【2018年版】世界のEC市場規模と各国ECランキングまとめ

2018年4月に経済産業省から発表された、全世界のBtoCのEC市場規模の予測推計値(旅行・チケット販売を除く)によると308兆円※の市場規模であり、2021年まで二桁成長を続ける見込みです。
※1ドル110円で計算

データや図は全て、経済産業省の最新の調査結果より引用:平成 29 年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)

EC市場が急激に成長している背景にはインターネット人口が飛躍的に増加したことが関係します。昔はインターネットにアクセスするには高額なパソコンが必要でしたが、中国や途上国を中心に低価格のスマートフォンが普及したため、インターネット人口が急激に伸びました。

そのため先進国から途上国まで世界中、誰でもECサイトで買い物をすることが可能になり、今後も人口が伸び続けるインドやアジア新興国を中心に、さらなるEC市場の拡大が予想されます。

本日は経済産業省が2018年4月に発表した調査結果をもとに、ebisumartでWEBマーケティングを担当している筆者が、世界のEC市場規模について詳しく解説いたします。

世界のBtoC-EC市場規模の予測値(旅行・チケットを除く)

まずは、経済産業省の資料に世界のEC市場規模の2021年までの予測値のデータがありましたので、ご紹介いたします。なお、このデータの出所は「eMarketer,Dec2016」をもとに経済産業省が作成したものであり、経済産業省が他で発表している統計データと異なります、あくまで予測値であるという前提を踏まえてご覧ください。

そして、下記グラフの赤字で補足した日本円のレート換算は2018年8月中ごろのレート「1ドル110円」で計算しており、過去や未来のレートを反映していない点もご注意ください。

◆世界のBtoC 電子商取引市場規模

青い棒グラフは市場規模、赤い線グラフは対前年の成長率を表します。成長率こそ下がっているものの世界のEC市場は右肩上がりに堅調に今後も推移して行きます。先進国では、すでにインターネットは普及していますが、物流や配送に課題を抱えていることがあり、各国によってECの普及率に差が生じます。

例えば、日本でもECの市場規模は伸びてはいますが、市場規模の大きい食品や医療業界のEC化が進んでいないこともあり、今後、画期的なサービスがこの分野において、新たに生まれないと、日本のEC化率をあげるのは困難でしょう。

中国では、スマートフォンが爆発的に広がったことで、ECの普及も一気に進んでおり、7.3億人いるといわれる中国人のインターネット人口が、世界のEC市場の伸び率に大きく貢献しております。では、つぎに経済産業省の発表のデータにある、世界各国の2017年度のEC市場規模のランキングを見てみましょう。

世界各国のEC市場規模ランキング

◆世界の各国別BtoC-EC市場規模(2017年)

※出所 eMarketer,Feb2018より作成(旅行・チケットを除いた金額)

ECの市場規模において中国が圧倒的に1位であり、対前年比が30%を超えており、急激に成長していることがわかります。10位のインドは市場規模が2.2兆円とまだ小さいものの、伸び率は対前年比42.1%と、中国以上の成長を遂げており、今後は世界の有力なEC市場になることが予想されます。

日本は市場規模において世界4位であるものの、成長率が著しく低く、先に書いたとおり日本の中でEC化が進んでいる業界と、そうではない業界で2極化しており、日本市場に画期的な新たなサービスが生まれない限り、この状況は改善していきません。

それでは、1~5位のランキングをもとに各国EC市場の状況を解説してまいります。

1~5位の各国のEC市場の状況

1位:中国EC市場の状況

ネット担当者フォーラムの下記記事によると、2016年には5%のEC化率が2020年までに25%まで拡大すると見込んでおります。下記の記事は中国EC市場を把握するのに、最新の動向と分析が書かれており、必ず一読して欲しい記事です。

データ及び考察の参考サイト:EC市場は2020年に約190兆円、EC化率は25%まで拡大する【中国EC市場の予測】

EC市場の中でも、大きな市場の日常消費財ですが、利益率の低さと、配達の遅れが大きくEC市場の伸びの妨げになっていますが、中国のEC大手の「アリババ」と「京東」は、フルフィルメントセンターのネットワークを構築し、この点の改善に取り組もうとしています。

また、中国のインターネットユーザーの中心は大都市ですが、中小都市のユーザーもそれを追いかけており、2020年までにさらに2億人のインターネットユーザーが増えると考えられていることから、中国のEC市場規模は今後もさらに大きく拡大して行くことでしょう。

2位:米国のEC市場の現状

中国に続き2位の米国のEC市場は、絶えず、新しいITサービスを生み出す国で、世界中のIT関係者が、その動向を注目しております。特に有名なECサイトはAmazonですが、実はAmazonだけではなく、アメリカにはそれぞれのジャンルで高いシェア率のECサイトがあり、大手小売で世界一のWalmartやTargetなどのチェーン店もECを展開しております。またCtoCでは、eBayが最も人気があります。

近年は、米国ではモバイルでのECショッピングが伸びており、その伸び率を支えているのがGoogle PayやApple Payといったモバイル決済です。モバイル決済は音楽や書籍などのデジタルコンテンツの決済方法として使われていましたが、ECサイトでの導入も進んでいます。モバイル決済の普及がEC化率の伸び率に影響を与えていくでしょう。

