【最新版】今から導入すべきPOSレジアプリ大手5社を徹底比較


これから小売店を開業しようと考えている方はPOSレジの選定が必要になります。現在は各社から数多くのPOSレジアプリが提供されているので、

「POSレジの比較検討って何をすればいいの?」

と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

POSレジアプリの選定に際しては、費用の検討ももちろん大切ですが、その前にPOSレジの役割と主要な機能を理解しておく必要があります。

「POSレジアプリ」と簡単に言っても、サービスごとに実装されている基本機能や得意とする機能は異なります。

主要機能の中で、「自分の店舗で絶対に必要な機能は何か」「各機能をどのように使用したいのか」など、実際の店舗業務をイメージしながら各社のサービスを比較検討していきましょう。

この記事ではインターファクトリーでマーケティングを担当している筆者が、POSレジアプリ大手5社が無料で提供しているサービスの主要機能を比較しながら、各機能の役割について解説します。

無料で利用できる大手5社のPOSレジアプリ

以下は無料プランを提供している大手5社のPOSレジアプリの主要機能を比較した表です。

◆大手5社のPOSレジアプリの主要機能比較

出典:各サービスの公式サイト「Square POSレジ」、「Airレジ(AirREGI)」、「STORESレジ」、「ユビレジ」、「スマレジ」(2022年7月現在)

今回は、POSレジアプリサービスを取り上げていますが、他にも独自端末で運用する専用システムや業界に特化型のシステムなどさまざまなシステム形態と種類があります。

また、POSレジ専門事業者が提供するアプリ(「ユビレジ」や「スマレジ」など)だけでなく、Square(スクエア)、リクルート、STORESといった、オンライン決済事業を行っている企業が提供するアプリサービスも増えています。

上表の大手5社のPOSレジアプリは、いずれも無料プランが提供されているため、iPadなどのタブレット端末が手元にあれば、すぐにPOSレジを導入できます。
それでは、POSレジアプリの主要機能と役割について詳しく見ていきましょう。

①レジ機能

店頭で買い物をする際にはおなじみの「レジ」ですが、ここで一度、小売店におけるレジの役割と機能を整理してみましょう。

◆レジの役割・機能

・会計処理:売上登録(バーコードスキャン)、釣銭計算、レシート発行
・決済処理:現金決済、クレジットカード決済、QRコード決済、電子マネー決済

まず、「会計処理」のために売上を登録するシーンを思い浮かべてみてください。
POSレジで売上を登録するためには次の3つの方法が考えられます。

方法①POSレジアプリに登録した商品を選択して登録する
方法②商品のバーコードをバーコードスキャナーでスキャンして登録する
方法③商品のバーコードをタブレット端末のカメラでスキャンして登録する

大手5社すべてのPOSレジアプリが方法①と方法②に対応しています。ただし、どのサービスでも、方法②では「バーコードスキャナー」を別途用意する必要があります。

バーコードスキャナーには高機能で高価な製品もありますが、Bluetooth接続ができる手頃な価格の製品でもPOSレジアプリで使用可能です。

例えば、Socket Mobileのバーコードスキャナーなど、複数のPOSレジアプリに対応している製品もあるので、いろいろな製品を検討してみるとよいでしょう。

◆POSレジアプリで使用できるバーコードスキャナー(例)

バーコードスキャナー

引用(画像):Socket Mobile公式サイト「SocketScan S700:リニア―1Dバーコードスキャナー」(製品ページ)

方法③のタブレット端末のカメラを使用する方法には「STORESレジ」が対応しており、STORESレジに登録した商品であればiPadのカメラでバーコードをスキャンして売上を登録することができます。

もし、スーパーのように大量の商品を効率良くバーコードスキャンする必要がある場合は、POSレジアプリに加えてバーコードスキャナーの購入を検討すべきでしょう。

また、「レシート発行」を利用する場合は、POSレジアプリに接続できるプリンターを別途用意する必要があります。プリンターは数万円程度から購入することができます。利用する場合には、消耗品(予備の出力紙やインクなど)についても考慮しましょう。

次に「決済処理」についても考えてみましょう。
支払いが現金のみであればPOSレジアプリだけで処理できますが、キャッシュレス決済の場合は別途キャッシュレス決済サービスとの連携が必要になります。

