ギフト向けECサイトに必要な5つの機能をECのプロが徹底解説


自分自身のための商品購入ではなく、ECサイトでギフト目的の商品を購入したことがある人も多いと思います。その時にスムーズに商品を購入することができたでしょうか?ギフト向けECサイトは「ラッピング」や「熨斗(のし)」をつけたりと、通常のECサイトよりも必要な機能が多くなります。

もし、ギフトを専門的に扱うECサイトを作るなら「ギフト向けの機能」があることで、ユーザーの入力や確認の手間を大幅に削減することができるので、ECの売上も大きく変わってきます。ギフト向けECサイトを始める前に、どんな機能が必要なのか、どんなシステムが向いているのか、あらかじめ知っておく必要があります。

本日は、インターファクトリーでマーケティングを担当している筆者が、ギフト向けECサイトについて詳しく解説いたします。

2019年のギフト市場規模は「10兆7,302億円(見込)」で成長している市場!

矢野経済研究所によると、国内のギフト市場規模は、微増ではあるものの年々増加を続けています。時代の流れで、お歳暮やお中元などの「フォーマルギフト」は縮小傾向にありますが、父の日や母の日など個人的な贈り物の「カジュアルギフト」は需要が増えていることから市場規模が大きくなっています。

 


注1.小売金額ベース
注2.2019年は見込値、2020年は予測値

出典: 株式会社矢野経済研究所「ギフト市場に関する調査(2019年)」(2020年2月17日発表)

市場をけん引しているのはカジュアルギフト!

矢野経済研究所の分析によると、ギフトと言えば、上司やお世話になった人に贈る儀礼的な「お中元」や「お歳暮」などの「フォーマルギフト」が多かったのですが、それらは年々減少傾向にあります。

それに対して、「カジュアルギフト」の市場は上昇傾向にあります。ギフトを贈る側の年齢層も高くなり購入単価が高まったことや、自分が食べておいしかった物や使って良かった物を共有する目的のギフトが多くなったためです。

ギフト向けECサイトに必要な5つの機能を解説!

それでは、ギフト向けECサイトに必要な5つの機能を紹介します。

機能①複数配送先機能

一度の購入で商品のお届け先を複数指定できる機能です。自己消費目的の購入では、この機能のニーズは少ないですがギフト購入では必須の機能です。

親、兄弟、親せき、上司に贈り物をするために、注文を複数回に分けて購入しなければならないとなると、ユーザーに対する入力の負担が大きくなります。そして、この機能には、お届け先を増やした分「送料」も自動で加算できる機能も必要になります。

機能②アドレス帳機能

◆アドレス帳のイメージ

お届け先

山田太郎 「両親」     大阪府大阪市〇〇〇
三田一郎 「上司〇〇部長」 東京都北区〇〇〇
金田次郎 「子ども」    福岡県福岡市〇〇〇

ギフトのお届け先住所は、自分の近しい身内であればユーザーが記憶しているケースもありますが、多くのケースでは手元の住所録やメモを見ながらスマホやPCにお届け先住所を入力しています。

お届け先が多ければ、この作業は非常に大変です。アドレス帳機能とは、複数の住所情報をECサイトに登録しておくことで、次回以降の購入時にはお届け先住所を入力することなく、登録してあるアドレス帳から住所を指定できる機能です。

ユーザーにアドレス登録をしてもらえれば、次回以降もリピーターとなってくれる可能性が高く、リピーターを確保する役割も果たします。

機能③ラッピング機能

商品の包装の色をどうするか、有償でスペシャルなものにするかなどデパートでのギフト購入と同じ発想がECサイトでも必要です。

ギフト向けECサイトで必要なラッピング機能とは、購入商品を選択した後に、商品ごとにラッピングの種類が選択できるものです。さらに、有償のラッピングの場合は購入金額に費用が自動加算される必要があります。

また、ラッピングしたイメージをユーザーが事前に画面で確認できる機能を追加することで、実際の店舗での購入体験に近づけることも可能です。

機能④熨斗(のし)機能

デパートなどでのお中元やお歳暮、出産祝い、またはそれらのお返しの「内祝い」を購入する際に熨斗をつけますが、ECサイトでの購入でも熨斗は必要です。

商品選択後に、熨斗を選択する流れになりますが、熨斗には「外熨斗」か「内熨斗」の2種類があります。

一般的には外熨斗(ラッピングの上から熨斗をかける)が利用シーンとして多いですが、お祝いのお返しである「内祝い」は控えめな表現にするためにあえて内熨斗(ラッピングの下に熨斗をかける)も選択できるようにする必要があります。ラッピング同様に有償にする場合は、熨斗代が購入代金に加算されるシステムが必要になります。

