ECとInstagramの連携を3つの成功事例で解説


新型コロナウイルス感染症の影響でオンライン化を進める事業者が増え、中にはSNSで集客しようと考えている担当者の方もいると思いますが、

「SNSでECサイトを宣伝したけれど、なかなか訪問数が増えない」
「機能が多すぎて、うまく活用できない」

などSNSの運用にお悩みの方も多いのではないでしょうか。

実は、InstagramとECサイトを連携し、さまざまな機能を活用して顧客との接点を作ることで、ECサイトの売上や訪問数を上げることができます。

なぜなら、2020年6月にはフィードやInstagramストーリーズなどの投稿に商品の詳細情報をタグ付けできる機能が「ショップ機能」としてアップデートされ、さらにEC事業者にとって使いやすくなっているからです。

本日はインターファクトリーでマーケティングの部署に所属する筆者が、ECサイトとInstagramを連携し、機能を活用することによってどんな効果が生まれるのか、3つの成功事例をもとに解説します。

InstagramとECを連携した3つの成功事例

まず、ショップ機能を活用してECサイトの売上などが上がった、3つの成功事例を見ていきましょう。

事例①インテリアブランド「songdream」

参考:songdream公式Instagram

Walnutを主材にしたモダンインテリアブランドの「songdream」は、ストーリーズやフィード投稿に積極的にショッピングタグを使用し、自社オンラインショップへの導線を作っているほか、ショップ機能のコレクションをカタログのように活用し、利用者が見やすいようにまとめています。その結果、ECサイトへの訪問数が前年比3.4倍(2021年1月時点)という結果が出ている事例です。

画像の左から2枚目の画面にある、「ダイニングテーブルコレクション」「ソファコレクション」のように、商品カテゴリごとにコレクションを作成することで、利用者はカタログを見ているときと同じように、商品の比較がしやすくなっています。

さらに右から2枚目の画面のように、実店舗のショールームにどの商品が置いてあるかをまとめた、「新宿モデルルームコレクション」といったコレクションも作成されています。
この取り組みは、実店舗がいくつかある場合、実際の商品を見たいときにどの店舗に行けば良いか分からない、という顧客の悩みを解決するだけでなく、事業者側にもメリットがあります。

顧客がどんな商品があるのか事前に分かった上で来店・検討できるようにしているため、「songdream」では販売スタッフの電話やメールでの対応工数を減らすことができ、来店客の対応に集中できるようになった、という効果も確認されています。
家具のような高級商材を扱う事業者には、特に参考になる事例です。

事例②セレクトショップ「HACHITEN」

参考:HACHITEN公式Instagram

セレクトショップの「HACHITEN」では、コレクションを、テーマを設定して作成しています。2018年からショッピングタグを活用し始め、その結果、ECサイトの売上は、2020年は前年比182%と大きくビジネスを伸ばしています。

現在は実店舗を閉鎖してECサイトのみにビジネスモデルを移行していますが、ECサイトを訪れる利用者の約4割がInstagramからの流入ということから、Instagramのマーケティング戦略を積極的に実施している事例と言えます。新型コロナウイルス感染症の影響が始まった2020年2月以降も、Instagramからのアクセス数は2倍に増えており、目覚ましい成長を見せています。

事例①の「songdream」と同じコレクションの活用事例ではありますが、商品カテゴリごとのコレクションを作成するだけでなく、「何を着たら良いのか悩んでいる人へ」など、メルマガのようなテーマ性のあるコレクションを作成している点に工夫が見られると筆者は考えます。

また、ECサイトと違い、利用者が1日を通して日常的に利用するというInstagramの特性を生かし、値下げ情報などもコレクションで発信しています。

事例③ステーショナリーブランド「A FLOATING LIFE」

参考:A FLOATING LIFE公式Instagram

ステーショナリーブランドの「A FLOATING LIFE」では、まとめ機能や、ショップタグの活用、ストーリーズとフィード投稿の強化、毎週のライブ配信などInstagramのさまざまな機能をフル活用しているほか、Instagram以外のSNS発信なども行い、2020年の総合的な成果として、前年比約4倍の注文数を達成しています。

具体的にInstagramでは、フィード投稿をまとめることができる「まとめ機能」を活用して、「手帳・インデックスまとめ」というように商品に関する複数のフィード投稿をまとめ、テーマ性を持たせて見せています。それぞれのフィード投稿では、使い方のイメージが湧くように、複数枚の画像や長めのテキストで商品の使用方法を紹介し、またショッピングタグを付けていることで、そのままECサイトへの送客もできるようにしています。
コレクションでは商品群がまとめられますが、まとめ機能は投稿自体をまとめられるので、フィード投稿に記載した文章も一緒に見せることができます

参考:Instagram、おすすめの商品やスポットなどを紹介する「まとめ機能」を導入(Facebook)

