ネットショップ運営効率化!業務の基礎から運営代行までを解説


ネットショップを開業すると、多岐にわたる運営業務が発生します。それらは大きく2つに分けることができ、「フロント業務」「バックエンド業務」のように呼ばれます。しかし、「フロント業務」や「バックエンド業務」という単語からは、具体的な仕事内容を想像しづらいのではないでしょうか?

ネットショップの運営業務は多岐にわたり、必要なスキルもさまざまです。リソースが不足してしまう場合は、運営代行も選択肢に入ってくるでしょう。

そこで本日は、ネットショップを運営する上で欠かせない業務の基本と、多忙なネットショップ担当者必見の運営代行について徹底解説します。

関連記事:ネットショップ開業の基礎知識!失敗しないコツも徹底解説

目次

① ネットショップ運営に必要な4つのフロント業務(マーケティング)
② ネットショップ運営に必要な5つのバックエンド業務(フルフィルメント)
③ ネットショップの運営を効率化しよう!
④ ネットショップの運営代行に依頼できる7つの業務
⑤ ネットショップの運営代行にかかる料金は?
⑥ ネットショップ運営代行のメリット・デメリット
⑦ ネットショップ運営代行サービスの5つの選び方
⑧ ネットショップの代表的な運営代行サービス3選
⑨ バックエンド業務を効率化する方法

ネットショップ運営に必要な4つのフロント業務(マーケティング)

ネットショップの運営に必要なフロント業務には「商品企画」「ネットショップ構築・制作」「仕入れ」「プロモーション」の4つがあります。ここでは主に、ネットショップをユーザーに知ってもらい、訪問してもらうためのマーケティングを行います。

フロント業務① 商品企画

はじめに、ネットショップで販売する商品の企画や検討を行います。

トレンドなどを調査して売れる商品を作るのはもちろん、原価率や利益率などをしっかりと計算し、販売予測を作成しておくことも大切です。ショッピングモール等を利用する場合は、販売にかかる手数料を考慮した価格設定を行うようにしましょう。

フロント業務② ネットショップ構築・制作

ネットショップ構築サービスの導入・検討、ネットショップのデザイン・制作、商品の写真撮影・採寸・原稿(ささげ業務)、そして商品登録作業の全てがこの過程に含まれます。いずれもネットショップの印象や使い勝手への影響が大きく、重要な業務となります。

関連記事:
ネットショップ構築サービス12選!選び方と特長を徹底比較
ささげ業務とは「撮影・採寸・原稿」の頭文字の略称

フロント業務③ 仕入れ

商品企画のステップで作成した販売予測と倉庫のスペースを考慮して、仕入れを行います。人気商品が品切れにならないよう、あらかじめ仕入先を複数確保しておくなどで機会損失を防ぐことも重要です。仕入先と新規で契約する際は審査が発生するので、事前に選定しておくようにしましょう。

フロント業務④ プロモーション

ネットショップでは、リスティング広告やディスプレイ広告、SEO施策などのWebマーケティングが基本となります。プロモーションの手法は多数存在し、予算もさまざまです。商品やターゲットに合わせ、適切なプロモーションを実施することがポイントになります。

ネットショップ運営に必要な5つのバックエンド業務(フルフィルメント)

バックエンド業務には、「受注」「在庫管理」「出荷梱包」「配送」「アフターフォロー」の5つがあります。商品をお客様の手元に届けるまでの一連の流れのほか、アフターフォローや問い合わせ対応もここに含まれます。

バックエンド業務① 受注

お客様に送信する注文お知らせメール、在庫の引き当て、出荷指示の3つがここに含まれます。発送の遅れや商品間違いはクレームにつながりやすいので、スピードと正確性を両立する必要があります。注文お知らせメールについては、ネットショップ構築サービスに備わっている機能で対応できるケースがほとんどです。

関連記事:【例文付き】すぐ使えるネットショップメールテンプレート集

バックエンド業務② 在庫管理

過不足が発生しないよう、適切な数の在庫を用意します。過剰在庫を避けるあまり品切れを起こすケースもあり、難易度が高い業務のため、販売予測を定期的に実施して精度を上げていきましょう。実店舗も運営している場合は、リアルタイムでネットショップと在庫情報を連携させるのが理想的です。