「Squareレジ」「Airレジ」「STORESレジ」では、以下のキャッシュレス決済サービスが提供されています。

POSレジアプリサービス 対応可能なキャッシュレス決済サービス
Square POSレジ Square
Airレジ Airペイ
STORESレジ STORES決済
ユビレジ STORES決済、Square、楽天ペイ、StarPay、食べログペイ、オムニカード・ペイメント、おてがるPay
スマレジ スマレジ・PAYGATE

出典:各サービスの公式サイト「Square POSレジ」、「Airレジ(AirREGI)」、「STORESレジ」、「ユビレジ」、「スマレジ」(2022年7月現在)

基本は各社が運営しているキャッシュレス決済サービスを利用することになりますが、「ユビレジ」では複数の提携サービスの中から選択することができます。

キャッシュレス決済(スマホ決済)については、下記の記事でも詳しく解説していますので、興味のある方はぜひ参考にしてみてください。

関連記事:【2022年版】スマホ決済大手7社比較!今から導入する決済方法は?

すでに利用しているキャッシュレス決済サービスがある場合は、その決済サービスを利用できるPOSレジアプリという切り口でサービスを検討してみるのもよいでしょう。使い慣れたサービスを継続利用できるので、開店時の負荷を軽減できます。

②売上管理機能

POSの価値を最大限に活用できる機能が売上管理機能です。売上管理機能では、一般に以下のような項目別に売上状況を集計することができます。

◆売上管理分析

・日別、月別、曜日別、時間別
・商品別
・部門別、スタッフ別

売上実績をさまざまな切り口から把握・分析することで、「最も売れる時期はいつか?」「売れ筋の商品は何か?」「売上成績が高いスタッフは誰か?」などを評価して、新たな気付きやインサイトを得ることができます。

例えば、以下のように提供サービスや店舗の立地などを組み合わせた仮説検証も可能になります。

◆売上管理分析のイメージ

・例①:【集計結果】毎週水曜日の夕方は売れ行きが良い
⇒【仮説】近くのオフィスビルの会社がノー残業デーだからではないか?
・例②:【集計結果】スタッフAさんの勤務日はいつも売上が高い
⇒【仮説】リピーターのお客様が多いのではないか?
・例③:【集計結果】月曜日はいつもA商品の売上が良い
⇒【仮説】別商品を組み合わせたセット商品も売れるのではないか?

売上実績の集計や分析機能はPOSレジの店舗経営に不可欠であり、大手5社すべてのPOSレジアプリにも実装されています。

ただし、集計項目や分析機能などについてはサービスごとに差があるため、「どのようなデータを取得したいのか」を十分に検討した上で、それを実現するための機能を備えたサービスを選定しましょう。

アプリに分析機能がない場合や独自の集計・分析を行いたい場合には、POSレジアプリからデータをエクスポートすることができれば、エクセルなどを使用して分析することができるため、データのエクスポート機能の仕様についても確認しておくとよいでしょう。

③顧客管理機能

顧客管理機能は各スタッフが担当しているお客様の情報や対応履歴をデータで管理・共有するための機能です。担当スタッフが不在の場合にもスムーズにサービスを提供することで、優良顧客の離脱要因を未然に取り除くことができます。

顧客管理機能では、次のような情報を登録・管理します。

◆顧客情報の管理項目(例)

・基本情報:氏名、性別、年齢、住所、メールアドレス など
・購買情報:購入日時、購入サービス、購入数量 など
・付加情報:ご要望、趣味や好み、来店時の応対内容 など

例えば、美容室やサロンなどでは、来店ごとの会話や応対の内容を記録しておくことで、初めて担当するスタッフでも、前回の対応履歴を確認してスムーズに接客することができます。来店時の顧客とスタッフ双方のストレスを低減して満足度を高めるとともに、対応履歴の要望や好みに基づく最適なサービス提案なども可能になります。

また、メルマガなどによるダイレクトアプローチやデータマーケティングが可能になるため、優良顧客や休眠顧客といった顧客セグメントごとに個別の提案や来店キャンペーンなどを打つことができるようになります。

④在庫管理機能

在庫管理機能を使用すると、商品登録時に在庫管理も同時に行うことができ、色違いやサイズ違いなどのバリエーションを持つ商品も個別に管理できます。

小売店では棚卸しの際に在庫と売上の商品数が合わないというケースも珍しくありませんが、その場合、「Square POSレジ」では「盗難・紛失」ステータスとして在庫引当を行います。

