ネットショップの仕入れ方法と仕入れサイトを解説


ネットショップを始めるとき、検討しなければならないことの一つが「商品の仕入れ」です。

「こんな商品を販売したいけれど、仕入れのやり方が分からない」
「どこでどのくらいの数を仕入れるべき?」

特にネットショップを初めて開業する場合などに、悩みやすいポイントといえるでしょう。商品や材料を確実に仕入れ、利益を得られる価格で販売することは、ネットショップの成功にもつながる大切な要素です。仕入れ先は、ネットショップのコンセプトに合った商品がそろっているか、安定して仕入れることができるか、取引先として信頼できるかなど、多くの要素を加味して選定する必要があります。

本日の記事では、ネットショップでの仕入れ方法や注意点、国内外の代表的な仕入れサイトなどについて幅広く解説していきます。

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目次

① ネットショップで商品を仕入れる7つの方法
② ネットショップの仕入れ先を選ぶときの4つのポイント
③ ネットショップの仕入れで失敗しないための6つの注意点
④ 【国内】ネットショップの代表的な仕入れサイト6選
⑤ 【海外】ネットショップの代表的な仕入れサイト4選

ネットショップで商品を仕入れる7つの方法

自社製品や自家生産の商品を販売する場合を除いて、ネットショップでは卸売業者やメーカーなどから商品を仕入れる必要があります。代表的な7つの方法を見ていきましょう。

① 仕入れサイトを活用する

ネットショップや小売店向けに提供されている仕入れサイトで商品を仕入れる方法です。価格は会員のみに公開されているところがほとんどですが、会員登録は法人のみであったり、個人でも可能であったりなどさまざまです。無料で会員登録できる場合もありますが、有料会員のみの仕入れサイトも存在します。

多種多様な商品を仕入れることができますが、ハードルが低いことから利用者が多いため、競合も多くなりやすい傾向にあります。

関連記事:無料で始められる!個人向けのネットショップおすすめサービス

② 海外で仕入れる

現地に出向いて商品を直接買い付けるほか、海外の仕入れサイト・仕入れサービスを利用して商品を仕入れる方法です。珍しい商品の仕入れが可能で、輸入雑貨などを扱うネットショップにおすすめですが、到着までの日数や送料がかかる点には注意が必要です。

日本語に対応している海外の仕入れサイトもありますが、トラブルが起きた際などは外国語でのやり取りが発生することがほとんどです。輸入品には販売許可や手続きが必要なものもあるので、慣れないうちは避けておいた方が無難でしょう。

③ メーカー・生産者に交渉する

メーカーや生産者に問い合わせて直接交渉し、商品を仕入れる方法です。直接販売を行っていないケースや新規契約には審査が必要なケースもあり、必ず契約できるとは限りませんが、長期的な取引でメーカーや生産者と信頼関係を構築できるメリットがあります。交渉の際は、ネットショップのコンセプトや規模、取り扱う商品、希望の仕入れ数などをしっかりと伝えるようにしましょう。

④ 問屋街・卸問屋に出向く

主に事業者向けに卸している問屋や、問屋が立ち並ぶ問屋街に出向いて商品を仕入れる方法です。一般の消費者には販売していないこともあるので、名刺のほか、ショップ運営者や事業者であることを証明できる書類を用意しておきましょう。専門的な商品を取り扱っているところも多く、安く仕入れることができるメリットがあります。

⑤ 見本市・展示会に参加する

メーカーや生産者が商品を展示している見本市や展示会に参加し、商品を仕入れる方法です。数多くの商品を自分の目で確認し、見比べられるメリットがありますが、商談の際は専門用語などを熟知しておく必要があるため、難易度はやや高めです。

⑥ OEMで製造を委託する

OEM(Original Equipment Manufacturing)とは、オリジナル商品の製造をOEMメーカーに委託する方法です。コンビニエンスストアなどのプライベートブランド商品で、OEMが活用されていることが多くあります。自社で商品を開発・企画するよりもコストを抑え、ノウハウがなくても高品質なオリジナル商品の販売が可能になります。

⑦ ドロップシッピング(無在庫販売)を活用する

ネットショップ側で商品を仕入れて販売するのではなく、注文を受けてからメーカーが顧客へ商品を直接発送する方法です。商品を仕入れる(在庫を持つ)必要がないため、無在庫販売とも呼ばれています。仕入れのリスクがなく費用を抑えられますが、商品が届くまで日数がかかる点や、商品の品質管理が難しい点には注意が必要です。

無在庫販売については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:ネットショップの無在庫販売の特徴や注意点と進め方

ネットショップの仕入れ先を選ぶときの4つのポイント

ネットショップにおいて、仕入れ先の選定はとても重要です。ネットショップを円滑に運営していくために、商品面と信頼面の両方を満たす仕入れ先を選ぶのがおすすめです。

① 仕入れの継続性・安定性で選ぶ

お客様が買いたいときに買えるネットショップであることも大切です。品切れは機会損失につながるほか、ネットショップの評価も下がってしまいやすいので、継続的に安定した仕入れができるかどうかを確認するようにしましょう。

