日本製品が大人気!1日で2.8兆円の市場規模の「独身の日」とは?


「11月11日」は日本企業のEC関係者も注目する中国の「独身の日」です。

独身の日とは”一つを意味する1”が4つも並ぶため彼氏や彼女のパートナーがいないことをもじった記念日のことでした。由来は1993年に南京大学の学生が始めたものと言われております。

もともと独身者が結婚相手を探したり、贈り物をする日でしたが、中国のショッピングモールの超大手のアリババが中国の独身者をターゲットにセールを行うようになり、やがて中国企業による大商戦が展開されるようになりました。

2018年には、たった一日の売上が3兆6295億円(1元を17円で換算)にも上り、楽天の1年間の売上は約3兆円ですから、わずか一日で楽天の年間売上に超える爆発的な売上を達成する買い物日にまで成長しました。

中国ショッピングモールナンバ1のアリババ(天猫)、テンセント(京東)などの中国のショッピングモール各社が、この日のセールスをめがけて熾烈なシェア争いをしており、欧米・日本企業も独身の日に向けて自社製品の売上拡大を狙っております。その中でも日本企業のユニクロは開始35秒で1億元(17億円)を達成するなど躍進しています。

本日はインターファクトリー(ebisumart)でWEBマーケティングを担当している筆者が独身の日について、詳しく解説いたします。

2018年に約3.6兆円の市場規模に達した独身の日の売上推移

まずは2009年から2018年までの独身の日の売上の推移をご覧ください。

◆独身の日の売上推移
※1元を17円で換算

データ参照元1:【3分でわかる】2017年「独身の日」まとめ
データ参照元2:11月11日「独身の日」中国ネット通販レポート
データ参照元3:【2018年「独身の日」まとめ】35秒で約17億円を売ったユニクロなど、天猫(Tmall)で売れた日本商品はこれ!

2014年から日本円で1兆円を超える規模になり、2018年には3兆円を超える市場規模になりました。繰り返しますがこの売上はたった1日の売上です。世界でも1日にこれだけの売上を達成する商戦日は存在しません。しかも、最初の2時間でこの売上の半分以上を達成するのです。なぜ最初の2時間に注文が殺到するのでしょうか?

中国人ユーザーの多くがセールスの直前にスマホやパソコンを手に取り、欲しい商品をカートに入れておき、日付が変わるとともに、まとめて決済するという行動を行っているためです。また欲しい人気商品はすぐに売り切れてしまうため、中国人ユーザーの購買意欲に拍車をかけているためなのです。

このため独身の日は配達が追いつかず、半月たっても書品が手元に届かないということが過去に多発していたようですが、物流業者が倉庫の拡張やインフラ・体制の整備に力を入れ、大きな遅延も無くなりつつあります。

では、どのような商品が独身の日に人気なのでしょうか?経済産業省が公開している資料を見てみましょう。

越境ECで人気の国は1位は日本

少し前のデータですが、経済産業省が公開している2016年のデータから解説してまいります。独身の日においても、日本製品は人気を博しており、越境ECの国別流通総額は1位になっております。

欧米が独身の日に多くの広告を打っているにもかかわず日本製品が人気な理由は、昔からの日本製品に対する信頼もありますが、ここ数年の訪日中国人によるインバウンドにより人気に拍車がかかっているのです。数年前に2015年には”爆買い”が話題になったのは記憶に新しいところです。

例えば、日本に訪れた中国人が「この日本の化粧品はすごく肌に合う、今後はこの化粧品を使いたい」という具合に中国に帰ってからもその製品を購入し、さらに中国のSNS(微博やWechat)で口コミで広がっており、品質の高い日本商品は、分野に関わらず幅広い支持を中国人から受けているのです。

独身の日に売れている商品はブランド品

同じく2016年の経済産業省のデータです。独身の日に人気の外国製品のブランドのデータになります。

日本企業では、ユニクロが1番人気で、後に続くのはパナソニックやシャープ、ソニーなどの家電メーカーです。ユニクロは独身の日に大きな売上を達成しています。2017年の独身の日のアリババのショッピングモールでアパレル女性部門で1位、男性部門は2位を獲得しています。

このように独身の日の売れ筋は「アパレル」や「家電」「スポーツ用品」「化粧品」などの有名ブランドに人気が集中しております。

データ参照元:平成 28 年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)

驚異的な売上をたたき出した!ユニクロの「独身の日」の秘訣とは?

