ECサイト初心者が10分で理解するECサイト制作の手順と費用相場

新規事業でEC担当者になったり、あるいは楽天やAmazonなどのショッピングモール卒業して、自社のECサイトの制作・構築を考えている方は、下記のような不安を抱えているのではないでしょうか?

「自分達でECサイトを作りたいが、どこに頼めばいいのか?」
「ECサイトの作成の手順は?予算は?」

個人で初めてECサイトを作る場合は、まずは無料で誰でも制作できる「BASE」や「STORES.jp」を使いましょう。法人の場合はECサイト制作の依頼先や費用相場は「ビジネスの規模感」で変わってきます。ECの年商が1億円未満のECサイトは「ASP」で構築し、年商1億円以上は「ECパッケージ」や「クラウドEC」によって制作を依頼するのが業界の一般的基準です。

本日はebisumartでWEBマーケティングを担当している筆者が、初めての方向けにECサイト制作の手順と費用相場を詳しく解説いたします。

ビジネス規模で異なる3つのECサイトの制作方法!

まず、初めてECサイトをつくる方はご自身のビジネス規模を照らし合わせて、下記の費用相場を参考にしてください。

◆初めてECサイトを制作すときの費用相場

 

※ASPも厳密にはクラウドECに入りますが、ここではebisumartのような「フルカスタマイズ可能なクラウドEC」をクラウドECと定義します。

①個人の場合は無料ASPから始めよう!

もし、個人でECサイトをはじめられる方は、まずはBASESTORES.jpという誰でもカンタンにECサイトを作れる無料ASPがありますので、こちらでECサイトの制作をするのをおススメします。なぜなら制作費用が0円だからです。しかもEC制作は、まるでFacebookのアカウントを開設をするようにカンタンなので、利用しない手はありません。

無料ASPは初期費用、月次費用とも0円ですが、商品が売れた時に「決済手数料」が3%から5%くらいかかります。(使うASPや商品の値段によって変わります)。

無料ASPの決済手数料の例:1,000円の商品がECで売れた場合の決済手数料は30円~50円

この決済手数料こそが無料ASPベンダーの収益源になっているので、無料でユーザーにECサイトを提供できる仕組みになっています。月額1,000円程度のオプション料金を支払えば、ドメイン名を自由にしたり、分析機能が充実したりと、さらに機能を拡張してECサイトを利用することができます。

無料のECサイトについて、もっと詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

無料ECサイトの解説:【完全解説】無料でECサイトを開設するための4つの方法

②EC年商1億円未満の法人は「有料ASP」でECサイトを制作する!

ECのビジネス規模がまだ大きくない企業は「有料ASP」を使います。それは大手の企業や、実店舗で儲かっている企業であっても新規事業で始めてECサイトを制作する場合は、まずは価格の安い「有料のASP」でECサイトをはじめた方がよいでしょう。

なぜならECサイトで商品を販売するのは思ったより大変で、WEBマーケーティングのノウハウがないと、ECサイトを成功させることはできないからです。

※ECサイトでの集客や売上をあげる方法は下記の3つの記事をご覧ください。

① 自社ECサイト・ネットショップの集客方法を解説

② ECサイトの基本的なWEB広告と優先順位の解説

③ ECのプロが教える!ECサイトのCVRを高める7つの施策

ECのノウハウを積み、売上がある程度できるまで価格帯の安い「有料ASP」でECサイトを制作します。しかし、ご安心ください。ASPというと

「ASPは画面がカスタマイズできなさそう。。」
「機能が少なそう。。。」

という先入観があるかもしれませんが、それは昔の話で現在の「有料ASP」は、非常に多機能でECのフロント機能としては不足がほとんどありません(フロント機能とはユーザーが接する商品画面や決済画面のこと)。

有料ASPは、多くの企業からサービスが提供されています。通常のEC業務であれば、大手のASPで問題ありませんが、もし、あなたの事業が「健康食品の定期販売」だったり「レンタル事業」「海外向けのECサイト」などの場合は、それに特化した有料ASPがありますので、Googleで検索して2社~3社に問い合わせてみてください。

ECサイトは1度導入してしまうと、ECシステムを入れ替えるための予算や労力の負担が大きいのです。ですから1社では決めず、2社~3社を検討して、コンペを行うことが大切なのです。

③EC年商1億円以上の企業は「パッケージ」や「クラウドEC」を使う!