関連記事:ネットショップの在庫管理方法と在庫管理システムを徹底解説

バックエンド業務③ 出荷梱包

倉庫から商品を取り出して梱包し、伝票をつけて配送業者に渡すまでの一連の流れがここに該当します。クッション材などの梱包材は、店舗向けに販売されているものを購入して使用しましょう。SNSを運用している場合は、同梱物にQRコードを記載すれば宣伝になり、リピートにつながる可能性も高まります。

バックエンド業務④ 配送

商品を配送業者に渡し、お客様の手元まで届けてもらいます。扱う商品のサイズや重量などによって最適な配送業者も変わってくるので、コスト面だけで判断せず、商品や配送業者ごとの特徴を踏まえて選定すると良いでしょう。複数の配送業者を使い分けるのも有効です。

バックエンド業務⑤ アフターフォロー

配送完了後には、初めて購入をしてくれたお客様へのメール送信などでアフターフォローを行います。過度なメールで悪い印象を与えてしまっては逆効果なので、お客様視点で考え、配慮を忘れないようにしましょう。

クレームが届いた場合も丁寧な対応を心がけ、迅速に処理するようにすれば、ファンやリピーターを獲得するチャンスになりえます。

関連記事:EC担当者を目指す方が押さえる9つのECサイト運営業務

ネットショップの運営を効率化しよう!

ネットショップの運営業務は幅広いため、運営チームが少人数体制の場合や、商品の種類・注文が増加するにつれて大きな負担となります。業務を手作業で行っている場合はミスが発生しやすくなりますし、ネットショップ運営以外の本来やるべき業務に時間を割けなくなってしまうケースも多くあります。

こうした場合にはまず、日々の業務を見直し、業務の自動化や分業化を実施することで、リソースを確保することが大切です。たとえば顧客からの問い合わせ対応については、チャットボットを設置して自動化できれば、人手を割かずに迅速な対応ができるでしょう。また、複数人で業務を分けることで、より作業を効率的に行えるようになります。

同時に、こうした業務を補うツールの導入も検討したいところです。受注管理システムやCRMツールを導入して顧客管理を一元化したり、在庫管理システムで在庫状況の把握を容易にしたりすることで、より効率的なネットショップ運営が可能になります。

そして、こうした課題を比較的手軽に解決できるのが、ネットショップの運営代行サービスです。ノウハウが社内に蓄積しづらくなるという一面もありますが、リソース不足を解決できるうえ、プロのクオリティで運営可能になるなど、メリットは多いといえます。

ネットショップの運営代行に依頼できる7つの業務

事業者によって多少の差異はありますが、ネットショップの運営代行には大きく分けて以下の7つの業務があります。

①商品登録

ネットショップでは、商品名や商品番号だけでなく、商品説明や細かなスペックを商品ページに記載しておく必要があります。実店舗のように実際に商品を手に取って確認することができない中で商品の魅力を伝え、購入へとつなげてもらうためです。

重要な業務の一つですが、慣れている担当者でも時間がかかってしまいやすいので、プロに依頼して効率化するメリットは大きいといえるでしょう。

②商品写真の撮影

商品画像は、多くのユーザーに商品の特徴を印象づけ、購入を検討するうえでも重要な判断材料となるものです。例えば、写真が少なく細かなディテールが分からない場合、購入に至らない可能性が高まってしまいます。

魅力的な写真にはプロの技術が欠かせないので、商品写真の外注は有効な手段の一つといえます。サービスによっては写真のレタッチや加工を依頼できるところもあるため、目的に合ったものを選ぶと良いでしょう。

③ネットショップ制作・保守管理

ネットショップのデザインや使い勝手は、売上にも影響する大切な要素です。デザインやコーディングだけでなく、サーバの手続きや設定、顧客の個人情報を守るセキュリティ対策など、制作や保守管理には専門的な人材が必要となります。

セールやキャンペーンページなどの制作をピンポイントで依頼できるサービスもあるので、人材確保が難しい場合は、必要に応じて委託を検討しましょう。

④マーケティング

ネットショップは集客が課題になりやすいこともあり、マーケティングの代行は珍しくありません。広告での集客のほか、メールマガジンの配信、SNSを活用したマーケティングなど、依頼できる内容はさまざまです。

効果的なマーケティングには専門知識が必要になるため、専門企業に外部委託すると安心です。ただし、自社にノウハウが蓄積されない一面もあるので、今後のネットショップ運営についてしっかりと考えたうえで利用すると良いでしょう。

