自社ECサイトの構築方法と自社ECのメリット・デメリット

ショッピングモールに比べて、自社ECサイトにはどんなメリットがあるのでしょうか?

楽天やAmazonなどのショッピングモールには、強力な集客力がある反面、独自のマーケティング施策が難しい傾向があり、モール内の価格競争におちいってしまう場合がありますが、自社ECサイトには独自の施策、ブランディングができるメリットがあります。

なぜならモール内では、ルールやシステムの縛りが多く、また全てをショッピングモールに委ねているため、自社の独自色や競合優位性を非常に出しずらいからです。

ひと昔前は、自社でECサイトを構築するには、ITベンダーがフルスクラッチでゼロからシステムを作る時代でしたから、大変なコストと時間がかかりました。しかし昨今、自社ECサイトは月額数千円から可能なASPサービスから、中・大企業規模にはECのパッケージサービスが各社から提供されており、自社ECサイトを構築する敷居はずいぶん下がりました。

今や、自社ECサイトは気軽に構築できる時代になったのです。

では、自社ECサイトを構築するには、どんな方式がいいのでしょうか?本日はインターファクトリー(ebisumart)でWEBマーケティングを行っている筆者が、ショッピングモールと比較しながら自社ECのメリット・デメリットを解説し、最後に自社ECサイトの構築方法まで解説いたします。

自社ECサイトとショッピングモールの違いは?

下記表に、自社ECサイトとショッピングモールを比較してみました。メリットとデメリットとあわせてご覧ください。

■自社ECとショッピングモールの比較表

自社EC ショッピングモール
運営者 自社 ショッピングモール(楽天、ヤフー等)
ドメイン 独自ドメイン ショッピングモールのドメイン
初期費用 高額(ASPを除く) 安価
月額費用 システム保守料+利用料 月額利用料+売上課金+付加サービス料
メリット 好きな施策が可能 集客力が強い
デメリット 自社で集客を実施 自社独自の施策が不可能

ショッピングモールのメリットとは?

ECで扱う製品がブランド力がある場合は、自社ECサイトを構築するメリットがあるでしょう。なぜなら自社ECサイトで一番難しいのは集客だからです。すでに全国に認知度がある商品ならば、検索エンジンを通じて集客が可能だからです。

しかし、ECで扱う商品が認知度がなかったり、すでに競合他社も扱っている製品ならば、ショッピングモールで出店することで、ショッピングモールの集客力や仕組みを利用して集客することが可能です。

しかしショッピングモールの付与ポイント、アフェリエイト等の費用負担、メール配信等のオプションサービス利用料負担が重荷になる出店者も少なくないのが現状です。

また同製品を扱っているモール内の店舗がある場合は、価格勝負に陥ってしまうデメリットがあるのです。

自社ECサイトのメリットとは?

自社ECサイトは、集客を自分達で行わなければならない分、プロモーションコストがかかりますが、好きな施策を主体的に行なう事が可能です。具体的には下記のような施策です。

・SEO(コンテンツマーケティングも含む)
・SEM(リスティング広告)
・ディスプレイ広告(リマーケティング等)
・アフィリエイト
・メルマガ施策

予算とワークロードを用意できれば、自由にこれらの施策を試すことができますが、すでに商品ブランディングが出来てない場合は、集客は難しいです。自社にノウハウがない場合は、広告代理店にお願いすることになりますが、WEBマーケティングを10年の経験のある筆者の経験だと、「代理店施策は失敗する確率が8割」です。

その理由は、代理店にも腕のいい、いわゆる「エース」はいます。しかし「エース」は予算のついているナショナルクライアントを担当しているケースがほとんどで、予算がない会社にまわってくるのは「新卒クラス」です。また広告代理店の考え方は、広告の枠売り的発想しかなく、彼らのほとんどがコンサルティングする能力も持っていません。

自社ECでのWEBプロモーションを成功させるには、広告代理店まかせにせず、彼らと一緒に施策を行い、失敗を重ねて、ノウハウを蓄積するか、WEBマーケティングスキルがある担当を雇い、自社でノウハウ蓄積していくしかありません。ただ経験のあるWEB担当はなかなか会社を辞めないので、結局は自社でノウハウを蓄積していくことになるでしょう。

 

「ショッピングモール」と「自社ECサイト」の両方のメリットについて紹介しましたが、どちらの方法が良いというわけではありません。いずれの方式にせよ、デメリットも存在するのです。今までショッピングモールに出店していた会社が自社ECサイトを構築し、自分達でプロモーションを行うのは思ったより大変です。

しかし、自社ECサイトの構築は、安価なASPサービスでしたら、簡単に自社ECサイトを開設する事ができます。もし自社のECのワークフローを全て、ASPサービスに合わせる事ができれば、極めて安価で効率的にECサイトを運営することができるのです。

しかし、ECの規模がある程度の会社が、ASPでサービスを展開するには、少し手狭かもしれません。そういった場合は、自社に合わせてカスタマイズできる、「パッケージ」や「オープンソース」のサービスを使う選択肢もあります。

では次の項で、自社ECサイト構築にはどのような選択肢があるかを解説いたします。

5つの自社ECサイトの構築方法とは?

