CGMを理解するための3つの事例と具体的手法を解説


CGMとは、Consumer Generated Media(コンシューマー・ジェネレイテッド・メディア)の略です。ユーザーがWEBサイトなどに書き込む口コミやレビューのことであり、例えばYouTubeやNewsPicksのコメント欄、ぐるなびの口コミ欄などを指します。

CGMは、ECサイトの売上を上げるための有力なマーケティング手法の一つです。

なぜなら、ユーザーの購入の決め手となるのは、企業からのセールスプロモーションではなく、サービスや商品を購入したユーザーの実体験による「口コミやレビュー」だからです。また、CGMはSEOやCVRにも強く影響する施策でもあるため、マーケティング担当者が真剣に取り組むべき施策と言えます。

本日はインターファクトリーでマーケティングを担当している筆者が、CGMの事例を解説するとともに、CGMでマーケティング施策を成功させる3つのステップを解説します。

CGMの3つの事例

まず、CGMを理解するための事例を見ていきましょう。「メディア」「ECサイト」「個人ブログ」の3つを紹介します。

事例①NewsPicks:ソーシャル経済メディア

NewsPicksは、ビジネスパーソンのための優良なコンテンツを作り続けているメディアです。筆者もよく利用しており、非常に勉強になります。

NewsPicks | 経済を、もっとおもしろく。

NewsPicksには記事コンテンツの他に、動画コンテンツもあります。そして、有料のプレミアム会員になるとオリジナルコンテンツが読み放題、見放題になります。ユーザーが毎月定額の購読料を支払う、サブスクリプションモデルのビジネスです。

NewsPicksのCGMは、下記のように自社のオリジナルコンテンツもしくは他社メディアに掲載されているニュース記事を紹介し、そこでPicker(ピッカー)と呼ばれるNewsPicksに会員登録した人がコメントを書き込める仕組みになっています。

◆Pickerによるコメントが面白い!

コメント自体は無料会員でも投稿することができます。その道のプロをはじめとして、さまざまな方が記事についての主張や感想をコメントしており、それがNewsPicksでのCGMとなっています。

Pickerによるコメントに「いいね」を押したり、「フォロー」をすることもできるので、Pickerには

「共感される良いコメントを書こう!」

という心理が働きやすくなりますし、NewsPicksは有名なメディアなので、ここでフォロワーを増やして影響力を持つことで、インフルエンサーになれる場合もあります。

また、プロピッカーになるとコメント欄の上位に優先的に表示されるなど露出が拡大するようになります。このように、NewsPicksにはCGMが生まれやすい仕組みができているのです。

月額1,250円(年割プランの場合)と、メディアのサブスクリプションサービスとしては安いとは言えませんが、運営会社のユーザーベースの決算を見ると大きく売上を伸ばしており、自社コンテンツのクオリティーとともにCGMが非常に魅力なサービスだと筆者は強く感じております。

参考:「ユーザベース1Q決算:NewsPicks新規課金数が3倍以上ペースに」(Strainer

事例②PLIQUA(プリカ):パーティードレス専門のECサイト

次はECサイトの事例を紹介します。プリカはパーティードレスを専門に扱うECサイトで、多くのレビューが集まっており、特にEC事業者の方には参考になる事例です。

パーティードレス・フォーマルスーツ通販専門店|プリカ

パーティードレスは高額な買い物ですから、商品を購入するユーザーは、商品詳細ページの情報以外にも、実際のユーザーの声を知りたいはずです。

プリカのECサイトには、ユーザーから多くのレビュー投稿があり、100以上のレビューが集まる商品も珍しくありません。さらに実際にパーティードレスを探している女性ユーザーの参考になるレビューが豊富に集まっているのです。

◆コメント欄には購入したユーザーからのレビューが多く集まっている

1つの商品に100件のレビューがあれば、まず間違いなく自分が知りたい情報を得られるでしょう。これこそ、CGMを使ったCVRを最大化させるマーケティングだと筆者は断言します。

事例③東京シュノーケリングブログ:個人のブログ

CGMは企業やメディアなどの予算を使うことができるサイトだけのものではありません。個人ブログであっても、運営をしっかり行うことでCGMを実施できます。ここで紹介するのは筆者の趣味であるシュノーケリングについて書いた「東京シュノーケリングブログ」です。

東京シュノーケリングブログ

◆ブログの人気記事には多くのコメントが集まる

このように、人気の記事には多くのコメントが寄せられています。企業が運営するブログでも、ここまでコメントが集まっているブログはなかなかありません。

また筆者はユーザーからのコメントになるべく返事をするようにしており、それを見た他のユーザーが「コメントをすると、ブログの筆者から返事がもらえる!」と思い、さらにコメントされやすい状況を作っているのです。CGMのためのツールやシステムではなく、人の力によりCGMを実施しているのです。

