで送られてきますが、被リンクがどれだけ貼られているかはレポートされないのです。

被リンクが事業者に報告されない理由は3つあります。

被リンクが事業者に公開されない3つの理由

①SEO上位に順位があがってしまえば、被リンクは追加で貼られない。

実は被リンクというのは、たくさん貼ればいいというわけではありません。被リンクを多く貼り過ぎるとGoogleにバレて、ペナルティを受けてしまいます。そのため少しずつ貼っていきます。そして順位が上がって、SEOの順位が安定すると業者はこれ以上リンクを貼るのはおさえます。過度の被リンクはGoogleにバレる危険性があるので、貼れないという理由があります。

またクライアントも順位が上がっていれば、特に文句もないので、この時点ではクレームはありません。

②順位が安定すると、やるべき事がない

被リンクを公開しない理由は、何もしていないことをクライアントに知られたくないからです。SEO業者は多くのクライアントを抱えているため、ひとつのクライアントに注力しておりません。順位が上がるまでは被リンクを作りますが、1度上がってしまえば、もう作業はレポート作成のみです。

③実は同じ業界のクライアントがおり、被リンクを2社以上に使っている

例えば「EC決済」のSEO対策を行う場合、すでに他の決済の事業者から仕事をもらっており、被リンクを使いまわしていることがあります。これはSEO業者に良くあることで、被リンクを新たに作成せずに、すでにあるサイトを使うので、費用は0円です。しかしライバル会社のSEO施策を行っていることはバレないように、被リンクをクライアントが知ることはありません。

そして、③の話をさらにややこしくしているのは、SEO業者は、被リンクを下請けや、他のSEO業者と共同で運用したりするケースがありますから、そのSEO業者がライバル企業の対策をしてなくても、下請けが、他の会社から受注していたりすると、被リンクを共有していることがあります。

また、ひどい業者になると、被リンクの作成を業種ごとに分けないで、例えば「英会話スクール」と「ニキビ」など、全く違う業種の被リンクを同じサイトで作ろうとしています。これらの施策は意味がないどころか、対策サイトのペナルティの可能性が極めて高くなり、Googleからペナルティを受けやすい被リンクです。

これら3つの理由から、被リンクが公開されることはありません。業者のスタンスとしては「成果を出す」ということですが、実質最初の数カ月しか作業をしていないサービスにお金を払うのはどうなのか?と疑問を感じます。また筆者は業者に頼み込んで、被リンクを見せてもらったことがありますが、

「うわぁ、ひどいサイトだ。。こんなひどいサイトからリンクが貼られているとGoogleに怒られそうだ。。」

案の定、数か月後にGoogleからペナルティを受けて、Googleサーチコンソールを使って、SEO業者からもらったGoogle用の謝罪文テンプレートを使って、Googleに1年かけて8回も謝罪文を送付し、やっとペナルティ解除できました。このペナルティを受けている期間は、SEO施策を行うことはできず、事業者にとっては大きなロスです。

「うちの使っているSEO業者は大丈夫!」

と皆さま思われていると思います。筆者も同じく信用しておりました。筆者は過去に月間70万円をSEO業者に支払っていました。約2年間はビックキーワードでSEO3位以内をつけていました。しかし、SEO業者は順位が上がってしまうと何もしてくれません。私も「1位を目指してほしい」と何度もいいましたが2位と3位を行ったり来たりするだけでした。

結局は被リンクで上がってしまえば、月間70万円も払っているのに何もしてくれませんでした。そして2年後にはペナルティを受けたのです。

これは5年前の話です。現在のGoogleには、被リンクによるSEO施策は通用しません。一時的に順位を上げることはできますが、ペナルティを受けて解除するまでが大変です。そう、被リンク型のSEO施策は資産にならないのです。この点は念頭に入れておきましょう。

タイプ②記事量産型のSEO施策

GoogleはSEO業者を取り締まるために2012年に2つのアップデートを行いました。

ペンギンアップデート・・低品真で中身のないページをSEOで上位表示しない
パンダアップデート・・・被リンクプログラムを行っているサイトにペナルティを課す

この2つのアップデートにより、従来のSEO施策は不可能になりました。では、現在のSEO業者の主流のSEO施策は記事量産型と言われる手法です。カンタンに言えば、1000文字程度の記事をライターを使って記事を量産します。そして、その中には、たまたまSEO上位にひっかかるページも出てきますし、文字数が多いため、ロングテールで流入するユーザーもいます。

