【2018年版】国内EC市場のEC化率|BtoCとBtoBをプロが徹底解説!

経済産業省が2018年4月に2017年の日本のEC市場、日米中の3ヵ国の越境EC市場などに関する市場調査を発表しています。本日は、経済産業省の調査結果をもとに、EC化率について記事にしました。

データや図は全て、経済産業省の最新の調査結果より引用:平成 29 年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)

まず、EC化率とはなんでしょうか?例えば、経済産業省のデータから2017年のBtoCアパレル産業(衣服・服装雑貨等)の例で説明します。

アパレル産業のネットとリアル(実店舗)を含めた全商取引は、14兆2582億円。そのうちECサイトなどの電子取引されているものが、1兆6454億円です。ですからアパレル産業のEC化率は11.54%と言えます。

■アパレル産業を例にとったEC化率
1兆6454億円(EC取引総額) /  14兆2582億円(全商取引総額)= 11.54%(EC化率)

さらに、この分野の市場規模は対前年比7.6%上昇している他、アパレル産業は継続的にEC化率が進んでいる分野ということができます。

EC化率からわかるのは、その産業で、どれくらいEコマースが使われているかという指標です。これからビジネスを起こす人や新規事業の担当者は、EC化率を念頭に置いてビジネスプランを立てることで、将来性や競合環境の概要を把握する事ができるのです。

EC化率が高ければ、オンラインを基軸に戦略を置くことになりますし、一方でEC化率が少なければ競合他社の参入が少なくチャンスかもしれません(産業によってはEC化の敷居が高く、参入が困難な場合もあります)。

本日は、このEC化率について、最新の経済産業省のデータをもとにインターファクトリーでWEBマーケティングを担当している筆者が解説してまいります。

BtoBのEC化率は記事最下部で紹介しております。すぐに見たい方はこちらをクリックして、ページ下に移動してください。

日本国内のBtoCのEC化率は?

海外のEC化率と比べると、アメリカはEC化率が約10%、中国は約15%を超えており、日本でのECの普及は遅れているのが現状ですが、全産業において今後もEC市場は伸び続けて行くでしょう。

そんな中、2017年度のBtoCにおける日本国内のEC市場規模は16兆5,054億円で、対前年比9.1%の伸び率。またBtoCの物販系分野のEC化率は5.79%で市場規模が対前年比7.5%増になりました。ここ数年の伸び率と比較するとやや鈍化した結果となりました。

◆BtoCのEC市場規模とEC化率の推移

EC化率の伸びが鈍化した理由を経済産業省の仮説を含め、筆者は下記のように独自に推察しました。

理由①リアルとECの垣根がなくなってきた
企業のオムニチャネル化の推進により、リアル(対面販売)とECの垣根がなくなってきました。そのためECでの売上がリアルに計上されることが多く、EC化率が鈍化しているわけではなく販売の形態が変化していると考えられます。※例「ECで注文し、店舗受取などの形態」

理由②市場規模が大きい業界でEC化が進んでいない
EC化が進んでいる産業とそうではない産業の二極化になっています。家電や電子書籍などの業界はEC化が進んでいるのに対して、食品業界や医薬品業界などは市場規模が大きいにも関わらず、ITの導入が遅れておりEC化が進んでおらず市場が活性化できていないのが原因とみられます。

理由③2017年において目新しい大きなサービスが誕生しなかった
2016年には「メルカリ」のようなCtoCの大きなサービスが生まれましたが、2017年はそこまでの注目される新サービスが誕生しませんでした。

今後、日本国内でEC化率を大幅に伸ばすためには、EC化が進んでいない食品業界などの大きな市場で、ITを導入し、新しいサービスを日本国内で生み出すことが必要になります。中国ではアリババがITを駆使した実店舗網を急速に普及させ、食品スーパーにおいて「実店舗」と「ネット販売」を融合し、急成長を遂げています。

参考記事:アリババ、食品スーパーの実店舗網を拡大 ネット販売と融合で“主導権”握る

日本においても、このようなサービスの誕生と普及がEC化率拡大の鍵を握っているのは間違いありません。

日本国内のBtoCの分野別EC市場規模は?