コメント欄が充実していることで、Googleからも高い評価が得られていると考えられます。以下のSEOの順位を管理しているツールの結果をご覧ください。

◆SEO管理ツールの測定結果:狙ったキーワードでほぼSEO1位 ※2021年2月23日時点

関東や伊豆のシュノーケリングポイントのキーワードでSEOの上位を独占しております。

CGMが全ての要因ではありませんが、SEO上位の一因になっているはずです。なぜならGoogleはユーザーから支持されているサイトをSEOで優遇するため、多くのコメントが集まっているページは、ユーザーから高い支持が得られていると判断されやすいからです。

CGMがSEOとCVRに深く関与する理由

それではCGMがSEOやCGMに深く関与する理由をそれぞれ紹介します。

CGMがSEOに効果がある理由は?

まず、下記はSEOに関して講演等も行っている鈴木 謙一氏のブログからの引用です。引用先の記事も非常に参考になるので、ぜひご一読ください。

「サイト所有者ではなく訪問ユーザーが投稿したコメントであることを Google は認識しようとしますが、書き込まれたコンテンツはそのページのメインコンテンツとして扱われることがあります。」

出典:「ブログのコメントをメインコンテンツの一部としてGoogleは扱う、良くも悪くも評価対象に」(海外SEO情報ブログ

この記事ではGoogleの関係者が「書き込まれたコメントをメインコンテンツとして扱うことがある」と言及しています。このことからもコメント欄がSEOに関係することが明らかです(ただし、Googleのアルゴリズムは日々進化し続けており、今後も永久に関係するとは言えません)。

また、Googleでなくとも、あなた個人が何かの記事を見つけた時に

「この記事はまさに私の探していた内容だ!」
「すごい!この記事の筆者はどんな人だろうか?」

と、コメント欄や筆者プロフィールを見るために、画面を下までスクロールしたことがあるのではないでしょうか?そういった行動が多く集まった記事は、ユーザーに有益であると言えると筆者は考えます。

このような理由からコメントが多いブログは、SEOに効果があると筆者は考えております。これこそ、CGMの効果の一つと言えます。

CGMでCVRを高められる理由は?

もし、ECサイトで1万円以上もする高額な商品を購入するべきか悩んでいるとしましょう。その際、企業の商品紹介文だけで、購入を決定することができるでしょうか?私なら迷いがあります。

では、どのように迷いを払拭し、購入を決めるのでしょうか?例えばAmazonのようなショッピングモールならば、商品のレビュー欄を見て判断する方が多いはずです。なぜならその商品を購入したユーザーの声によって、商品が自分のニーズに合っているかを確認したいからです。

しかし、レビュー欄は、

良い口コミや星5のレビューが購入の決め手とならない

という場合があります。なぜなら口コミは、残念ながら企業側の自作自演などがあることをユーザーは知っており、単純に高評価が集まっているだけでは商品購入の決め手にならないのです。それよりも自分の疑問点の答えとなる口コミを探して、その内容に納得できれば購入を決めるのです。

そのため、上記とは反対に

星1のレビューでも、それが購入の決め手となる

場合もあります。例えば、ほぼ購入を決めているユーザーが商品レビュー欄を見るときに「最悪の結果は許容できるものか?」という観点で悪いレビューを探します。その星1のレビューを確認して「この程度のことなら許容できる!購入しよう!」となるのです。

つまり、星4~5のレビューが多いことも重要なのですが、ユーザーは「抽象的な星の評価数」よりも「レビューの具体的な内容」を購入の決め手としている場合が多く、このようなユーザー行動は、ECサイトのCVRと密接に関係しているのです。

このことを裏付ける明確なデータや根拠を筆者は持っているわけではありませんが、この記事を書くにあたって、知人にインタビューした結果、多くが上記のようにレビュー欄を利用する傾向にありました。

また、ユーザー行動調査によるホームページ改善に多数着手しているbeBitのブログでも、口コミと売上を関連させるECの事例が記述されていますので、EC担当者の方は合わせて読むことをおすすめします。

参考:第40回-ECサイトの売上V字回復!鍵はロイヤル顧客の「意外な」閲覧行動beBit

つまり大切なのは、良い口コミが集まりやすい仕組みを作ることです。口コミが増えれば、良い口コミも悪い口コミも増えてしまいますが、口コミの数が100を超えればユーザーは自分の目的の情報を得られやすくなり、CVRが向上しやすくなるのです。