年商1億円以上ということは注文数が1日あたり100件を超えることも珍しくありません。ASPではECのバックエンド作業が非常に大変になります(※バックエンド作業とは在庫管理や出荷作業などのユーザーの目に触れない業務のこと)。ECサイト運営の効率が悪くなり、誤発送などのミスが多発しはじめます。

これを防ぐため、効率をあげるためにシステム連携が必要になるのです。

◆クラウドECの「ebisumart」のシステム連携イメージ図

年商1億円以上の企業のECサイトはバックエンド作業の負担を軽くするために、企業の顧客データーベースや、基幹システムなどのシステムとECサイトをシームレスに連携させる必要があります。これがか可能なのが「パッケージ」「クラウドEC」なのです。

※当記事ではゼロから作るフルスクラッチECは主にZOZOTOWNなどの超大手ECサイトの手法であり、ここでは説明しません。フルスクラッチのECシステムについては下記の記事をご覧ください。

フルスクラッチで作るECシステムについて:大企業がフルスクラッチでECサイトを構築するたった3つの理由

それぞれのECサイトの制作手順をステップ別に解説!

①無料ASPはたった3つの制作手順でECサイトが完成!

機能の制限されている無料ASPではECサイト解説までの手順は非常にカンタンです。

(1)無料ASPへの登録

「サイトURL」を決定し、ログインするための「メールアドレス」や「パスワード」を決定します。

(2)商品登録

ECサイトで販売する商品を無料ASPに登録します。この作業が一番時間がかかります。また魅力的な写真や説明文が、売上をあげるために必要です。

◆登録する主な項目

・商品名の登録
・商品価格の登録
・商品画像の登録
・商品説明文の登録
・商品の在庫数の登録

(3)画像テンプレートの選択

無料ASPには数十種類のテンプレートが用意されています。そこから自社の雰囲気と会う画像を選びましょう。またカラーを選択するこもできます。

(4)テスト注文をしてみる

画面や商品の用意ができたら自分で商品を実際に購入にしてみて、注文までの流れを「購入者」と「運営者」の両方の観点から確認してみましょう。ASPに用意されているクレジットカード決済は、キャンセル機能がありますので、コストをかけないで、テスト注文を行うことができます。

実際の注文が来ても慌てないように事前に注文手順を確認しておきましょう。

②有料ASPのECサイト制作手順

ASPの利用のコツは「自社の運用フローをASPに合わせる」ことです。機能に制限があると言われているASPですが、ECとしての基本機能は充実しております。自社固有のフローをどうやって、ASPのシステムに合わせることができるかが?運営をスムーズにするコツです。

(1)自社に合った有料ASPの選定

2社から3社の有料ASPの資料を取り寄せたり、あるいは打ち合わせを行いASPベンダーを選定します。この時「あれもこれも実現」したいというのは、カスタマイズができないASPでは無理がありますから、要件を事前に決めておき、要件に優先順位をつけて、

◆ECシステムの要件の例

「画面は自社のデザイナーで自由に作りたい!」
「定期販売の周期を商品毎に決めたい!」
「使いたいECのツールが、このASPに導入できるのか?」

といった具合に、ASPを選定します。システム連携のない通常のECサイトであれば、どの会社のASPを導入しても、要件定義の段階では差が感じられないことが多いでしょう。

そうすると価格で選定することになりますが、その前に「そのASP」を利用している知り合いを探して実際の使い勝手を聞いてみることや、ASPの事例ページから、そのASPを使っているECサイトを特定し、商品を購入する寸前(買ってみてもいいでしょう)まで試してみて、違和感などないか確かめてみてください。

ASPの大きな弱点の一つはカート周りの改修ができないことが多いことです。カート周りとは、商品をカートに入れて、決済するまでの画面や流れです。カート周りを確認してみるのも重要な選定手順のひとつです。(例えば、購入寸前の画面がダサいASPは、ユーザーに不安を与えます)

また、ECサイトのデザインにこだわる場合に有料ASPを選ぶコツは、事例に「アパレルEC」が豊富なのか?という点です。なぜならECサイトの中でも、高いデザイン性や機能が要求される分野はアパレルECですから、アパレルECの事例は参考になるはずです。

(2)ECサイトの画面制作

有料ASPであれば、事前に用意されたテンプレートからECの画面を選択することもできますし、自社WEBデザイナーや制作会社に依頼して、画面をHTMLとCSSを編集し制作することも可能です。テンプレートを使えば費用は追加でかかることはありませんが、制作会社に依頼すれば追加費用が20万~100万円程度かかります。

筆者の意見ですが、無理してWEB制作をしなくても、事前のテンプレートにはシンプルで優れたデザインのものが用意されているはずです。独自の画面デザインはECの採算が取れてからでも、遅くはありません。またECサイトを開設するにはなるべく早く開業するに越したことはありません。