分野別は下記表の通りとなります。

◆分野別の市場規模及びEC化率の表

物販系分野は、8兆6,008億円で、伸び率7.5%(前年対比5,965億円増)
サービス分野は、5兆9,568億円で、伸び率11.3%(前年対比6,036億円増)
デジタル分野は、1兆9,478億円で、伸び率9.5%(前年対比1,696億円増)

物販系分野の伸び率が2016年度に10.6%と2桁台だったのに、2017年度では7.5%と伸び率が鈍化しました。この理由は先に記述したように、①リアルとネットの垣根があいまいになり、売上がリアル(実店舗)で計上されてしまうこと。②生鮮食品などの分野の市場がITによる活性化が起きていないという2つの理由があてはまります。

総計としては、2017年には伸び率が9.1%と、昨年の9.9%を少し下回る結果になりました。サービス系分野、デジタル系分野は昨年よりも伸び率が上がったのに対して、最も市場規模が大きい物販系分野において、伸び率が鈍化し、足を引っ張ってしまったことが要因になります。

A.物販系分野のEC市場規模

EC化率が公表されているのは、この「物販系分野」のEC化率になりますので、物販系分野について、後ほど詳しく説明します。

B.サービス系分野のEC市場規模

サービス分野とは、旅行・宿泊、あるいは飲食などのサービス分野です。例えば、

◆サービス分野のBtoC-ECの市場規模

旅行サービスにおけるEC化の歴史は早く、1990年代後半にはスタートしていました。国内外関わらず、インターネット上でいつでも手軽に航空券や宿の予約が出来ることや、チケットレスサービスの「eチケット」などは消費者にとっては便利なシステムです。

また、「エクスペディア」や「じゃらん」といったインターネット専業の旅行代理店(通称OTA)の台頭もBtoC-ECの活用度の高さの一因とも言えます。しかし、実店舗の需要もあり、ユーザー動向は二極化している状況です。

2017年の最新の動向を解説すると、大きく伸びているのは、「飲食サービス」と「理美容サービス」です。この2つに共通するのは、事前予約サービスです。美容院やマッサージ店は、予約時に決済する方法が市場で伸びてきております。

特に「飲食サービス」は数年前より明らかにネットで予約する機会が増えている印象があり、大手の「食べログ」や「一休.com」といった予約サービスにおいて、登録するレストランが充実し、カンタンに予約ができるようなりました。元々マーケットニーズがある分野において、品質が追いついてきたところが大きいでしょう。

今までもこういった予約サービスはありましたが、より一般的に広まってきたことが、市場規模の伸び率からわかります。「飲食サービス」「理美容サービス」ともに1店舗の規模が小さく、店舗が多い業態においてサービスのクオリティが上がってきたことが市場規模の伸びにつながっているのです。

C.デジタル系分野のEC市場規模

デジタル分野とは、電子出版・有料音楽/動画配信、あるいはオンラインゲームなどの分野です。

◆デジタル分野のBtoC-ECの市場規模

デジタル分野全体で見ると電子出版が20.1%、有料動画配信が14.4%とこの2つの分野が大きく伸びています。

まず、電子出版ですが、Kindleなどの電子書籍サービスへの”慣れ”が進んだことが大きな要因です。数年前には”自炊”と呼ばれる紙の漫画を専用スキャナーで電子化するユーザーや。自炊した書籍の不正なサービスが普及しておりました。その結果、大手出版社も「自炊されるくらいなら自社で電子書籍化したほうが良い」という流れになり、電子書籍化が進む流れになりました。

その結果、2018年においては”自炊”という言葉はすっかり聞かなくなりました。それは電子書籍が普及したことが大きな要因なのです。

今後は”漫画村”のような著作権を無視したサイトと出版業界がどのように向き合っていくのかが、大きな課題であり、規制の強化、あるいは出版社同士が連携した”読み放題の新プラットフォーム”を作るなど対策が必要ですが、容易に解決できることではありません。