自社ECサイトの構築には、多くの選択肢があります。「フルスクラッチ」、「パッケージ」、「オープンソース」、「ASPサービス」、「クラウドEC」と5つあります。それぞれに違いがあり、ECのビジネス規模とかけれる費用により、自社ECサイトに合わせた選択が必要です。

①ゼロから自由にECサイトを作る:フルスクラッチ

年商50億円以上の大規模ECサイトを作る事業者に向いている構築方法です。ゼロからECサイトを設計するため自社の基幹システムや物流システムなどにあわせたシステムを構築する事が可能で、基本的に実現できない事はありませんが、コストと導入までの時間が多くかかります。

またフルスクラッチはASPサービスと違いシステムが古くなることも避けられませんので、数年に一度はシステムを刷新する必要があります。

メリット:思い通りの要件でECシステムを作ることができる。
デメリット:コストと時間が大幅にかかる。システムが古くなる。

フルスクラッチには注意点があります。それは自社の付き合いのあるシステムベンダーにECシステムを発注するケースですが、一度付き合いのあるシステムベンダーにECを構築をお願いすると、ECを含めた全システムを握られてしまい、ECシステムの他社への載せ替えが非常に困難になります。

また技術力がある、システムベンダーでも、ECに疎いケースはよくあります。フルスピード構築をベンダーにお願いするときは、ECシステムの構築実績があることを十分に確認しましょう。

そして昨今の、ECシステムのトレンドですが、フルスクラッチでシステムを作るメリットが少なくなってきました。その理由は、次に紹介するパッケージのECサイト構築方式です。昔と違ってパッケージは、ECに必要な機能は十分に備えており、またそれをカスタマイズすることで、フルスクラッチに匹敵する機能を実装する事が可能であり、コスト的にもフルスクラッチのメリットがありません。

②ECの基本機能とカスタマイズ性:パッケージ

年商が1億円以上のECサイトに最適な構築方法はパッケージを使ったECサイト構築方法になります。パッケージはECに必要な機能が最初から揃っています。標準機能だけでECサイトを構築する事も可能ですが、通常は自社用に追加カスタマイズを行ってECサイトを構築するのが一般的な手法です。

またフルスクラッチのように、複雑なシステム連携も十分に対応することができます。自社向けECサイトとのフィット&ギャップを調査して、差分だけを開発するので、フルスクラッチより安価で短い期間で運用開始をすることができます。ただし、パッケージ製品はフルスクラッチと同様にネットワークは自社で準備する必要があります。

メリット:フルスクラッチと同等の機能・拡張性がありながら、パッケージは安く、導入時間が短い。
デメリット:カスタマイズ費用が高い。ASPサービスではないので、システムが古くなる。

現在は年商50億円を超える大規模ECサイトの開発もパッケージが主流になりつつあります。しかし、パッケージもフルスクラッチと同様に、システムが古くなってしまう事は避けられません。数年後にシステムの刷新をしなくてはいけません。

③ライセンス費用がかからない:オープンソース

オープンソースといっても、パッケージ製品ですが、世に広く出回っているのでパッケージとしてではなく、オープンソースとして紹介いたします。オープンソースのメリットは何といっても、ライセンス費用がかからないことです。ですからオープンソースを導入する技術力が自社にあれば、非常に安価にECサイトを構築することが可能です。

もちろん、オープンソースといってもパッケージですから、サーバーは自社で用意する必要があります。ECサイトを作る技術力やサーバー保守まで可能な会社には、安価な選択肢となります。

メリット:ライセンス費用がかからない。
デメリット:障害が起きた場合は全て自己責任。

しかしオープンソースは、安くできるECサイトを構築できる反面、例えばオープンソース自体にセキュリティーの脆弱性があった場合も含めて、障害が起きた時は、全て自社の責任になります。こういったリスクを踏まえて自社の技術力で運営できる会社にはオープンソースはメリットもあります。

