ECサイトの商品ページに流入を増やすSEO施策


EC事業者にとって、商品ページのSEOを最適化し、検索結果の上位に表示することは、売り上げに直結する大きな課題です。ひと昔前はSEO業者に頼めば、比較的カンタンに目的のキーワードで商品ページを上位にすることができました。

それは、ブラックハットSEOという手法で、SEOを上げたいページに、SEO業者が用意したブログやWEBページからのリンクを大量に貼ることでSEO順位を大幅にあげることができたからです。

しかし、Googleは2011年頃から検索エンジンのアップデート(ペンギンアップデート)をかけて、ブラックハットSEOを行っているWEBサイトを一斉に取り締まりました。その結果、多くのWEBサイトが順位を下げることになりました。

では、ECサイト担当者は、今後どのようにSEO施策をしていけば良いのでしょうか?現在のSEOの主流はコンテンツマーケティングです。なぜなら記事の質を高めて、ユーザーに支持される記事をつくることと、SEO施策が同じ意味を持つようになってきたからです。

本日はインターファクトリーでWEBマーケティングを担当している筆者が、具体的にどのようにECサイトの商品ページへ流入を増やすかということについて解説いたします。

ほとんどのEC事業者が取り組んでる効果の薄いSEO内部施策

EC事業者もブラックハットSEOという手法がNGということは把握しており、現在ではブラックハットSEOを行うEC事業者は少ないです。SEO外部施策(リンクを貼ること)ができないので、内部施策の最適化を徹底的にやっているEC事業者がほとんどです。内部施策とは、URLの正規化や、サイト構造の正規化、HTMLの記述等です。

昨今ですと「core web vitals(コアウェブバイタル)」という考え方がSEOにおいて重要になってきており、以下の3つの指標があります。

LCP(Largest Contentful Paint)主にページ表示速度
FID(First Input Delay)クリック等の反応速度
CLS(Cumulative Layout Shift)レイアウト崩れの指標

これらの施策はGoogleも推奨しており、ECサイトにも重要な指標です。大手のリクルートもcore web vitalsの対策を行っております。

事例:Core Web Vitals に対応するため、各サイトの改善活動を実施しましたリクルートメンバーズブログ

しかし、中小規模のEC事業者がCore Web VitalsやSEO業者から渡された内部施策指示書を徹底的に順守しても、残念ですがSEO上位に行くことは困難です。なぜなら内部施策というのはマイナスを失くす作業であり、SEOの順位を積極的に上げる施策ではないからです。

ひと昔前であれば、外部のサイトにリンクを貼る外部施策をしてもらうことで、内部施策と外部施策でSEOを上げることができましたが、現在は外部施策はNGです。つまり内部施策はマイナス点を失くす施策でしかないので、ライバルサイトを上回るのは極めて難しいです。

このような内部施策は、すでに膨大な商品ページのある、楽天市場やZOZOTOWN、価格COMなどのサイトでは力を発揮しますが、中小規模のECサイトではほとんどSEO上の意味はないのです。

外部施策ができない今こそ、攻めのSEO施策の「コンテンツマーケティング」の実施を検討します。では次にコンテンツマーケティングを実施した、弊社の実績を紹介します。

サイト流入を22倍にしたコンテンツマーケティング事例

まずは、コンテンツマーケティングが本当に効果がでるのか、弊社の実績を紹介します。あなたが今読んでいるこの記事もコンテンツマーケティング施策のブログ記事です。ECサイトではありませんが、当ドメイン「ebisumart.com」のセッション数の推移を見てください。

2015年10月からebisumart.comのドメイン配下で開始したこのブログは、8ヵ月後にはセッション数は開始前の5倍に達しました。しかもこのブログの更新頻度は、月に3~4本。そして現在は月に1本程度です。しかも業者に依頼せず、すべてインターファクトリーの社員が内製で作成したので、人件費以外は一切かけていません。