② ネットショップのコンセプトで選ぶ

ネットショップのコンセプトをしっかりと定めたうえで、それに合った商品をどのくらい扱っているかを確認します。他ショップと差別化するためにも、安価な商品を多数扱う仕入れ先より、ネットショップのコンセプトと一致する商品が充実している仕入れ先を選ぶのがおすすめです。

③ リピート購入につながる商品で選ぶ

ネットショップで扱う商品そのものにも関わってきますが、消耗品はリピート購入につながりやすいという特徴があります。同一の商品を長期間にわたって仕入れることができるか、色・デザイン違いなどのバリエーションがあるかなどを確認しましょう。

④ 信頼性で選ぶ

仕入れ先とは長期的な取引になることも多く、発注や納品などのやり取りが継続的に発生します。初期不良など商品に関するアクシデントはネットショップの評価にも関わるので、信頼できる仕入れ先かどうか、契約前に調べておくようにしましょう。

ネットショップの仕入れで失敗しないための6つの注意点

ネットショップの商品を適切に仕入れ、円滑に運営していくためには、「販売許可を取得する」「仕入れ先を複数確保する」「市場調査を行う」「利益のシミュレーションをする」「少ロットに対応しているか確認する」「在庫管理を行う」などの注意点を押さえておく必要があります。

① 販売許可を取得する

仕入れる商品によっては、販売許可や届け出が必要になるケースがあります。例として、中古品を扱う「古物商許可」、アルコール飲料を扱う「通信販売酒類小売業免許」などが挙げられます。利用するプラットフォームによっては販売できない商品が存在する場合があるので、利用規約もしっかりと確認しましょう。

また、一部の皮革製品など国内では販売が禁止されている商品もあるため、海外から仕入れを行う際は特に注意が必要になります。輸入品ごとに手続きや許可が異なるうえ、法律や税金も関係してくるので、保健所や行政書士などの専門家に相談しておくと安心です。

② 仕入れ先を複数確保する

商品数を充実させ、安定した販売を行うために、仕入れ先はできるだけ複数確保しておくのがおすすめです。そうすれば、もし一つの取引先から仕入れられなくなっても、販売する商品そのものがなくなってしまう事態は避けられます。売れ筋商品の仕入れ先を複数開拓しておくことも、品切れによる機会損失の防止に役立ちます。

③ 市場調査を行う

市場の動向やトレンド、消費者のニーズなどを把握し、商品企画や品ぞろえに生かすために市場調査を行います。例えば、競合となりうるネットショップからは、参考にできるポイントや差別化に必要な運営のヒントなどを得られる可能性があります。ネットショップだけでなく、公式SNSアカウントや実店舗も忘れずにリサーチしておきましょう。

④ 利益のシミュレーションをする

実際にネットショップで販売する際は送料・手数料などがかかってくるため、商品はそれらを踏まえた価格設定にします。ショッピングモールを利用する場合などは、ポイントやキャンペーンにかかる費用も考慮する必要があります。具体的な金額を算出し、ネットショップを運営し続けられる利益が出せるかどうか確認しましょう。

⑤ 少ロットに対応しているか確認する

仕入れの最小単位である最小ロット数を忘れず確認するようにしましょう。特に、初めてのネットショップや初めて扱う商品の場合は余剰在庫を抱えやすいため、少ないロット数から仕入れるのがベターです。

⑥ 在庫管理を行う

余剰在庫や品切れによる販売機会の損失を防ぎ、適切な数の在庫を仕入れるために、ネットショップの在庫管理は欠かせません。ショップが小規模のうちは、Excelなどを活用して手動で管理するのも良いでしょう。事業規模が大きくなり、商品数が増えて多店舗展開するようになったら、在庫管理ツールの導入を検討しましょう。

ネットショップの在庫管理については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:ネットショップの在庫管理方法と在庫管理システムを徹底解説

【国内】ネットショップの代表的な仕入れサイト6選

国内の仕入れサイトはショピングモールで買い物をするように利用でき、使い勝手に優れているので、初めての仕入れにもおすすめです。代表的な仕入れサイトを見ていきましょう。

① スーパーデリバリー

株式会社ラクーンコマースが運営する「スーパーデリバリー」は、多彩なカテゴリの商品を取りそろえる総合仕入れサイトです。3,100以上の企業が162万以上の商品を出品しており、事業者のみが利用できます。

アパレルや雑貨を中心に電化製品や店舗資材などあらゆる商品がそろい、多くの商品を1点から仕入れられるため、小規模なネットショップでも利用しやすいことが特徴です。

参考:スーパーデリバリー

② NETSEA(ネッシー)