そして、有料動画配信サービスが伸びた要因ですが、NetflixやAmazon Primeビデオのようなサービスプロバイダーによる映画やドラマが定額見放題のサービスが広く普及した結果です。またテレビなどの家電製品がインターネットと接続し、動画配信サービスのアプリをリモコンでカンタンに視聴できたりと、サービスが幅広い世代に受け入れられる環境が整ったことも大きな要因となります。

ここまでは「サービス系分野」と「デジタル系分野」の説明をしてきました。最後に、「物販系分野」について、詳細を説明いたします。

EC市場においてもっとも伸び率が高かった分野とは?(物販系分野)

1位:「雑貨、家具、インテリア」 9.8
2位:「事務用品•文房具」  8.2
3位:「その他」  8.1

EC化率の「伸び率」の観点で言うと、物販系分野は2017年度は対前年度7.5%と伸び率が最も鈍化したカテゴリーになります。

しかし、その中でも、EC化率の伸び率が最も高い分野は「雑貨、家具、インテリア」です。これまでデザイン性に優れたものは海外製品が多かったのですが、日本でもデザイン性の高い家具やインテリアが増えてきました。ITリテラシーが高く、良いデザインを求めるユーザー層が、IKEAなど実店舗での購入からLOWYAなどの家具・インテリアの通販に流れていると推察します。

つまりネットで”質が高くて妥当な価格”の商品が手に入るようになったのが、EC化率の伸び率につながったのです。

2位の伸び率の「事務用品・文房具」に関しては、この分野のEC化率が伸びたというよりは、他の分野が伸びなかったためこの位置にきたという印象です。

一昨年度の2016年にEC化率が急激に伸びた「化粧品・医薬品」は7.6%の4位の伸び率でした。2014年6月の薬事法の変更によって、「医薬品のインターネット販売」が可能になった経緯があり、事業者側の準備と消費者側の認知が進み、2016年度に実際の売上として反映された事が原因でしたが、「化粧品・医薬品」の分野は2017年度はそこまでEC化率が伸びませんでした。

EC化率が高い分野とは?(物販系分野)

 

1位:「事務用品・文房具」 37.38
2位:「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」 30.18
3位:「書籍、映像・音楽ソフト」 26.35

1位の「事務用品・文房具」のEC化率が伸びているのは、アスクルに代表されるサービスのインターネット販売が、一般的に普及してきたからでしょう。

2位の「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」はヨドバシ.comやビックカメラ.comをはじめとし、生活家電のECサイトが伸びています。その背景には、そもそも家電系はECに向いている分野であることが言えます。

なぜなら、型番等や製品名の指名買いができる点と、どこで買っても品質がかわらないのであれば、店舗で商品を確かめて、1円でも安い商品をWebで探すという消費者の傾向があるからです。本来、こういったWEBショールーミングを嫌う家電大手でしたが、ヨドバシカメラは、それを逆手にとり、店舗の製品横にバーコードを設置し、顧客がカカクコムやAmazonで購入する前に、ヨドバシ.comで購入させる戦略をとり、大成功した経緯があります。

逆に市場は大きいのですが、EC化率が最も低いのは「食品、飲料、酒類」です。家電とは正反対で、食品の分野は実際に目でみて、鮮度を確かめる必要がある分野ですから、EC化率は低いのが特徴です。しかし、2017年にはアマゾンがAmazonフレッシュをスタートし、生鮮品を最短4時間で顧客に届けるサービスをはじめました。こういったサービスの普及が、この分野のEC化率の上昇につながるか?今後に注目しましょう。

ECの市場規模が大きい分野とは?(物販系分野)

 

1位は「衣類・服装雑貨等」 1兆6,454億円
2位は「食品、飲料、酒類」 1兆5,579億円
3位は「生活家電、AV機器、PC・周辺機器」 1兆5,332億円

EC市場規模では「衣類・服装雑貨等(アパレル)」が市場で1位です。以前はこの分野の特徴は靴やスーツ、パーティードレスなど、実際に着てサイズを確かめる必要のある分野とECとは相性が悪いのです。