⑤顧客対応

顧客対応には、商品やサービスに関する問い合わせのほか、返品や交換、クレームへの対応などが含まれます。顧客対応の質はネットショップの印象や評判に影響し、自社対応は事業が拡大するにつれて負担が大きくなるため、始めから委託する企業も少なくありません。顧客対応履歴を共有してもらえるサービスであれば、自社でお客様の声を把握し、役立てることが可能です。

⑥在庫管理・発送

在庫や倉庫の管理、商品の検品・梱包、受注・発送などの運営代行サービスも存在します。工数のかかる業務であり、適切な在庫管理にはノウハウが必要となるため、事業が成長するほど課題になりやすいです。自社で手配するよりも、代行サービスに依頼する方がコストを抑えられるケースもあります

⑦コンサルティング

フロント業務やバックエンド業務とは異なりますが、戦略立案や改善提案といったコンサルティングを行う代行業者もあります。サービスによっては、必要な手続きや届出、法律面などのアドバイスをしてくれるところもあります。自社だけでなく、外部の専門家による客観的な意見が欲しい場合に検討すると良いでしょう。

ネットショップの運営代行にかかる料金は?

次に、ネットショップの運営代行にかかる料金について、料金体系ごとに解説します。

①月額固定型

決められた金額を毎月支払うもので、ネットショップ制作や保守管理で多くみられる料金体系です。利用料が一定で売上による変動がなく、計画を立てやすいのがメリットですが、売上が低い時期も同じ費用になる点は一長一短といえます。相場は委託状況によって変わりますが、およそ1~10万円程度、高くても30万円以内のケースがほとんどです。

②成果報酬型

売上の一定割合を利用料として支払うもので、初期費用や固定費用が不要なことが多く、始めやすい料金体系です。売上が伸びづらい閑散期などに利用料を抑えられるのがメリットですが、逆に売上が伸びた際に費用がかさむ点には注意が必要です。変動が大きいため見積もりは欠かせませんが、相場は売上の5~15%程度が目安です。

③月額固定+成果報酬型

月額固定費用に加え売上の一定割合を支払うもので、最も一般的な料金体系です。月額固定費用は低めに設定されているケースが多く、複数の工程を委託するサービスなどでよくみられます。相場は5~10万円程度が目安です。

ネットショップ運営代行のメリット・デメリット

ネットショップの運営代行を利用するメリットとデメリットについて解説します。

メリット

運営代行を利用する一番のメリットは、スピーディーに売上を作れることが挙げられるでしょう。ネットショップ運営のノウハウを熟知した専門家に依頼することで、オープンして間もなくても結果を出せる可能性が高まります。

また、顧客管理や在庫管理、発送業務などのバックエンド業務を委託できるため、社内の作業コストを抑えられることもメリットです。そして、最も時間を費やしたいネットショップの売上を伸ばすための施策に時間を割けるのも大きな魅力です。運営代行をうまく活用することで、限られたリソースを有効活用でき、ネットショップの運営が効率化できます。

デメリット

運営代行を利用する場合、一般的に毎月のコストがかかります。オープンして間もない場合は、安定的な売上が確保できない場合も少なくないため、運営代行の利用料金が利益を上回ってしまうこともあり得るでしょう。

また、運営代行に委託することで、自社に運営ノウハウが蓄積されない可能性もあります。依頼時には、自社にもノウハウや必要な情報を共有してもらえるかを確認しておくと良いでしょう。

ネットショップ運営代行サービスの5つの選び方

ネットショップの運営代行サービスを検討する際は、以下のポイントを押さえて選ぶのがおすすめです。

① ショッピングモール型/自社サイト型

ショッピングモールに出店するか独自で運営するかで運営の方法は当然異なります。運営代行サービスを依頼する際には、どちらのタイプの運営に強い業者なのかを事前に確認しましょう。

② 料金・価格相場

予算に合ったサービスを選ぶことも大切です。業者によっては、最低契約期間を設けている場合もあるため、長期的な売上の見通しを立てたうえで契約時にしっかりと確認しましょう。価格によっては、一部分の業務を委託することも検討します。

③ 運営サービスの機能

現状を確認したうえで、特にどの業務について代行の委託を依頼したいかを検討しましょう。依頼したい業務の優先順位が決まったら、その業務に特化した業者や実績が多い業者を選択するのが安心です。

④ 運営をすべて任せるかどうか

将来的にネットショップを自社で運営していきたいかどうかによって、業務全般を依頼するのか、一部を依頼するのかを検討します。将来的に自社で運営していきたい場合は、ノウハウの共有をしてもらえるか、サポートは実施しているかなども考慮して選びましょう。