これらをコンテンツマーケティングとSEO業者が言っていますが、本当のコンテンツマーケティングとは、ユーザーのために120%のコンテンツを提供し、記事に対して高い満足度を感じてもらう施策ですから、全くの別の施策です。そもそも、その製品やサービスを知らないライターがコンテンツマーケティングを行うのは不可能だからです。

記事量産型のSEO施策の費用一覧

・1記事あたり1万円~3万円
・初期費用5万円~20万円(キーワード調査やプランニング)

ですから、月間10記事依頼すると、10万円~30万円程度かかります。被リンク型のSEOと違って、効果がでるまで半年から1年を待たないといけないので、年間コストは数百万円の施策になります。では、実際のコストはSEO業者はどのくらい費用がかかっているのでしょうか?

SEO業者が1記事にかける実費用

こちらもSEO業者が囲っているライターに依頼をかけます。ライターはSEO業者に指示された内容で、記事を書きますが、決して質の高い記事とはいえません。例えば写真ばかりを大きく使ったり、文章が本質に迫ることはなく、表面上の読みやすいあっさりとした記事になります。だいたい1記事1000円~5000円です。あなたが払う額の10分の1くらいが原価になる目安です。

初期費用のプランニングも、決まったツールとドキュメントのテンプレートがありますから、それらを再利用するケースがほとんどです。

記事量産型のSEO施策の費用対効果は良いのか?

結論から言えば、費用対効果は良くありません。まずCVがあまり取れません。そして流入も少ないです。ではなぜCVがとれなく、流入も少ないのでしょうか?解説していきます。

弱点①ビックワードとミドルワードで上位をとれない

SEO施策で成功するというのは、ビックワードやミドルワードでSEO上位を獲得することです。それも3位以内に入ることは必須です。ですが、このような記事量産型の記事では、決してSEO上位を達成することはできません。なぜならキーワードで上位を獲得するためには、商品やサービスの知識が必須だからです。

ライターにお願いしても、業界の商品・サービスの知識がないため、本質や悩みや解決に迫ることができないため、ユーザーを満足させることはできません。ユーザーが満足しない記事は、滞在時間が短く、離脱率、直帰率も高くなります。

Googleは検索エンジンだけでなく、世界ナンバー1シェアのブラウザーのクロームから、ユーザーの満足度に関連する滞在時間などのデーターは全て持っているので、ユーザーを満足させることができなければ、SEO順位をあげることはできません。

しかし、例外もあります。それはスモールワードです。競合が少なく、月間検索数が少ないキーワードであれば、SEOで1位になることも可能ですし、SEO業者も「○○という複合キーワードで1位になりました」とアピールしてきますが、検索する人がほとんどいないキーワードですから、1位になる意味がありません。

このように、ビックキーワード(月間検索数1万以上)あるいはミドルキーワード(月間検索数1000以上)のキーワードで3位以内に入らないと、ビジネスにインパクトはありません。

弱点②ロングテールからの流入には意味はなく、資産にもならない

記事を量産すると、ロングテールと言われ、いろんなキーワードで流入してきます。そのため記事を増やし続けると、確かに流入は微増します。これには担当者も思わず

「効果出てる!流入が増えている!」

と思われるでしょう。しかし、これらのトラフィックからの流入では購買に極めて結びきづらいのです。例えば、「ニキビ」という超ビックキーワードの記事を狙って書いた記事があるとします。その記事の中でたまたま「完璧」という文字が使われていた場合、下記のユーザーが検索でひっかかる可能性があります。

「ニキビ 完璧になおす」

そうすると、SEO業者も意図していなかったのですが「ニキビ 完璧」というキーワードでSEO上位になることがあります。そうすると、「ニキビ 完璧」というニッチキーワードで、月に10~30アクセス程度、流入していきます。そうするとSEO業者も「ニキビ 完璧」で3位になりました!とドヤ顔かもしれませんね。

しかし、ここに落とし穴があります。この記事はもともと「ニキビ」というキーワードのための記事です。ですからニキビの原因から、対処方法、良い塗り薬、食習慣などニキビに関して網羅的な記事になっているはずです。

ですから「ニキビ 完璧」というキーワードのユーザーニーズは「ニキビ一つない完璧な肌にしたい」というニーズです。ニキビのことを網羅的に知りたいわけではありません。ですからユーザーは離脱して、他の記事を見るか、検索キーワードを変えてきます。

つまり、定期的に少しの流入は発生しますが、決してCVすることはないのです。しかも、もっと良いコンテンツが、競合他社が作ってしまえば、ランキングも落ちてしまうでしょう。

このように、ライターに書かせたコンテンツは、ユーザーの悩みや不安、本質に迫らないため、ユーザーの態度変容を促さないため、効果が出にくいのです。

正しいSEO施策とは?