米国では、AmazonやGoogle、Apple、Facebookといった超大手インターネット企業だけでなく、Uberなどのユニコーン企業も次々と誕生しており、世界のインターネット産業の中心地であり、誰もが想像のしないサービスが生まれれば、一気にEC化率が伸びるポテンシャルがあります。

データ及び考察の参考サイト:E-commerce in the United States – Statistics & Facts

3位:イギリスのEC市場の現状

イギリスのEC市場規模は人口(約6500万人)の割には大きく、人口が1億2,700万人である日本を抜いて世界で3位に位置しております。その理由は、ECサイトの高い利用率です。

51%のイギリス人ユーザーが店舗より、オンラインでの買い物を好むデータがあります。その中でも25歳~34歳のグループが最も活発にオンラインで買い物をしており、平均で月8回の買い物をしているアンケート結果があります。この結果からもわかる通り、ECの利用率が高いために人口がイギリスの約2倍の日本よりも、ECの市場規模が大きいのです。

イギリスで人気のある大手ECサイトはAmazon(16%)、TESCO(9%)、ebay(8%)です。また英語であることから、他国からの越境ECでの購入や、イギリス人による他国サイトでの購入も盛んです。

決済方法はクレジットカード決済が40%、デビットカードが35%、ペイパルが21%と、アメリカと似ており、クレジットカードやデビットカードでの決済が支持されております。

イギリスのEC化率の課題は、物流業者の配送の品質が高くないことですが、Amazonなどのネット事業者が物流体制の整備に乗り出しており、こういった課題は中国と同様にEC事業者によって整備されていくことが考えられます。

データ及び考察の参考サイト:Ecommerce in The United Kingdom

4位:日本のEC市場の現状

日本のEC市場の特徴は、EC市場規模の伸び率の低さにあります。世界のEC市場のベスト10で、対前年比の伸び率が一桁なのは日本だけです。EC市場規模が伸びない原因はいくつかありますが、筆者は以下のような点が問題だと思います。

・日本の企業風土が古く、オンライン化に対応できていない企業が多い
・シニア層は特に現金決済が主流であり、クレジットカードを使うことに抵抗がある
・食品業界など市場規模の大きい分野でEC化率が進んでいない

今後も、市場規模は伸びていくものの急激な成長は見込めず、ECの市場規模の順位を維持するのは難しいでしょう。しかし、CtoCのメルカリや、ZOZOスーツを開発したZOZOTOWNなど、新しいサービスの誕生がECの利用率を高めてくれることに筆者は期待しております。

なお、日本のEC市場については過去の記事で詳しく解説しておりますので、こちらをご覧ください。

過去記事:【2018年版】国内EC市場のEC化率|BtoCとBtoBをプロが徹底解説!

5位:ドイツのEC市場の現状

ドイツはヨーロッパ最大の経済大国で、人口もロシアに次いで多く8200万人で、その8割がインターネットユーザーに該当します。ドイツのEC企業は、Amazon、Otto、Zalandoの3社が市場で高いシェアがあります。

ドイツで支持されているECサイトの決済方法は、特色があります。

◆ドイツでの決済方法ベスト3

オンライン請求書による決済が40%
後払い決済が29%
クレジットカード決済が10%

ドイツでのECの決済方式のメインはオンライン請求書による決済と後払いです。これらは日本でのコンビニ決済のようなもので、請求書が手元に届いたら振り込むという決済方法です。ドイツは街の買い物でも、現金決済が中心でキャッシュレス化が進んでおらず、他の先進諸国と比べても保守的であることが伺い知れます。

こういった要素は、EC市場の伸び率にも大きな影響があり、ドイツは日本に次いでEC市場規模が伸び率が2番目に低く、このままだと2021年には、日本と共に他国に追い抜かれる状況になります。

データ及び考察の参考サイト:Ecommerce in Germany

今後のEC市場のヒントは中国に有り!

ECの市場規模においては中国が圧倒的に1位であり、急激に成長を続けております。2016年末にアリババのCEOのジャック・マーが「オンラインとオフラインの融合」として、「ニューリテール」というコンセプトを発表しました。

このコンセプトを具体例で解説すると、例えばスーパーに野菜を買う目的で訪れて、たまたま新製品のビールを見つけたとしましょう。1本買って飲んでみるとすごく美味しかった!となると、今度はユーザーはスーパーではなく、オンラインで1ダースまとめ買いを行い、スーパーが商品棚からビールをピックアップして、重いビールを自宅まで届けてくれます。

このようにオンラインはどちらかと言えば、目的を持った商品を購入することが多く、新しい商品の発見には結びつきにくい特徴があり、その点は実店舗には及びません。しかし、スーパーがショールームのように”体験の場”として機能すると、新しい商品の発見の場としてオフラインがオンラインを補完する関係になります。

これこそが「オフラインとオンラインの融合」です。下記のブログに中国の状況が体験談として面白く解説されているので、是非一読してみてください。

ただのスーパーじゃない!今話題の盒马鲜生を巡ってみた。

さらに、こういった膨大な購入データをAIが分析し、その地域で売れる商品の傾向をつかんで、陳列することで、オンラインとオフライン双方の相乗効果を発揮します。こういったことができる土台を支えているのが、中国で98%の普及しているQRコード決済です。

日本でも、EC化を急激に伸ばすサービスを生むためには、QRコード決済のようなキャッシュレス化の普及が、今後重要な課題となっていくでしょう。

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