2つのID決済「AmazonPay・楽天ペイ」導入前に押さえるべきポイントとは?


ID決済で代表的なサービスの「Amazon Pay(アマゾンペイ)」「楽天ペイ」の導入を検討するEC事業者は増えています。その背景には

「自社ECサイトの売上をもっと伸ばしたい!」
「新規会員を増やしてリピーターを増やしたい!」

というEC担当者の悩みがあります。では「Amazon Pay」や「楽天ペイ」導入によるID決済を導入すれば、ECの売上を確実に伸ばすことはできます。なぜならカートイン直前のユーザーの多くは「個人情報の入力」が面倒だったり「ECサイトへの不信感」がありますが、こういったカゴ落ちの主要な原因を解決すればCV率アップに直接つながるからです。

ただし、ID決済導入には自社ECサイトのターゲット属性や手数料などを踏まえて検討する必要があります。本日は自社ECサイトの売上をアップにつなげるAmazon Payと楽天ペイの導入について、ebisumart(インターファクトリー)でWEBマーケティングを担当している筆者が詳しく解説いたします。

多くの企業が「ID決済サービス」に参入!代表的ID決済サービスは9社!

本日は「Amazon Pay」と「楽天ペイ」を中心に解説しますが、実はID決済は、老舗のPayPalから、NTTドコモの「d払い」など多くの企業がID決済サービスに参入しております。

①Amazonが提供する「Amazon Pay」
②楽天が提供する「楽天ペイ」
③ヤフーが提供する「Yahoo!ウォレット」
④リクルートが提供する「リクルートかんたん支払い」
⑤KDDIが提供する「auかんたん支払い」
⑥NTTドコモが提供する「d払い」
⑦ソフトバンクが提供する「ソフトバンクまとめて支払い」
⑧Mastercardが提供する「MasterPass」
⑨PayPal

ID決済の元祖はPayPalです。世界で最も普及しているID決済がPayPalであり、日本のECサイトで海外ユーザーがターゲットの越境ECの場合は、決済手段としてPayPalは絶対に必要な決済手段となります。

ECサイトにID決済(Amazon Pay、楽天ペイ)を導入する理由は「カゴ落ち対策」によるCVRの向上!

まず、ID決済を導入する最大の理由はカゴ落ち対策にあります。とあるECサイトがあったとします。「Amazon」や「楽天」以外のECサイトでは、下記のようなことでカゴ落ちが頻繁に発生します。

◆ECサイトでよくある購入前のユーザー心理

ユーザー心理①
「このECサイトの商品が欲しい!だけど、個人情報を入力するのが面倒だな。。」

ユーザー心理②
「この商品が欲しいけど、このECサイトは利用したことがない!普段は楽天で買っているから、そっちで買おう!

ユーザー心理③
「このECサイトで会員登録したら、メルマガとかうざいな。。買うのやめておこう」

このようなユーザー心理を裏付けるカゴ落ちのデータがあります。下記は2016年の海外サイトによるデータです。主要なカゴ落ちの理由をご覧ください。

◆主要なカゴ落ちの理由

①会員登録が面倒だった 35%
②購入までのプロセスが長すぎ 27%
③カード情報を入力したくない 18%

このデータから「会員登録したくない」「個人情報を入力が面倒だ」「カード情報を入力」したくないという理由が多数を占めることがわかります。逆にこれらを改善することができればカゴ落ちを防ぎ、売上を大きく伸ばすことができます。

Amazon・楽天ともにニールセンのデータによると月間利用者数が3000万人を超えておりますから、これらの会員を自社ECサイトにログインさせることができれば、カゴ落ち率が改善するのは間違いありません。

では、どのようにID決済を導入するのか、次に解説いたします。

ID決済がカゴ落ち率を改善する仕組み

ID決済(Amazon Pay、楽天ペイ)がカゴ落ち対策になる仕組みはシンプルです。

下記画面の赤い四角の部分をご覧ください。支払方法の画面に「Amazonアカウントでのお支払い」というボタンを用意するだけで、Amazonにログイン後、そのまま決済まで可能だからです。楽天ペイも同様の仕組みです。

◆Amazonペイが設置された支払方法の選択画面(FREAK’S STORE ONLINE)

このように、支払方法にAmazonIDや楽天IDでのログインさせることで、スムーズに決済させることができます。「Amazon」または「楽天」のIDを持っていないというユーザーは、ほとんどいませんから、あなたのECサイトのコンバージョン率がアップすることは間違いありません。

Amazon Payと楽天ペイの手数料は?

それでは、ECサイトにとって便利なID決済の費用はどの程度かかるのでしょうか?下記に表にしてまとめてみました。

◆Amazon Payと楽天ペイの手数料一覧

Amazon Payも楽天ペイも1件あたりの手数料が4%程度です。ECサイトのクレジットカード手数料の平均は3.5~5%程度の手数料で費用は同等であるため、導入しない理由が見当たりません。

さらに楽天ペイの場合は※オプションの「楽天ID Connect」を導入すれば、楽天の会員情報をECサイト側に引き継ぐことが可能で、楽天IDでログインしたユーザーは、住所・電話番号等の会員情報の入力が不要になり、ECへの新規会員登録をスムーズに行えます。

※「楽天ID Connect」オプションなしで楽天ペイだけでも、ユーザーに「ログインIDとPASSを作って入力する手間」「クレジットカード番号を入力させる手間」などもなく、ユーザーは決済まではスムーズ行えます。しかし、ECサイトに会員情報を残すことはできません。楽天ID導入によるCVの改善とともに、自社ECサイトへの会員を増やす施策を行う場合は、加入すべきオプションです。

Amazon Payと楽天ペイのどちらを導入すべきか?自社ECサイトのターゲットの属性で決めよう!