そして、それから5年後の2020年には、下記のようにアクセス数が爆発的に増え、コンテンツマーケティングを実施する前の約22倍のアクセス数となっております。

2019年がアクセス数のピークに見えますが、実はキャッシュレス関連の記事に爆破的にアクセスが集中したために、2019年には、本来のターゲット以外の一般ユーザーにも広くブログを見られ、このようなアクセス推移となったのです。

当然ですが、弊社への問い合わせも爆発的に増えることとなり、今では問い合わせ対応を拡充せざるを得なくなりました。このようにコンテンツマーケティングは、仕込みに時間がかかりますが、中・長期施策として、商品ページへの流入を増やすSEOとして極めて効果的であることは間違いありません。

なぜコンテンツマーケティングで流入が増えるのか?

では、なぜ私どものサイト「ebisumart.com」の流入が、ここまで飛躍的に増やすことができたのでしょうか?それはECサイトにおいて主要なECサイト関連のキーワードでSEO1位~3位を独占しているからです。では具体的に実例を見てみましょう。

◆「ebisumart.com」のSEO実績(2020年10月29日時点)

上記はごく一部です。この他にも、例えば「ECサイト構築」がSEOで2位など、数百のSEOキーワードで上位を独占しております。

私どもの事業はECサイトのプラットフォームの提供をしており、EC関連のキーワードで上位を取ることは、ビジネス上極めて影響が大きいのです。このように、ECに関する関連キーワードを弊社で独占しているので、流入数を22倍にすることが可能になったのです。

ECサイトでのコンテンツマーケティングの始め方

では、コンテンツマーケティングの効果が理解できたところで、ECサイトでどのようにコンテンツマーケティングを開始するのか、具体的に解説いたします。

まずはコンテンツマーケティングを開始するための、ブログプラットフォームを構築する必要があります。よく「SEOに強いブログプラットフォームって何ですか?」という質問をもらいますが、それはWordPress(ワードプレス)でしょう。

WordPressがSEOに強い理由

まず、WordPressとは、世界で最も普及しているブログ用のCMSで、無料で提供されているものです。過去にGoogleもWordPressによるブログを推奨しています。ではなぜSEOに強いのでしょうか?それはSEO施策を施しやすい柔軟性とプラグインの提供があるからです。

WordPressでブログを書くだけではSEOに効果があるわけではありません。WordPressはSEOの内部施策の細かいカスタマイズがカンタンに行うことができます。下記は一例ですが、メタタグの設定はもちろん、カテゴリーの設定などが、コーダーの手を使わず、マーケティング担当者やECサイト担当者が自分でカンタンに設定できます。

◆WordPressのメタタグ設定画面

メタタグの設定

また、WordPressには、世界中からプラグインが提供されており、例えば有名なプラグインの「All in one SEO」を使えば、SEOの知識がなくても、カンタンにSEO内部施策を施すことができますし、SEO内部施策を実施済みのテーマ(ブログのデザイン・外観のこと)をボタン一つで採用することができるからです。

◆WordPress上の画面でボタン一つでプラグインを実装できる

このようにWordPressを導入するだけでSEOに強くなるわけではなく、SEOの設定をすることがカンタンで柔軟に対応できるためWordpressがSEOに強い理由です。もちろん既存のCMSで、コンテンツマーケティングを行っても問題はありません。

しかし、現在コンテンツマーケティングで成功している会社のほぼ全てがWordPressを使っています。しかも無料であることから使わない理由がありません。

ただし、実績抜群のWordPressには大きなデメリットが存在します。セキュリティ対策を施さないと、サイト改ざんやハッキングなどのリスクがあることです。WordPressは世界中の事業者や個人が使う広く普及したプラットフォームのため、ハッカーなどから標的にされやすいのです。

また、WordPressがオープンソースであることから、プログラムコードなどが公開されており、脆弱性を発見されやすいのです。そのため、WordPressを導入する際は、下記のことを最低限実施した方が良いでしょう。