ユニクロはアリババのショッピングモールのアパレルブランド別部門で1位を獲得しております。その秘訣はオムニチャネルです。「ニューリテール戦略」と呼ばれるこの戦略では、下記施策をユニクロの実店舗で実施しました。

◆ユニクロ「ニューリテール戦略」とは?

・商品を店舗に引き取りにきたユーザーはさらに10元をディスカウント
・商品を店舗に引き取りにきたユーザーにはサイズ交換や返品に応じる
・価格もオンラインと実店舗で統一

オンラインをきっかけに実店舗に来店させて、さらに売上を伸ばしつつ配送負担も減らしています。オンラインで服を買う時の障壁である「サイズの不安」や「商品到着までの待ち時間」を払しょくさせており、このような施策は、中国に実店舗を多くかまえるユニクロの規模でこそできることです。

参考記事:11月11日「独身の日」ユニクロが「ニューリテール戦略」を活用して大躍進。アリババ「天猫」女性服部門でなんと1位!

日本企業が「独身の日」に商機をつかむには、まずは越境ECによる中国ショッピングモールへの進出が必須!

越境ECに進出している日本の大手企業は、独身の日に莫大な売上をあげていますが、そのほどんとは自社ECサイトではなく、アリババ(天猫:T-mall)やテンセント(京東:JD.com)のショッピングモールに出店しております。この2社でシェアは中国EC市場の8割以上を握っているからです。

ショッピングモールは中国の現地法人でなければ出店できないのですが、海外企業向けのカテゴリーが設けられており、すでに多くの日本企業が出店しています。なかでも昨今、中国越境ECの出店先として注目されているのは、中国越境EC大手のネットイースのショッピングモール「網易考拉海購(Kaola)」です。

下記は、中国人の越境EC小売りプラットフォームの利用率のグラフですが、「網易考拉海購(Kaola)」が21.6%の市場シェアを獲得しております。

◆中国人の越境EC小売りプラットフォームの市場シェア

データ引用先:中国人はどのECモールで海外製品を買う? 現地ユーザーの越境ECサイト利用状況まとめ

日本製品が中国で広く受け入れられている背景には「自国の製品を信用していない」「偽物が横行している」といったことがあり、日本製品は昔から中国で支持されてきました。そこにSNSによる口コミが加わり、中国の越境EC部門では欧米を抑えて、日本製品が一番売れているのです。

しかし、いくら日本製品であっても、中国国内で認知されていない企業が中国のショッピングモールで取り扱ったところで売れるものではありません。先ほどのデータからもわかるとおり、売れている日本製品は世界中で知らている大手企業に集中しています。

また、中国のショッピングモールへの出店もカンタンではなく、ショッピングモール側も売れる見込みのない日本商品を出店させてくれません。具体的にはショッピングモールには審査・手続きで日本の出店希望企業に「年間売上見込み」の提出や「初期投入商品」のショッピングモール側の意向に沿うことを求められます。

もし、今から中国のショッピングモールへの出店を考えているのであれば、そういった事情に精通している「株式会社いつも.」のような越境EC進出支援を行う企業に相談してみるのが良いでしょう。

越境ECに関して進出を考えている方は以前に取り上げた下記の記事をご覧いただければと思います。

越境ECの始め方の過去記事:中国向け越境EC構築のポイントと実現する3つの方式とは?

独身の日の今後は東南アジアにも展開?

中国で熾烈なシェア争いを行っているアリババとテセントは、ますます激しい戦いとなるでしょう。そのためディスカウント率を大幅にあげたり、ビックデータを使ったマーケーティングを加速させた結果、両社の得られる利益率が低下していくと指摘するアナリストもいます。

参考記事:中国「独身の日」 アリババの販売2.5兆円超か 

そして、「独身の日」の動きは東南アジアにも広がりつつあります。テンセントは11月11日~14日の期間を香港、マカオ、台湾で郵送料を無料にしたり、アリババも東南アジアのショッピングモール大手の「サラダ」を使って、11月11日~1カ月間セールを展開するようです。東南アジアには中国系の住民が多く、その需要を取り込む狙いがあるからです。

このように、独身の日は中国だけにとどまらず、その規模を広げており、同時にそれは日本企業にとっても大きな商機となっていくでしょう。


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