下記の記事では、その取り組みを真摯に行ったEC事業者の例が掲載されていますので、ぜひご覧ください。

参考:「熱量あるコメントでCVR最大250%の成果も サンエー・ビーディーのレビュー活用マーケティング戦略」(MarkeZine

CGMを成功させる3つのステップ

ここまでお読みいただいた皆さんは、CGMがいかにSEOやCVRに影響するのか、ご理解いただけたかと思います。

では、CGMを実施して、WEBマーケティング施策を成功させるにはどのようにすれば良いのでしょうか?方法はシンプルで、下記の3つのステップを実行するだけです。

◆CGMを成功させるたった3つのステップ

ステップ①良い商品・サービスを作る
ステップ②ユーザーが投稿したくなる仕組みを作る
ステップ③投稿の際は「投稿例」を提示する

まず①ですが、これは当たり前です。例えどんなに最新のWEBマーケティングを予算をかけて駆使しても、商品そのものが良くなければ、良い口コミは集まりませんし、自社で作った自作自演の口コミはユーザーに見抜かれてしまいます。まずは良い商品・サービスの開発と提供が先決です。

次に、②の投稿したくなる仕組みについてですが、実は良い商品やサービスであってもそれだけでは口コミはなかなか集まりません。

ECサイトであれば口コミを記入してくれたユーザーにクーポンを発行したり、メディアサービスであれば、投稿者に口コミユーザーをランク付けするシステムを導入して、投稿したくなる仕組み作りが必要です。

筆者の東京シュノーケリングブログでは、特典やシステムは特に用意しておりませんが、記事の中に「コメントをください」などの文言を入れて訴求しています。このように必ず投稿したくなる仕組みや、キッカケ作りが必要です。

そして、重要なのが

「すごく良い商品でした」
「スタッフが丁寧でした。ありがとうございます」

というコメントはユーザーにはほとんど役に立ちません。

ただ特典をつけて口コミを促すとこのようなコメントに埋め尽くされるようになります。なので、③の「投稿例」を示すことが非常に重要なのです。例えば、アパレルのECサイトであれば、

◆良い口コミを促す投稿の観点

・あなたの体型や年齢は?
・購入した理由は?
・どんな人におすすめか?

といった口コミのポイントをユーザーに提示する必要があります。下記の例では、どちらがユーザーの参考になる口コミか一目瞭然ではないでしょうか。

◆普通の口コミ

・黒くてかっこいいTシャツでした。サイズもぴったりでよかったです。

◆購入の参考になる口コミ

・167センチでぽっちゃり体型の男性で、購入にあたってはTシャツがピチピチにならないか心配でしたが、商品詳細ページの説明の通り「大きめ」のデザインであったため、サイズ感は問題なかったです。細身のシャツではないので、私のようにお腹が気になる方に良いTシャツだと思います。

このような、ユーザーの参考になるコメントが集まれば、最高のCGM施策となるでしょう。CVRを高めることにもつながりますし、SEOにも良い影響があるはずです。

自作自演の投稿はデメリットが大きい

CGMを最大化したいからといって、自社の口コミを自作自演で投稿することは絶対にやめましょう。筆者の経験から、以下のようなデメリットがあるからです。

◆自作自演のデメリット

✓ユーザーはネットリテラシーを身に付けており、不自然な口コミを見抜くことができる
✓自作自演が発覚した場合、信用を大きく損なうだけでなく、火消し作業に追われる
✓マーケティング担当者がマーケティングスキルを身に付ける習慣や姿勢を失ってしまう

たとえ炎上しなくとも、このような施策を可としてしまうことは、インターネット業界の信用を落とす行為です。自社の売上を伸ばすためだけに、このような行動をすることは避けましょう。

CGMのまとめ

「CGM」について知りたい!と思ってこの記事を読んだ方が多かったかもしれませんが、実はCGMを突き詰めることは、自社サイトやECサイトに大きな影響を与えます。そして、CGMを成功させるステップは非常にシンプルなので、すぐにでも取り組むことができるテーマなのではないでしょうか?

おそらくCGMの成否を分けるのは、扱う商品やサービスのクオリティーだと思います。商品やサービスが突出していれば、それだけでCGMを成功させることも可能です。

なぜなら、商品やサービスのクオリティーが高ければ、SNSなどで自然と話題になりやすい時代になったからです。

ユーザーの役に立つ商品やサービスには、マーケティング施策以上の力があります。もし、小規模企業でマーケティングを行う余裕がない場合には、商品開発に注力してみるのも、ある意味CGMにつながる行動であると筆者は思います。


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ABOUTこの記事をかいた人

forUSERS株式会社 代表。 株式会社インターファクトリーのWebマーケティングシニアアドバイザーとして、ebisumartやECマーケティングの支援、多数セミナーでの講演を行う。