また、若いユーザーは「熨斗」について理解していない方も多いため、「外熨斗」や「内熨斗」についてECサイトでしっかり解説をしないと、購入をあきらめてサイト離脱されてしまう可能性があります。

機能⑤名入れ機能

贈り物の商品自体に名前を入れるサービスです。筆記用具やハンカチ、ワインなどで名入れのサービスを行っているショップも多いと思います。

名入れは、一般的にはお届けする相手の名前や誕生日などを入れるケースが多いです。名入れサービスをECで行う場合は、以下の4つのステップが必要です。

ステップ① 名入れサービスの申し込み有無選択
ステップ② 名入れする「文字」や「メッセージ」の入力フォーム
ステップ③ フォント(字体)の選択
ステップ④ 有償の場合、その費用を購入代金に加算するシステム

ステップ②については、ECシステムには商品ごとに名入れできる文字の限界があるはずなので、入力文字数の制御が必要になります。例えばボールペンなど筆記具では20文字程度の制限をかけるなどです。

 

これら5つの機能により、ラッピングや熨斗、名入れも選択可能とすることで、実店舗でのギフト購入体験に近づけることができます。さらに、その「出来上がりイメージ」を視覚的に表現することで、実店舗よりも上を行くギフト購入体験になります。様々な組み合わせを視覚的に確認するのは実店舗でも難しいものです。

注意!ギフト向けECサイトでの決済方法で「代引き」を使ってはいけない!

ギフト注文におけるユーザー向けの決済方法は、通常のクレジットカード決済等を利用すれば良いのですが、一つだけ注意点があります。それは「代引き決済」を選択できないようにする点です。

ユーザー自身が「代引き」を選択しないように気を付けることではありますが、システムで「代引き」を選択できないように制御を行うか、それが無理な場合は、テキスト表記で十分にユーザーに対して注意喚起することが必要です。

そうしなければ、ギフトのお届け先で運送会社から「代引きです」と言われて、せっかくのギフトが台無しになってしまうからです。

ギフト向けECサイト事例:ギフトに特化したECサイト「TANP(タンプ)」

ギフト向けECサイトでは、今最も勢いがあるのはTANPです。扱う商品をギフト商材に特化したECサイトで、

・シチュエーション(誕生日、記念日、入学祝い、就職祝い、etc)
・ギフトを贈る相手(彼氏、彼女、男友達、女友達、etc)

2つの項目を多くの選択肢から指定することで、シチュエーションと相手にふさわしい商品が多数ピックアップされるので、相手にふさわしいプレゼントが見つかります筆者も試しにTANPで妻の記念日のために検索してみると「化粧品」から「お祝いメッセージ全文が描かれるホールケーキ」など、ユニークで面白い商品を多数見つけることができました。そして独自のロジスティクスを構築しており、最短で当日に発送することができます。

また、Amazonや楽天市場などの有名ショッピングモールでは、商品名やカテゴリーからギフトを選択(検索)されるので、価格勝負になりやすく、値崩れが起きればブランド毀損のデメリットもあります。下記記事によると、TANPはギフト商品しか扱わないために、出品している商品ブランドを毀損しないという出品企業にはありがたいECサイトと言えます。

参考記事:「ギフト特化EC「TANP」が5億円調達、豊富なオプションと独自のロジスティクス軸に事業拡大」(TechCrunch Japan

TANPはこれからギフト向けECサイトを構築する方には、ベンチマークとなるECサイトなので、ぜひ下記リンクからチェックしてみてください。

公式サイト:贈りたいギフトがみつかる | TANP

「ギフト向けECサイト」で選ぶべき4つのECシステムを解説

これからギフト向けECサイトを作るのなら、先に紹介した5つの機能が実装されているECシステムが前提となり、どこまで実店舗でのギフト購入感覚と近づけられるかが課題となります。