テンプレートを利用することも検討してみましょう。

(3)商品登録

無料ASPでも解説したとおり、商品の写真と説明文が売上を左右する大きな要素です。下記の登録を行いましょう。

◆登録する項目

・商品名の登録
・商品価格の登録
・商品画像の登録
・商品説明文の登録
・商品の在庫数の登録

(4)注文から発送までのフローを確認

画面や商品の用意ができたら、ECサイトの運営フローに不備がないか確認してみてください。フローだけでなく、注文したユーザーから見て、「確認メールの内容はわかりやすいか?違和感や不安を抱かないか?」なども確認してみましょう。ユーザーにとっては小さいテキスト文言ひとつで、購入するかしないかの分岐点になることがあります。

③「パッケージ」や「クラウドEC」でECサイトを開設するまでの手順

ASPと違い、パッケージやクラウドECの制作はシステム開発の部類に入るため、ECサイト開設までは早くても3ヵ月から半年かかります。下記の図の手順がパッケージやクラウドECの一般的な導入手順です。

◆ECサイトを自社用にカスタマイズして導入する5つの手順

年商1億円を超すECサイトの制作の場合は⑤の外部システムとの連携が重要になってきますので、ASPと違って、外部システムを含めた運用テストを行う必要があります。

また、パッケージやクラウドECでも、カスタマイズを行わないで導入する手法があり費用と開発時間を大幅に短縮することが可能です。外部連携や画面開発を後回しにして、まずはECサイトをリリースし、将来必要な連携はその時に行います。

パッケージとクラウドECの違いは??

パッケージとクラウドECの差は、システムの最新性です。パッケージは自前で用意したサーバーにインストールして使うため、ECサイトをオープンした瞬間からバージョンが古くなってきて、5年後には完全に時代遅れのECシステムになってしまうデメリットがあります。

しかし、クラウドECは、クラウド環境上にシステムを使いますから、システムが自動更新されるため、一度導入すると二度と、リニューアルが必要になりません。弊社のebisumartもクラウドECです。

注意!技術力がない場合はオープンソースは3つのリスクがあります

オープンソースでのECサイト制作はライセンス費用がかからずコストを抑えて、ECサイトを制作することができますが、事前に下記の点を押さえておきましょう。

(1)サポートが受けられない

無料のオープンソースには当然サポートデスクはありません。サポートのページや、掲示板を読み解いて自己解決しなくてはいけません。基本的な操作では問題は感じないと思いますが、オープンソースをベースにカスタマイズを自社で行う場合は、技術的な問題を自己解決していかないといけないからです。

(2)バージョンが古くなる

カスタマイズをしなければ、パージョンアップが可能な場合もあります。しかし、オープンソースをカスタマイズした場合は、ECシステムがバージョンアップできないケースがほとんどですから、セキュリティーに不安を抱くことになります。

(3)不具合の責任所在が自社になる

無料で提供されているオープンソースの本体でバグがあった場合、責任の所在が自社になります。もしASPやパッケージ・クラウドECであれば、お金を払っているので、責任はベンダーになります。しかし、オープンソースの場合は全て自社で責任を負わなくてはなりません。

ECパッケージの中には、システム会社がオープンソースを自社で開発したものが有償で発売されていますが、そのケースの場合であっても「このバグは我々ではなく、オープンソース本体のバグです」となれば、責任の所在が不明になったケースも存在します。

以上の理由から、オープンソースでECサイトを制作する場合は、自社に技術力があり、リスクを全て負える場合には有効な手法ですが、そうでない場合は、オープンソースにはリスクがあることを覚えておきましょう。

ECサイト制作前に3年先までの計画表を作ろう

最後に、ECサイトを制作する前にカンタンなもので構いませんので、ECサイトの計画用を作っておきましょう。計画は目標を立てることで作る事ができます。例えば、

「1年後には月商100万円を突破」

という目標を立てたのなら、12カ月間でどのように売上を推移していけば良いのかがわかりますし、必要なアクションも見えてきます。そしてその計画表には売上だけでなく、運営にかかる月次のコストの項目も作りましょう。売上とコストを管理することで、費用対効果や減価償却を意識することができ、その先には

「ECサイトにはどういった機能が必要なのか?」

が見えてくるからです。

ECサイト運営はつまずくことが非常に多いです。特に集客には、多くのEC事業者が頭を悩ませています。まずはECサイトをしっかり制作してスタートし、ノウハウを貯め、改善を行っていきましょう。そしてその前に、計画表を必ず用意してくださいね。

EC運営に役立つ無料ダウンロード資料