後述する「複数店舗管理機能」を併用した場合は店舗ごとの在庫管理が可能ですが、そうでない場合は複数店舗の在庫管理をまとめて行うことになるため、細やかな在庫管理が難しくなります。正確な在庫管理は売上向上のためにも不可欠なので、複数店舗を運営する場合には、複数店舗管理機能のあるPOSレジアプリを選定しましょう

⑤アクセス権限・勤怠管理機能

スタッフアカウントのアクセス権限設定と勤怠状況を管理できる機能です。アクセス権限管理機能では、スタッフリーダーには値引きや払い戻しなどのお金に関する決定権を付与するなど、スタッフの職域に応じて使用できる機能を制御できます。

勤怠管理機能では、スタッフがスマートフォンで出退勤の登録を行うことができます。リモートワークや出張時も自宅や外出先でスマートフォンから出退勤登録ができるため、入力忘れを防ぐことができます。

Square POSレジの勤怠管理機能(スタッフ管理機能)では、以下の管理も可能です。

◆Square POSレジの勤怠管理機能(一部抜粋)

・残業時間計算
・休憩時間記録
・スタッフ別の売上履歴
・人件費レポート

出典:Square POSレジ「スタッフ管理機能

このように充実したスタッフ管理機能を提供しているPOSレジアプリを使用することで、勤怠管理専用ツールの導入が不要となる上、人材(スタッフ)と業務をひも付けて管理できるため、効率的なマネジメントが可能になります。

⑥複数店舗管理機能

複数の店舗を運営する場合は必須の機能です。複数店舗管理機能では、売上、在庫、商品、スタッフ、勤怠、アクセス権限などを店舗別に設定・管理できます。

各店舗の売上状況を画面上でリアルタイムに確認できるため、店舗の状況に合わせた指示出しや指導を適切に行えるようになります。また、店舗別、エリア別の売上集計も可能なので、店舗の課題と事業全体の課題を切り分けて把握することができ、迅速な経営判断にも役立ちます。

低コストでPOSレジの運用を始めるために、アプリが対応しているOSと端末をチェックしよう

POSレジアプリは無料で利用できますが、端末は別で用意する必要があります。すでに使用しているまたは使用する予定のOSや端末がある場合には、検討中のPOSレジアプリで使用できるかどうかを必ずチェックしましょう。

大手5社すべてのサービスが対応している端末はiPadだけですが、iOS(iPad、iPhone)やAndroid端末に対応しているサービスもあります。

また、対応可となっているOSや端末であっても、古い機種では使用できない場合も多いため、導入前には必ず対応しているバージョンまで確認するようにしましょう。

POSレジアプリを利用する場合には、下記の周辺機器や備品が必要になります。

◆POSレジアプリで必要な周辺機器・備品

・モバイル端末(タブレット/スマートフォンなど)
・キャッシュレス決済端末
・バーコードスキャナー
・キャッシュドロアー(現金を一時的に保管する引き出し)

先述のとおり、商品管理や会計でバーコードを使用する場合は、バーコードスキャナーやカメラ付き端末が必要です。また、現金決済が多くなる場合には、現金を保管するためのキャッシュドロアーも必要になります。

POSレジアプリを選定する際は、別途用意する必要のある周辺機器や備品についても考慮しておきましょう。

まとめ

以前は高額な費用と膨大な労力をかけて導入することも多かったPOSレジも、昨今はデジタル技術の進化とモバイル端末の普及が進み、無料で手軽に利用できるサービスとして提供されるようになりました。そのため、個人や小規模事業者の方も短期間で店舗を開店することができます。

少子高齢化の進む国内では、どの業界においても優れた労働力の獲得と維持が企業の優先課題の一つとなっています。そのソリューションの一環として、業務の効率化を実現するアプリやツールを採用していくことは極めて有効な方法と言えます。

今回紹介したPOSレジアプリも店舗業務を効率化するツールの一つです。各サービスの情報収集と比較検討はもちろん、トライアルやデモンストレーションを通して実際の操作感を確認し、自社に最適なサービスを見極めましょう。まずは無料サービスを試してみることをおすすめします。


ABOUT US
井幡 貴司
forUSERS株式会社 代表取締役。 株式会社インターファクトリーのWEBマーケティングシニアアドバイザーとして、ebisumartやECマーケティングの支援、多数セミナーでの講演を行う。著作には「図解 EC担当者の基礎と実務がまるごとわかる本」などあり、執筆活動にも力を入れている。