⑤ セキュリティ対策

ネットショップを安全に運用するために、運営代行サービスの選択時にはWebサイトのセキュリティ対策も気を付けたいポイントです。外部に委託することで情報漏えいのリスクが高まるため、業者がどのようなセキュリティ対策をしているかを事前に確認しましょう。

関連記事:EC担当も知っておくべきWebサイトのセキュリティ対策

ネットショップの代表的な運営代行サービス3選

ネットショップの代表的な運営代行サービスを3つ紹介します。

① 株式会社いつも

中小企業から大手まで、幅広い業種のEC事業の総合的な支援を行っています。自社ECサイト、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング、海外のECプラットフォームでのマルチチャネル展開も対応しています。提供エリアは日本国内だけではなく、アメリカ、中国、ロシア、ヨーロッパ、ASEANの地域も対象としているため、グローバルに展開したいネットショップにもおすすめです。

参考:株式会社いつも

② サヴァリ株式会社

15年で3,000社の導入実績を持つサヴァリ株式会社は、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの3大モールと、自社ネットショップという、大小問わない幅広いネットショップの運営代行を行っています。ショップの課題を分析し、売れるための方法を提案するほか、最終的には自社で運営できるよう運用の内製化のサポートも実施しています。

参考:サヴァリ株式会社

③ アートトレーディング株式会社

アートトレーディング株式会社は、ネットショップのサイト構築から運営、コンサルティングを行っています。Shopifyに特化したネットショップ運営代行に加え、DtoCビジネス用に「mylogi」という物流システムを提供し、受注、物流管理、在庫管理、物流パートナー紹介といったフルフィルメントサービスまで一貫して対応することが可能です。

参考:ART TRADING

バックエンド業務を効率化する方法

始めのうちは運営代行サービスを導入するだけでも事足りますが、ネットショップの事業がさらに成長した場合は、バックエンド業務の自動化や効率化をシステム側で設定できるかどうかも重要になってきます。一般的に採用されているASPの弱点が、バックエンド業務を効率化できない点にあるからです。1日の受注件数が100件を超えるようになってきたら、システム連携を行って自動化を検討するのがおすすめです。

その際は、ネットショップのシステムをカスタマイズできることが前提になるため、パッケージやカスタマイズ可能なクラウドのECシステム(ebisumart)を導入し、バックエンド業務を効率化しましょう。

インターファクトリーのebisumart(エビスマート)はASPサービスのように自動で最新のシステムを保つことができるうえ、パッケージのような拡張性と柔軟性も併せ持っているので、ネットショップのシステム選びや乗り換えを考えている方は、他社とともにご検討ください。

公式サイト:クラウドECプラットフォーム「ebisumart(エビスマート)」

まとめ

ネットショップの運営には、開業前の準備から運営開始後の業務まで、多くの仕事があります。ネットショップを開業したばかりなどで注文が少ないときはあまり問題にならないかもしれませんが、リソース不足を感じるようになったら、本来取り組むべき業務に注力するためにも、無理せず運営代行サービスを検討するようにしましょう。

運営代行サービスは、次のような点を踏まえて選定するのがおすすめです。

・「モール型」「自社サイト型」などの形態で選ぶ
・料金体系や予算で選ぶ
・業務内容や強みで選ぶ

また、運営代行を依頼する際は、自社の課題や希望をしっかりと伝えることも重要です。事業者によって委託できる内容や強みを持つ分野に違いがあるので、自社の現状を把握して導入の目的を明確にすることが、適切なサービス選びの近道となるでしょう。

ネットショップの運営に困ったら

リソース不足やマーケティングなどでお困りの際は、ebisumartを提供するインターファクトリーのEC支援サービス「ebisu growth」までお問い合わせください。以下のような幅広い支援メニューで、経験豊富なコンサルタントが貴社の課題を解決に導きます

◆EC支援サービス「ebisu growth」の提供サービス

✓戦略立案
✓ECサイト構築
✓集客
✓CRM
✓アクセス解析・運用改善提案
✓運用代行・制作代行

ebisumartをご利用いただいていない方からのご相談も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

ebisu growth「EC戦略PM支援サービス」


セミナー情報

ABOUT US
首藤 沙央里
2019年9月、株式会社インターファクトリーに入社。 マーケティングチームにてオウンドメディア運用を担当し、年間40本以上の記事を掲載。 社内広報、採用広報に加え、EC業界やクラウドコマースプラットフォーム「ebisumart」についての情報発信も行う。