またオープンソースもパッケージですから、当然システムが古くなります。新しいバージョンをダウンロードして使う事もできますが、もしカスタマイズした場合は、バージョンアップが困難ですので、また一からシステムの作り直す必要があります。

④安価に早くシステム導入が可能:ASPサービス

ASPサービスでのECサイト構築は、ITの知識が無くても簡単に独自ドメインでECサイトを立ち上げることが可能です。しかも、ECに必要な機能は揃っているのに、とても低価格で利用することができます。

ASPサービスによっては条件つきですが、無料でECサイトを運営するサービスもありますので、非常に安価でサービスを利用することができるのです。またASPサービスはECシステムが古くなることはないので、システムのバージョンアップにコストがかかりません。

メリット:コストが安く、すぐに導入できる。常に最新の環境でECサイトを運営できる(システムが古くならない)。
デメリット:カスタマイズやシステム連携ができない。

ASPサービスのデメリットは、カスタマイズができないことですから、中・大規模のECサイトの構築には向いていません。しかし、自社のワークフローをASPサービスに合わせることができたのなら、安価で効率的なECサイト運営をすることができます。

⑤フルカスタマイズ可能なクラウドEC

クラウドECとは、ASPとパッケージとフルスクラッチのいいところを全て取り入れたシステムです。

つまり、ASPのようにクラウド環境でシステムが常にアップデートされる。
パッケージやフルスクラッチのように、自社にあわせてフルカスタマイズができる。

という、カスタマイズ可能でありながら、システムを常に最新の環境にアップデートすることができるシステムなので、システムが古くならず、システムを入れ替えが発生しません。またクラウドなので自社でサーバーを用意する必要がありません。

メリット:システムが古くならない。フルカスタマイズ可能
デメリット:ASPほど安価ではない。

他のECサイト構築方式のいいところが全てあるシステムのため、デメリットが少ないのですが、ASPほど安価ではありませんので、中・大規模のEC事業者に向いているシステムです。ちなみに弊社のECプラットフォーム「ebisumart」はフルカスタマイズできるクラウドECシステムです、興味があれば、弊社のホームページでご確認ください。

自社ECサイトとショッピングモールの両方を運営

自社ECサイトとショッピングモールの両方を運営するEC事業者も少なくありません。コストはダブルにかかってしまいますが、そのコストが売上で十分にまかなえる規模の会社でしたら、自社ECサイトとショッピングモールで、売上を最大化することができます。

また、自社ECとショッピングモールを両方運営することのメリットは障害に対するリスクヘッジです。

例えば、実際にあるケースですが、自社ECサイトにシステム障害があって復旧に時間がかかるケースは、通常であればその期間は売上は”0円”であるのですが、ショッピングモールも展開していれば、ダメージを最小化することができます。

メリット:売上を最大化できる。システムのリスクヘッジができる。
デメリット:運営コストがかかる

両方の運営となると、単にコストがかかるだけではありません。在庫の管理が大変です。実店舗とECサイトが在庫管理システムが連携していない場合も、運営が大変ですが、そこにショッピングモールがあると、在庫の管理はもっと大変になります。

自社ECサイトとショッピングモールの両方を運営する場合は、在庫管理システムとのシステム連携を行うのが理想です。したがって連携する場合は。ECシステムはフルスクラッチかパッケージ、あるいはフルカスタマイズ可能なECクラウドになります。

また自社ECサイトでブランディングを行ない、ショッピングモールで販売するなど、役割を明確にわけるやり方もありますが、いずれにせいよコストは高くつきますので、明確な戦略とバックオフィスの効率化が必要になります。

最後に

自社ECサイトの構築はサイトの規模にあわせたプラットフォームを選ぶ事が基本ですが、まずは本日紹介した5つの自社ECサイトの構築があることを踏まえて、下記の2点も踏まえておきましょう。

・3年程度の事業計画を立てる
・将来行う施策(マーケティング施策やシステム連携)

なぜなら、直近の状況だけを踏まえて要件定義を行い、ECプラットフォームを選んでしまうと、例えば1年後に自社の基幹システムとのシステム連携を行う事になった場合、導入したシステムがASPサービスであれば、システム連携ができません。もし1年後の基幹システムとの連携の可能性があるなら、パッケージやフルカスタマイズできるクラウドECを選択すべきなのです。

ECシステムの載せ替えやリニューアルはコストだけでなく、労力もかかりますから、先をみすえて自社ECシステムのプラットフォームを選定する必要がありますから、先の計画を踏まえてECシステムを選びましょう。



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