✓WordPressを導入するサーバーはセキュリティが高いものにする
✓WordPressのバージョンを常に最新に保つ
✓WordPressの定期的にバックアップをする
✓WordPressのログインパスワードはランダムなものにすること

できれば、上記に加えて二重認証を採用したり、WAFなどの対策があればほぼサイト改ざんなどのリスクを無くすことができます。

では次に、WordPressをインストールするサーバーとドメインの解説をいたします。

SEO効果を早く出すためのブログのドメイン・サーバー設定

多くの企業がコンテンツマーケティングをはじめる場合、ドメインを「新規ドメイン」または「公式サイトのサブドメイン」でスタートしていますが、これには2つのデメリットがあります。

◆新規ドメインのデメリット

デメリット1:SEOの効果が出るまでに時間がかかる。
デメリット2:公式サイト(ECサイト)とドメインが異なるのでCVしにくい。

新規のドメインは、公式サイトよりもSEOの順位を上げていくには時間がかかります。それでも質の高いコンテンツを提供できればいずれ順位はつきますが、SEOの順位が早く上がる方が良く、SEO効果を早く出す方法とは、公式サイト(ECサイト)のドメインを使う方法です。

例えば「https:www.xxx.com」という公式ECサイトがあるなら、「https:www.xxx.com/blog/」というblog以下のディレクトリーをWordPressで運用する方法です。

この方法は公式サイト(ECサイト)のサーバーに無料のWordPressをインストールし、インストールの際に自社のドメインを設定するだけです。設定には知識が必要になるのでインフラ担当に相談します。

インフラチームに相談した結果、社内のサーバーの仕様や、セキュリティールールの観点などから、PHPベースのWordPressをインストールできない場合もあると思いますが、あきらめる必要はありません。

外部にレンタルサーバーを借りて「リバースプロキシ」という設定を使えば、貴社のサーバーとレンタルサーバーをまたぐ形ですが、公式サイトと同じドメインでブログを開設する事が可能です。リバースプロキシを使ったWordPressの設置について、公式サイト(ECサイト)のドメインのSEOの力を継承できることを筆者自身が実施し、問題ないことを確認しました。

これらの設定をするのはある程度の知識が必要なため、あなたの会社のインフラ担当やシステムベンダーに相談して、なるべく公式サイト(ECサイト)のドメイン配下でブログを開設します。

また、ECシステムにMakeShopなどの有名ASPを利用していれば、多くはWordPressのオプションサービスもあるので、ASPの担当営業に相談してみてください。月額数千円の費用でオプション追加が可能です。

公式サイトではなく、「サブドメイン」や「新規ドメイン」でのブログ開設でも問題はありません。ただし効果が出るまで時間がかかる点は覚悟しましょう。とはいえ、どんなドメインであっても「ユーザーを共感させる記事」を書くことができれば、ドメインがどこであっても大した問題にはなりません。

一番重要なのは提供するコンテンツですので、公式サイトのドメインが用意できなかったとしても時間はかかりますが挽回可能です。もしECサイトとブログのドメインを分ける場合は、新規ドメイン側のブログには「運営会社」などしっかり明記してください。

なぜなら、昨今のGoogleは「記事の内容」と同じくらい「誰が書いているのか?運営しているのか?」といった信頼性を重視しているからです。

ECサイトの機能の「ブログ機能」や「フリーページ」でコンテンツマーケティングを行う

もちろん、多くのECシステムには下記のようなブログ機能が実装されております。

・ブログ機能
・フリーページ

と言ったものが最初から用意されており、その機能を利用することでもコンテンツマーケティングを行うことも可能で、SEOで上位にたどり着くこともできます。ただし、以下の機能が実装されているかは事前に書いた方が良いでしょう。

・URLは自分でカスタマイズ可能か?
・H2,H3などの見出しタグをつけられるか?
・フォントを変えることができるか?
・文字に色をつけたり、太字、文字に下線など引けるか?
・画像ファイルを追加することができるか?