ECシステムといっても、売上や規模感から大別すると以下の4つの選択肢があります。

◆4つのECシステム

①ASP
②パッケージ
③クラウド
④フルスクラッチ

どのECシステムを採用すべきかは、判断基準としては「売上規模」があります。それでは売上規模別にそれぞれのシステムを解説してまいります。

「①ASP」のギフト向けECサイト月商目安は「1,000万円未満」

ASPの特徴は以下の通りです。

・ECに必要な機能が一通りそろっている
・サーバー費用も込みで安価に利用が可能
・時代に合わせて新しい機能がアップデートされる
・カスタマイズができない

ASPは月々数万円のコストでシステムを利用することができる安価なシステムで、多くのEC事業者が利用しております。ECの見た目に関しては割と自由にデザインすることもできるため、ECのフロント機能としては不足はありません。

しかし、ギフト向けECサイトとしては、ある程度までの運用は可能ですが、熨斗やラッピングの出来上がりのイメージや複雑な名入れ機能などは備わっていないことが多いです。そのため、事業として専門的にギフト向けECサイトを運営するには、機能不足であることは否めません。

「②パッケージ」のギフト向けECサイト月商目安は「1,000万円以上~数億円未満」

パッケージの特徴としては以下の通りです。

・ECに必要な機能が一通りそろっている
・自社でサーバー保守が必要
・カスタマイズが可能
・システムが陳腐化する

ギフト向けECサイト事業者として専門的な運営を行うことが可能なシステムです。パッケージをカスタマイズすることにより、ギフト向けECサイトに必要な機能を実装することができ、コストをかけてカスタマイズを徹底的に行うことで競合以上に利便性の優れたギフト向けECサイトを作ることが可能です。

しかし、パッケージはASPやクラウドと違い、システムが陳腐化するというデメリットがあり、3~5年後にはシステムのリニューアルを検討しなくてはならないために、長期的には手間とコストがかかるECシステムとなります。

「③クラウド」のギフト向けECサイト月商目安は「1,000万円以上~数億円未満」

クラウドの特徴としては以下の通りです。

・ECに必要な機能が一通りそろっている
・サーバー費用も込みで比較的安価に利用できる
・カスタマイズが可能
・ASP同様に、時代に合わせて新しい機能がアップデートされるため常に最新

パッケージと同様に、ギフト向けECサイト事業者として専門的で利便性の高いECサイトを構築することができるシステムです。パッケージと異なる点は、クラウド環境のECシステムで、かつカスタマイズも可能であることです。

つまりシステムが自動更新されるので、一度導入すれば入れ替える必要はなく、システムが陳腐化しません。

「④フルスクラッチ」のギフト向けECサイト月商目安は「数億円以上」

フルスクラッチの特徴としては以下の通りです。

・ゼロから要望に合わせて何でも実現できるサイトが作れる
・自社でサーバー保守が必要
・コストが非常に高い
・システムが陳腐化する

フルスクラッチの最大のメリットは、全てが自社の要望通りにECサイトを作ることができる点です。コストと時間がかけられるなら、ギフト向けECサイトでは熨斗のプレビュー画面を実装するなど、実店舗のギフトに限りなく近づけることも可能です。

ただしフルスクラッチのECサイトは、システムが陳腐化するデメリットがあり、またコストが最も高いECシステムであることから、自社で技術力のあるエンジニアがいる大手に採用されることが多いです。

また、昨今はパッケージやクラウドがシステムの拡張性を高めていることから、フルスクラッチを採用する企業は少なくなってきています。

本日はギフト向けECサイトがメインの記事ですので、ECサイトの構築方法などは下記の記事をご覧ください。

過去記事:個人や企業が最適の「ECサイトを構築」するための必要な5つの視点

ギフト向けECサイトのまとめ

ある程度の規模でギフト向けECサイトを運営している事業者では、システム側が提供している機能では足りず、最初からカスタマイズが必要になる場合があります。

またECサイトにはギフトに限らず毎年「新たな施策」のため予算を設け、新機能を追加することが多いです。そのため、選定すべきは、必要最低限な機能をそろえつつ、追加カスタマイズが可能なシステムになります。

そういう意味ではカスタマイズが可能で「新機能」が自動でアップデートされる「クラウド型」が、中長期的に見てカスタマイズ費用を低く抑えることができます。

ギフト向け機能を豊富にそろえ、さらにカスタマイズが可能なクラウドコマースプラットフォーム「ebisumart」については、下記サイトからサービス内容をご確認ください。ギフト向けECサイト構築の事例紹介も多数掲載しております。

クラウドコマースプラットフォーム「ebisumart(エビスマート)」


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