残念ですが、ブラックハットSEOを行う限り、SEO対策費用は無駄です。むしろ正しいSEO施策を行いたいのなら、業者に依頼するのではなく、自分たちのワークロードを多大に使ってでも、自社によるコンテンツマーケティングを行うべきです。自社で行えば、費用はワードプレスとサーバーの構築費用だけで、さしてお金はかかりません。

この記事では、コンテンツマーケティングのやり方は解説しませんが、過去にネットショップ向けにコンテンツマーケティングの行い方を解説したので、こちらの記事を見ていただければと思います。

コンテンツマーケティングの始め方を解説:ECサイトの商品ページに流入を増やすSEO施策

また、私が師事するバズ部の記事には、細かい設定から正しいコンテンツマーケティングの考え方まで、全て書いてある。SEO業者に費用を払わなくても、自社でSEOの実践が可能です。

バズ部:コンテンツマーケティングの導入事例と実践方法

また、どうしても外部にSEO施策をお願いするにしても、これらの記事を呼んでおけば、SEOに対する正しいアプローチ、つまり「ユーザーを120%満足させるコンテンツ」を考え方が身につくので、SEOの知識のない方は、必ず読んでいただきたいと思います。

SEO業者の正しい費用の使い方と付き合い方

筆者は、SEO業者の全てを否定しません。例えば内部指示書をもらうだけで、被リンク施策を行わなければ、価値はあると思います。その場合、SEO業者に内部指示書だけコストを払うという方法があります。

おそらくどの業者も10万円~20万円程度で、内部指示書を提供してくれるでしょう。内部指示書は、本質的なことは書いていませんが、WEB担当者のSEOスキルをあげるためにも、内部指示書だけは作ってもらうと良いでしょう。一度、内部指示書をもらえれば、SEOの基本的な考え方がわかるので、考え方がわかってしまえば、別なサイトの対策に内部指示書はもう2度と必要ありません。

◆内部指示書の例

・タイトルタグ、H1などの考え方やルール
・ディスクリプションの書き方
・全てのページをユニークなものにする考え方
・サイトの階層化

もちろん、これらの方法は、先に紹介したバズ部の記事でも紹介されていますが、自分のサイト用のものではありませんし、人は生来怠け者のところがあり、お金を払わないと、なかなか実行しないものです。私もSEOの基本知識は被リンク業者の内部指示書で身に付けました。

ここで言いたいのは、WEB担当者やEC担当者は、SEOを外部にお願いするのではなく、自分たちでSEOスキルを身に付けることです。もし、あながたSEOに関して全く知識や経験がないなら、SEO業者に内部指示書だけを依頼するのが良いでしょう。その際、被リンクサービスには申し込まないように気をつけましょう。

また、弊社ブログでもSEO内部対策は詳しく解説しているので、業者に依頼する前にこちらの下記記事もご覧ください。

ライバルサイトに勝つための9つのSEO内部対策と成功・失敗事例

でも、SEO業者がいないとSEOの最新の情報が入ってこないのでは?

実はSEO業者は、SEOの最新の情報をとあるブログから仕入れています。それが鈴木謙一氏のSEOブログです。

海外SEO情報ブログ – 海外のSEO対策で極めるアクセスアップ術

どのSEO業者も、このブログを元に最新レポートを作っています。ですから、SEO業者と付き合わなくても、このブログだけ見ていれば、最新の情報は届きます。

現代のSEO施策は外部で行うのではなく、内部で行うもの

本日はSEO対策の費用面から解説しました。SEO施策を行う場合、必要なのは予算ではなくて、社内にコンテンツマーケティングに長けた人材を育成することです。外部に丸投げするのではなく、社内にコンテンツマーケティングを行う体制のために予算を割くのが正しい費用の使い方です。


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ABOUT US
井幡 貴司
forUSERS株式会社 代表取締役。 株式会社インターファクトリーのWEBマーケティングシニアアドバイザーとして、ebisumartやECマーケティングの支援、多数セミナーでの講演を行う。著作には「図解 EC担当者の基礎と実務がまるごとわかる本」などあり、執筆活動にも力を入れている。