また、ECシステム付属のブログで気を付けたいことは、ECシステムを乗り換える時です。記事データをエキスポートできなかったり、エキスポートができても、HTMLの個別記事の編集や、URLの考慮などかなりの費用がかかります。

ECシステムのリニューアルは3~5年に一度は行なわれるため、その度にブログ記事を移行するのは大変な労力と費用がかかります。そういう点ブログはECシステムと分離しておくことのできる、WordPressでコンテンツマーケティングを開始するのがベストな選択となるのです。

ブログ記事の書き方

ブログ記事の具体的な書き方については、筆者の下記の記事で解説しておりますので、下記記事を読んで質の高いブログコンテンツを作成してみてください。本日はブログの立ち上げ方に重点を置いて解説していきます。

参考記事:プロが教えるブログで成果を出す7つのSEOライティング術forUSERS株式会社

ECサイトの記事のネタ(キーワード)は販売する商品のついての記事を書きます。ECサイトの場合は、下記の2つがブログキーワードとして考えられます。

商品名のキーワードで記事を書く

例えばあなたの会社がダイエットサプリの販売代理店であった場合は、

「商品名」「商品名+レビュー」あるいは「商品名+評判」

といったキーワード1位を目指したコンテンツを書きます。つまりあなたの会社以外にもこの商品を販売している会社がある場合は、ライバルはAmazonや楽天、価格コムなどになるでしょう。それらのサイトより上位に立つために、商品名から派生するキーワードで記事を書きます。例えばスマートフォンの「ギャラクシー」と検索したとします。

◆「ギャラクシー」と検索

seo

この2位に来ているのは、メディアの記事ではありますが、コンテンツマーケティングと理屈は同じです。ユーザーが知りたい内容なので、SEO上位なのです。このように商品名で、ライバルサイトより上位に来ることは可能です。

お悩みキーワードや欲求キーワードで記事を書く

商品名ではなく、お悩みキーワードや欲求キーワードで記事を書く方法もあります。例えば以下のようなキーワードです。

「結婚式で着るスーツ」
「太りやすくなった」
「伊豆 おすすめ」

このようなキーワードで、ユーザー目線のブログを書き、そして商品ページへと誘導するのです。ただし注意は、Googleはユーザーの課題を解決するコンテンツではないと、上位にしないので、ユーザー目線を無視して、自社製品を根拠もなく、「100%痩せる!」「楽して痩せる!」などといったコンテンツでは上位をとることはできません。

場合によっては、他社製品を紹介したり、あるいはお金をかけない方法を紹介するなど、自社目線ではなく、ユーザー目線でブログを書かなくてはなりません。

コンテンツマーケティングで集めた流入を商品ページへ送る

では、コンテンツマーケティングによって、SEOで上位独占しページビューが増えても、それで満足してはいけません。目的は商品ページへの流入を増やす、売り上げを増やすことだからです。

まず下記図をご覧ください。

ブログからECサイトに送る

従来ECサイトのSEOというと、商品ページをSEO上位を狙う方法でしたが、ECサイトにおけるコンテンツマーケティング施策では、集客するブログと、CVするECサイトを分けて考えます。つまりブログで対象の商品に関するブログを書いて、SEO上位をとり、そこで集めた流入を商品ページに送るのです。

なぜ、ECサイトのコンテンツマーケティングは、このように分ける必要があるのでしょうか?商品ページのコンテンツを拡充して、ブログのように商品ページに文章を追加して、商品ページ自体をSEO上位にすることも可能です。ただし問題がありがます。それはCVRです。

商品ページの役割は、欲しい商品の魅力を簡潔に伝えることと、スムーズにカートに入れて決済させることです。そのため、SEOに注力するあまり、ブログ記事のような長い文章は商品ページにふさわしくありません。なぜならCVRが下がるからです。ですからECサイトでSEOを最適化する場合は、下記のように役割を分けます。

①SEOで集客する「ブログ記事」
②流入をスムーズにCVさせる「商品ページ」

商品ページでSEO上位が狙えるのは、ドメインの力が非常に強いAmazon、楽天市場、価格COM、ZOZOTOWNなどの超大手のケースが多く、中小ECサイトがとるべきは、役割を分けるSEO戦略でしょう。

ECサイトの機能「LPからのカートイン」と「Amazon Pay」を使えばCVRが改善する!