また、InstagramなどのSNSを始める際に、運用体制や工数が心配だという事業者も多いと思います。「A FLOATING LIFE」では、1人でInstagramを運用し、無理のないところからInstagramの活用を始め、運用する中で投稿内容やタイミングなどを改善しています。この事例のようにまずはInstagramを始め、トライアル・アンド・エラーを繰り返しながら自社に合った活用法を探していくというのも一つの方法です。

ECサイトとInstagramを連携する3つのメリット

それではECサイトとInstagramを連携する3つのメリットを紹介します。

メリット①Instagramの月間アクティブアカウント数は3,300万

Instagramの国内の月間アクティブアカウント数は3,300万を突破(2019年3月時点)しており、すでに生活に密着したプラットフォームです。現在はさらに増えていることが予想されます。

参考:Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破(Facebook)

また、Facebook社の委託調査では、若年利用者のうち3人に1人は起きてすぐにInstagramを見る(※1)という結果が出ています。生活に密着したプラットフォームなので、運用を始めれば、ECサイトへの流入数が増える可能性が大きいと筆者は考えます。

(※1)Kanter JapanによるFacebook Japan委託調査(2019年10月)

メリット②Instagramは欲しいものを発見できるプラットフォーム

Instagramは、利用者が自分自身の興味関心に関連するコンテンツや広告から商品を発見し、ECサイトで購入する、というようにECサイトへの流入経路の一つとして活用できます。

一般的にECサイトは毎日訪れるプラットフォームというよりは、欲しいものがあるときに訪れるものですが、Instagramは、利用者と関連度の高い商品が表示されるという、いわば「商品が顧客を見つける」形が実現されています。

メリット③無料で始められるので、小規模事業者にも向いている

Instagramはスマートフォンさえあれば、簡単に無料で始めることができます。販促予算があまり多くかけられない小規模事業者でも、マーケティング施策の実施が可能です。

特に小規模事業者の場合、いかに自社ECサイトに集客するかが重要です。Instagramではさまざまな機能を無料で使えるため、例えば投稿にショッピングタグを付けることで、自社のECサイトへの流入経路を作ることもできます。

また、小規模事業者にとっては、アカウントを見つけてもらうことが大変という声も聞きますが、Instagramでは「発見タブ」や「ハッシュタグ」など、アカウントや投稿を見つけてもらう流入経路が多くあります。さらにInstagramの広告は1日数百円から始めることができるので、少ない費用で新しい顧客を集客することも可能です。

Instagramによると、日本においてショッピングタグから商品詳細を見た利用者の割合が、2020年8月時点で前年比65%増(※2)というデータが出ています。さらに、ショッピングタグから商品詳細を見る利用者の割合自体が他の国の平均と比べて3倍(※3)であることから、日本では特にInstagramのショッピングタグから商品の購入を検討する、という習慣が浸透していると考えられます。

(※2)Instagram内部データ(日本、2020年8月)
(※3)Instagram内部データ(日本、2020年9月)

2020年にショップ機能が導入されて変わったこととは?

もともとInstagramのショッピング機能は、自社のECサイトで販売している商品の詳細情報を投稿にタグ付けできる機能で、2018年に国内で導入されました。利用者はタグを経由して各事業者のECサイトに遷移し、商品の詳細情報を見て、購入まで全てInstagramのアプリ内で行うことができます。

ただ運営するEC事業者側には使いづらい点もあり、それがこの度2020年6月に導入された、ショップ機能では改善されています。
それでは、大きく2つの改善点を解説します。

参考:Facebookショップを国内で提供開始、中小ビジネスのオンライン事業をサポート(Facebook)

改善点①コマースマネージャで一元管理が可能に

前身のショッピング機能で運営するEC事業者にとって使いづらかった点は、Facebookページショップと、Instagramのショッピング機能、それぞれのプラットフォームで異なる機能が提供されていたため、個別運用する必要があった点です。

2020年6月に導入が開始されたショップ機能では、FacebookとInstagram両方のプラットフォームで、共通のオンラインショップが作れるようになりました。コマースマネージャという管理画面を使用することで一元管理が可能になったため、FacebookとInstagram、どちらのプラットフォームを利用した場合でも、同じように運用することができるようになっています。

参考:コマースマネージャについて(Facebookビジネスヘルプセンター)

改善点②コレクションでブランドの世界観がより表現しやすく

コレクションとは、それぞれのブランドの商品群がまとめられた特集ページのようなものです。コレクションは、各ブランドのプロフィール上にある「ショップを見る」もしくは、アプリ内の下部専用タブにある買い物バッグマークの「Instagramショップ」から見ることができます。

今までは個々の投稿に対してショッピングタグを付けることしかできませんでしたが、新しくなったショップ機能では、コレクションを使うことによって、関連する商品をまとめることができます。利用者にとっては商品を探しやすくなったというメリットがあり、事業者側も押し出したい商品をカテゴライズして訴求することが可能になりました。

コレクションでは、UIの色を変更するなどカスタマイズできるので、よりブランドの世界観が表現しやすくなっています。

総合的なコミュニケーションが大切な理由とは?