株式会社SynaBizが運営する「NETSEA」は、国内最大級の商品数が魅力の仕入れサイトです。アパレルや食品、雑貨のほか、ハンドメイド商品向けの素材など、ほとんどのカテゴリの商品を扱っています。法人・個人問わず無料で登録でき、商品画像や商品説明なども提供されているため、ネットショップ初心者にもおすすめです。

参考:NETSEA

③ TopSeller

株式会社もしもが運営する「TopSeller」は、約30万点の商品を扱うネットショップ専門の仕入れサイトです。無在庫販売が基本となっているので、在庫を持たずに商品数を充実させられるのが特徴。商品数に応じて、4種類のプランから自分に合ったものを選ぶことができます。

参考:TopSeller

④ 卸問屋.com

株式会社イトウが運営する「卸問屋.com」は、家電やカー用品、腕時計など多くの商品を扱っている仕入れサイトです。個人事業主も利用可能で会員登録は無料ですが、登録にあたっては簡単な審査があります。メディア掲載商品や美術・工芸品なども扱っており、商品代金の合計が1万円以上の場合、送料が無料になります。

参考:卸問屋.com

⑤ 商材王

株式会社ホームテイストが運営する「商材王」は、家具やインテリアに特化した仕入れサイトです。大型商品を扱っていますが、無在庫販売に対応しているため、ネットショップ側で在庫を持つ必要がありません。一部の商品には、3か月のメーカー保証も付属しています。

参考:商材王

⑥ TEN TO TEN(テントテン)

TENTOTEN株式会社が運営する「TEN TO TEN」は、アパレルや雑貨、インテリアなどを扱う仕入れサイトです。「日本のいいもの」「世界のいいもの」をテーマにしており、焼き物など各地の工芸品も扱っていることが特徴です。事業者のみが利用可能で、登録料・年会費無料で商品を1点から仕入れることができます。

参考:TENTOTEN

【海外】ネットショップの代表的な仕入れサイト4選

海外の仕入れサイトは価格の安さが魅力で、サイトによっては日本語での問い合わせが可能なところもあります。代表的な仕入れサイトを見ていきましょう。

① Alibaba / AliExpress

中国の大手アリババ株式会社が海外向けに運営しているサービスです。「Alibaba」が事業者向け、「AliExpress」が一般消費者向けとなっていますが、購入単位が異なるのみで、いずれも仕入れサイトとして活用することが可能です。価格が非常に安く、Webサイトも日本語に対応していますが、トラブルの際は外国語でのやり取りが発生するため、注意が必要です。

参考:AlibabaAliExpress

② eBay

eBay Inc.の日本法人であるイーベイ・ジャパン株式会社が運営する「eBay」は、アメリカの大手サービスです。法人・個人問わず世界的に利用されており、仕入れサイトとしても活用可能です。2020年11月から高級腕時計を対象に真贋保証サービスが開始され、対象カテゴリの拡大が期待されています。

参考:eBay

③ Qoo10

eBay Japan合同会社が運営する「Qoo10」は、韓国のアパレルやコスメなどを扱う仕入れサイトです。Webサイトは日本語に対応しており、国内でも人気の高い商品が充実しています。韓国コスメなどを扱うネットショップに適したサービスです。

参考:Qoo10

④ Cmall

株式会社C2Jジャパンが運営する「Cmall」は、中国のアパレルやアクセサリーなどに強い仕入れサイトです。日本向けの商品のみを扱っており、問い合わせも日本語で行えます。

海外の雑貨やハンドメイド商品など女性向けの品ぞろえが豊富で、会員登録は無料です。若い女性をターゲットにしたアパレルや雑貨を扱うネットショップに適しています。

参考:Cmall

まとめ

仕入れの方法は多数あり、個人で利用できる仕入れサイトも存在しますが、安い商品をやみくもに仕入れて販売していたのではネットショップを成功させることは難しいでしょう。ユーザーにリピート購入してもらえる魅力的なショップを安定して運営し続けるには、以下のようなポイントを踏まえて仕入れ先を選定する必要があります。

・ネットショップのコンセプトを念頭に置く
・継続的かつ安定した仕入れを重視する
・仕入れ先は複数確保する
・利益のシミュレーションを行う
・信頼できる仕入れ先を選ぶ

また、仕入れの際はネットショップや小売店向けの仕入れサイトを利用し、小ロットから始めるようにすると失敗が少ないでしょう。初心者の場合は、まずは国内サービスの「NETSEA」や「スーパーデリバリー」などから検討するのがおすすめです。ドロップシッピング(無在庫販売)であれば、同じく国内サービスの「TopSeller」もハードルが低めで利用しやすいため、候補にあがります。

その後はネットショップの成長に合わせて、仕入れ先や仕入れ方法を少しずつ開拓していくと良いでしょう。

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ABOUT US
首藤 沙央里
2019年9月、株式会社インターファクトリーに入社。 マーケティングチームにてオウンドメディア運用を担当し、年間40本以上の記事を掲載。 社内広報、採用広報に加え、EC業界やクラウドコマースプラットフォーム「ebisumart」についての情報発信も行う。