LPからのカートインの導入

ブログ記事で商品を紹介し、商品ページへの誘導リンクを貼る際は、ECサイトの機能の「LPからのカートイン」を使うと、さらにCVRは上がります。なぜなら、ただのリンクはページの遷移だけですが、この機能を使うと商品ページの遷移と同時に、カートに商品を入れることができるからです。

ただし、その際はいきなりカートインさせると、ユーザー心理から不安に思うユーザーもいるため、「商品Aを購入する」といった文言を忘れずにつけましょう。

いきなりカートインさせてはユーザーが不安になり離脱するからです。ユーザーは商品のブログ記事を読んでいるだけの感覚なので、いきなり購買行動させる際は「びっくり」させない仕組みが大切です。

ebisumartにも、導入されている機能なので、この機能を詳しく知りたい方は下記のページをご覧ください。

参考記事:集客施策の代表例!ランディングページ(LP)を作る2つの手法とは!?

Amazon Payの導入

Amazon Payとは、下記の赤い枠にあるよいうに、決済画面にAmazon Payのボタンを実装してしまう方法です、

画像引用:Amazon Pay

そして、さらにCVRを上げる施策として決済方式として「Amazon Pay」を導入します。カンタンに説明しますと、ユーザーはAmazonのアカウントで、あなたのECサイトの購入ができる仕組みです。Amazonや楽天での購入に慣れたユーザーは、知らないECサイトで買い物はしませんが、Amazonのアカウントがあれば、あなたのECサイトでも心理的に買いやすく、CVRを上げることができます。

コンテンツマーケティングは集客に強いというメリットがあるかわりに、ブログ形式のためCVしにくいデメリットがあるので、この点はECサイトのプラットフォームが対応しているかどうかを見極める必要があります。

「LPからのカートイン」も「Amazon Pay」も弊社のECプラットフォームの「ebisumart」は両方対応しています。とくに「Amazon Pay」はまだ、ECパッケージでも数社しか対応していないので、導入の際はECのプラットフォーム会社に問い合わせてみましょう。

ブログは誰が書くのか?

誰がブログを書くのか?という点を解説します。ブログ記事は基本は自分たちで作成します。その理由はブログを外注しても効果が出にくいからです。

なぜコンテンツマーケティングは外注できないのか?

コンテンツマーケティングは世間では下記の2つの手法があります。

①自分たちで、ブログを書く
②ライターを集めて、1記事1,000文字程度書いた記事を大量にアップする

残念ですが②の方法では、SEO上位をとることは不可能です。Googleが2011、2012年に実施した大きな検索アルゴニズムのアップデートは2つあり、1つは冒頭で紹介した不正リンクの取り締まりの「ペンギンアップデート」、もう一つは低品質なコンテンツを取り締まる「パンダアップデート」です。

1,000文字程度のどこかのサイトの文章をコピーして編集した程度の内容では、検索順位は上がらないだけでなく、サイトのSEOのパワーを下げてしまいます。

またクラウドソーシングや業者に発注するライターの正体は主婦や、ビジネス経験に乏しい人が多いのが実態です。ブログ記事を書くことは、慣れないと大変ですが、自社の人間が書くことがベストです。

また、貴社に下記のような元社員がいれば、ブログ記事を任せられる可能性があります。

・結婚して専業主婦になった元社員
・転職した社員

元社員は業務経験・知識が豊富です。もし専業主婦になった社員がいれば、コンタクトをとって仕事を依頼しましょう。子育ての空いた時間などに、自分の得意な仕事を生かせるのでWinWinな関係を築けます。また、転職した元社員には副業をもちかけてみるなど、工夫しだいで優れた書き手を得られるのです。