親和性の高い利用者に見てもらう機会が増える!

ショップ機能は、あくまでInstagramの数ある機能の中の一つです。投稿にショッピングタグを付けたり、コレクションを使ってショップを充実させたりすることも重要ですが、他のさまざまな機能を併用して、普段から利用者とコミュニケーションを取ることが大切です。なぜならショッピングタグをつけた投稿や自社のアカウントを顧客に見てもらわなければ、ECサイトの売上や訪問数の増加につながらないからです。

Instagramでは、独自のアルゴリズムによって、利用者ごとに表示されるコンテンツがパーソナライズされています。利用者とのコミュニケーションを継続的に行うことで関連性の高いコンテンツを発信していると判断され、利用者のフィード画面や発見タブ、ストーリーズなどに表示されやすくなる可能性が高くなるのです。

また、コメントを促したり、アンケートスタンプのように利用者も参加できる機能を活用したりして双方向のコミュニケーションを取ることによって、より利用者とのエンゲージメントが高まり、自社のファン醸成にもつながります。Instagramのアカウントを作成したら、情報を発信するだけで終わらずに、しっかり利用者とコミュニケーションを取り続けることが重要です。

若年層は検索にSNSを利用する!

Instagramのアカウントでブランドの世界観や商品の魅力を発信することも大切です。なぜなら特に若年層は、情報検索の際に検索エンジンよりもSNSを利用することが多く、Instagramをホームページのように使う企業も増えているからです。

例えば、以下のような工夫があります。

・フィード投稿には商品写真以外にも、ブランドの世界観や商品の魅力が伝わるコンテンツをアーカイブとして蓄積する
・手軽に見られるストーリーズには、親近感が湧くようにカジュアルさを心掛ける
・利用者が投票できるアンケートスタンプを使って、双方向のコミュニケーションを行う

他にも、コロナ禍でオフラインの場での買い物がしづらくなった昨今では、ライブ機能も人気です。ライブ配信で利用者とリアルタイムでつながりながら、商品を説明したり、その場で質問に答えたりと、オンラインでのショッピング体験として活用されています。

ショップ機能だけでなく、フィード、ストーリーズ、ライブなど、Instagramのさまざまな機能を活用し、よりブランドの世界観が伝わるアカウントを育て、利用者とのコミュニケーションを取っていくことが重要です。

Instagramの利用者層は多様化しているので、幅広いターゲットに有効!

ショップ機能を活用した成功事例や、ECサイトと連携させるメリット、そして売上や訪問数を上げるためのヒントを紹介しました。ECサイトと違い、利用者が自分自身の興味関心と関連度の高い商品を発見できるプラットフォーム、というInstagramの特性を理解し、事業者ごとに活用できそうな機能から無理のない範囲で始めてみるのが良いでしょう。

Instagramの利用者層は若い女性だから自社のターゲット層とは合わないというイメージを持っている事業者も多いかもしれませんが、Instagramの国内利用者の43%は男性(※4)となっており、利用者層は多様化しています。

(※4)Kantar JapanによるFacebook Japan委託調査(2018年5-6月)

実際にアパレルやコスメなどの、比較的女性をターゲットとした商材だけでなく、文房具や食品など幅広いターゲット層に向けた商材もInstagramにおいて情報を発信しています。

最初からしっかりした運用体制を構築するのが難しいという小規模事業者の場合は、まずはInstagramのアカウントを作成し、運用しながら少しずつショップ機能などいろいろな機能を試していくのが良いでしょう。既存の顧客とのコミュニケーションが取れるようになった後、さらにそこから顧客層を広げたいという場合は、広告なども活用して、既存の顧客以外にもリーチする、というようにフェーズを分けて考えると進めやすくなります。

またFacebook Japanでは、2021年6月17日(木)に開催した、中小ビジネス向けの無料オンラインセミナー「Instagram アカデミー TOKYO」のアーカイブを公式Facebookで公開しています。Instagramの活用方法や機能の解説が聞けますので、アーカイブの視聴方法など詳細は以下を確認してください。

中小ビジネス向けオンラインセミナー「Instagram アカデミー TOKYO」を東京都の後援のもと開催(Facebook)

これからInstagramの運用を始める事業者やEC担当者の方で、Instagramのマーケティングについて相談したい場合には、クラウドコマースプラットフォーム「ebisumart」のEC支援サービスもあわせてご検討ください。「ebisumart」を利用していなくても、サービスの利用が可能です。

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ABOUTこの記事をかいた人

2019年9月、株式会社インターファクトリーに入社。 ブランドコミュニケーションチームにてオウンドメディア運用を担当し、年間40本以上の記事を掲載。 社内広報、採用広報に加え、EC業界やクラウドコマースプラットフォーム「ebisumart」についての情報発信も行う。