では、手数料がはっきりしたところで、どちらを導入すれば良いのでしょうか?筆者は、自社ECサイトユーザーの属性とAmazon・楽天のユーザー層を比較して、近しい方を導入すべきだと考えます。それではAmazonと楽天のユーザー層を比較してみましょう。

下記のデータはApp Ape Labの記事より引用しました。楽天とAmazonに関してデータがまとまった良い記事なので、下記の記事も是非ご覧ください。

データ引用先:Amazonと楽天どっちに出店する?押さえるべき5つのポイント

◆Amazonと楽天のユーザー属性比較

この表はAmazonアプリと楽天アプリのユーザーを年齢と性別で傾向をまとめているものです。サイトのアクセス情報ではありませんが、2017年と比較的最近のデータなので検討資料としては不足はないでしょう。

Amazonは20代30代の男性が多い傾向があります。Amazonユーザーは情報リテラシーが高く、じっくり、いろんなサイトで比較した上で購入する「効率良く購入」するユーザーが多いのが特徴です。

それに対して楽天ユーザーは30代40代女性が多いです。またデータにはありませんが、楽天ユーザーは特に楽天スーパーポイントの「ポイント狙い」の女性ユーザーが多く、リピーターが非常に多いのが特徴です。

こういったデータから、どちらのID決済を自社ECサイトに導入させるべきか、見えてくると思います。自社のターゲット属性の近しい方を導入するのが良いでしょう。しかし、繰り返しますが、両サービスともに初期費用が無料であり、かつ手数料はクレジットカード決済程度なので、両方とも導入するのも手と考えます。

どうせならAmazon Payと楽天ペイは両方導入しよう!

✔初期費用が無料
✔手数料は両サービスともクレジットカード決済程度
✔Amazon・楽天は共に日本で圧倒的シェアのECサイト

これらの理由を考えると、どちらか片方だけ導入するより両方導入してしまってもデメリットがありません。カゴ落ちする主な理由とは「入力の手間」「個人情報を入力したくない」といった理由ですから、それらがAmazon・楽天IDでログインさせて購入すれば、間違いなく売上アップにつながります。

しかも、下記のようなメリットもあります。

ID決済導入による様々なメリット

✔ID経由のログインユーザーは「住所」の誤入力が少ない
✔EC事業者にクレジットカード情報が渡らないからセキュリティーが安心
✔ポイント(楽天の場合)が貯まる
✔ユーザーが許可すれば自社ECサイトに会員登録される

では、デメリットはどういった点でしょうか?

ID決済導入によるデメリット

✔費用の振込先が増える手間
✔サイトのカスタマイズ費用は自社持ち

デメリットは、カスタマイズ費用負担くらいしかありません。懸念される自社ECサイトの会員数への影響も問題ないでしょう。Amazon Payはユーザーが許可すれば、決済と同時に自社サイトへの会員登録も行えますし、楽天ペイも「楽天ID Connect」オプションを使えば、自社ECサイトへ会員情報を引き継ぐことが可能です。

楽天ペイの事例ページ:https://checkout.rakuten.co.jp/biz/case/#info

ECサイトの売上アップの道はトライ&エラーです。まずは導入して実際のコンバージョン率の増減を計測してみるのが良いでしょう。しかし、気をつけなくてはいけないのは、ECサイトのプラットフォームによって導入できない場合があります。

ID決済が導入できないケースとは?

もし、ECサイトのプラットフォームがASPの場合は、Amazonペイ・楽天ペイと連携していないと導入できません。最近は導入しているASPも増えていますので、まずは自社ECシステムを確認しましょう。連携をしていないASPは、導入が不可能となります。

パッケージやフルスクラッチの場合は、カスタマイズを行いますので導入可能です。開発ベンダーに相談しましょう。パッケージの場合は、Amazon/楽天と提携していると導入がよりスムーズです。弊社クラウドECプラットフォームのebisumartもAmazon Payと楽天ペイは提携しているため、カンタンに導入することが可能です。

ID決済を導入して終わりじゃない!細かいとこまでとことん!マーケティングしよう!

ID決済などのソリューションを単に導入するだけで満足してはいけません。設置する際の文言の細かいところまでマーケティングすることで成果が変わってきます。

例えば楽天ペイを導入して、カート画面にボタンを設置するだけでなく「毎月0と5の日はポイント2倍」という文言や「楽天ポイントが貯まる」という訴求を足すだけで、コンバージョン率は如実に上がります。

このような改善はASP-ECでは難しいですが、カスタマイズ可能なECパッケージやクラウドEC、フルスクラッチならカート周りのカスタマイズが可能です。テキストの文字一つで、数値が変わってきますから、ユーザー心理を徹底的に考えてマーケティングをしましょう。


EC運営に役立つ無料ダウンロード資料