記事を外注化するときは、ブログの構成やレビューを徹底的に行うこと

しかし、多くのEC事業者が体制が整っているわけではありません。そのため筆者は外注化はおススメできませんが、それでもブログ記事を、外注するしか方法がない事業者もいると思いますので、外注化する場合は下記の点を必ず実行しましょう。

◆記事の外注化の注意点

✓記事の構成は社員が考える
✓記事を書く前に記事に書いて欲しいことを伝える
✓文字数は最低3,000字以上
✓記事のレビュー会を実施する
✓記事をWordPress等にアップロードは自分で行う

全てを外注化するのではなく、分業をすることです。つまりライターには「ライティング」に専念してもらい、記事の質に関わる「構成案」や「アップロード(記事装飾)」については、自社で担当するのです。またライターを育成する必要もあるので、しっかり打ち合わせを行い、ライターとの認識も合わせていきましょう。

このように手間をかけることで、ライターを使っても質を高めていくことができるのです。

ブログ記事の更新頻度は週1本から

ブログ記事は更新頻度が多ければ多いほど、SEOが強くなります。しかし、ブログ記事は1記事3,000~10,000字書くこともありますから、毎日書くのは現実的ではありません。

このブログは、リリース当初は週に1本の頻度、月に4本程度でした。現在は月に2本程度です。ですから、まずは週に1度の更新でいいと思います。もし3名以上のブログチームを作ることができたら、週に2~3本のブログ記事のアップを目指しましょう。

コンテンツマーケティングが成功後は、新規記事と同じくらい、リライトが重要になってきます。なぜなら、リライトしないと、記事の内容が陳腐化してしまい、SEO順位を保てなくなるからです。そのため、リライトにも担当者の負荷をかけなくてはならないのです。

100記事以上となると、注力しているキーワードに対して、年に一度はリライトをするようにしないと、SEO順位も下がる可能性があります。

企業ドメイン(企業のECサイトドメインを含む)が有利な時代に!

2020年5月あたりまでの検索結果は、アフィリエイターやメディア運営企業のドメインが検索結果の上位に多数存在しました。しかし、2020年5月に行われたGoogleのコアアップデート(May 2020 Core Update)により、アフィリエイターや事業実体があいまいなメディア事業者の多くが検索順位を落としました。

一概には言えませんが、現在は事業を行っている実体のある企業ドメインが非常に有利になってきているのです。中長期的に見れば、Google検索はすでに社会インフラと化しており、Googleの昨今はコンテンツの内容と同じくらい「誰が書いているのか?」という点を重視するようになったのです。

ECサイトでのSEOのまとめ

いかがでしたか?本日はECサイトのSEO、つまりコンテンツマーケティング施策について、一通り解説しました。通常のECサイトのSEOというと、内部施策やメタタグ最適化ばかりの解説になりますが、現在はそれだけでは、ターゲットキーワードでSEO上位になることは難しいです。

そのためには、他社を上回るコンテンツの記事をブログで書く必要があります。だからこそ、外注ライターには、商品知識がなく、質の高い記事を書くことができません。その商品については商品知識のある社内の担当が書くのがもっとも良いのです。

そしてコンテンツマーケティングは多くの会社が実施を考えていますが、残念ながらあまり成功していません。その理由はブログを書くのワークロードを用意できないのです。ですから、もしあなたが会社が始めれば、ライバル会社は追いつくことができませんのでチャンスです。まずはWordPressの導入からはじめましょう。

また、SEOの内部対策については、下記記事をご覧ください。

関連記事:ライバルサイトに勝つための9つのSEO内部対策と成功・失敗事例

 


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井幡 貴司
forUSERS株式会社 代表取締役。 株式会社インターファクトリーのWEBマーケティングシニアアドバイザーとして、ebisumartやECマーケティングの支援、多数セミナーでの講演を行う。著作には「図解 EC担当者の基礎と実務がまるごとわかる本」などあり、執筆活動にも力を入れている。