しかし、2018年に話題の「ZOZOSUIT(採寸ボディースーツ)」のような画期的サービスが普及すれば、今後もこの分野で急激な市場の拡大が見込めます。このような「サイズが合わない」「イメージが違う」などといったアパレルECならではの悩みを解決してくれるサービスや返品無料のサービスも多くなっております。

具体的には返品無料の靴の販売サイトロコンドや、マガシークナノ・ユニバースが導入する、自分の体のサイズをWEBに登録して、WEB上で試着するような仕組みやサービスが続々と各社より登場しております。

2位の食品市場は、ECの市場規模が大きいにも関わらず、EC化率が低いため、前述した通り今後、Amazonフレッシュやネットスーパーなど様々な企業が参入し、ITを駆使した効率的で利便性の高いサービスの誕生により抜本的に、この業界のEC化率の拡大の鍵を握っているのは間違いありません。

今後のECトレンドは?

ここ数年、Googleの検索エンジンのアップデートの「パンダアップデート」や「ペンギンアップデート」により企業のSEO施策が変化、またリスティング広告費用の高騰により、検索エンジンからの新規顧客獲得が困難になり、来訪顧客のCV率と既存顧客のLTVがより重要な指標になりました。更に、マーケティング予算の変化によって追客系サービスが充実しているのが現状です。

現在の主流は、来訪履歴や購入履歴に応じてレコメンドをかけるリターゲティング広告です。国内でいうと、「Criteo(クリテオ)」が最も有名かと思います。

2017年はあらゆる業界で”AI”が注目され、EC業界でもチャットBotの技術を使って、ECサイトを経由せず、チャットのやりとりで、そのまま購入させるフローが誕生しました。しかし、こういったAIチャットサービスの普及や成功はまだ数年以上先の話であり、EC業界においての当面のAIの利用は「ビックデータ利用によるレコメンド広告配信」に絞られるのではないかと推察します。

これは、サイトに訪問したことのない人に対しても広告配信ができるサービスです。ビッグデータを活用し、潜在顧客データを創出できるので、新規顧客の開拓が可能になります。

AIが応対するコールセンターも技術的に可能になりつつありますが、現在の企業のコールセンターのニーズの主流は「お客様にどれだけ価値を提供できるか?」ということであり、単なる自動化や効率化のニーズが主流ではありません。AIではまだ価値をお客様に提供できるほどには進化しておらず、コールセンターでのAIの普及もしばらく先のことでしょう。

さて、話は変わりますが、今回の経済産業省のEC市場調査レポートには、新たな項目について、データや見解が掲載されておりましたので、最後にこれらの調査においても、解説いたします。

日本のネットリユース(CtoC)の市場規模

◆ネットオークションの推定市場規模

※単位:億円

「メルカリ」に代表されるCtoC市場が急速に拡大しています。少し前まではリテラシーの高いユーザーしか、ネットオークションは利用されていませんでした。しかし以前からニーズが強い市場にも関わらず、ユーザー同士のやり取りや商品のネットへの掲載の手間が、ネット初心者にとってはネットオークションのハードルが高いものでした。

しかし、ユーザーインターフェースが改善され、スマートフォンがあれば誰でもカンタンに出品できることと、それにつれてテレビコマーシャルなどの宣伝が増え、ユーザーが大きく増えました。このようにネット初心者まで使い始めると、サービスは一気に普及するものです。

◆フリマアプリの推定市場規模

※単位:億円

この影響で、「ブックオフ」などのリユース大手が大きな打撃を受けています。なぜなら急拡大しているフリマアプリの影響により、商品の仕入れに影響が出ているからです。ただし、ネットリユース市場にも、大きな課題があります。それは、新しい市場のため、法規制が整っておらず、「現金」や「入金済みSuica」が出品される行為が問題になっておりました。

これらの問題が社会問題化し、ネットリユース市場に法規制がかかれば、市場成長にも影響しますので、そうならないためにも、ネットリユース各社の対応が求められます。

スマートフォン経由での物販の市場規模と普及について

◆スマートフォン経由の市場規模の直近3年間

・2017年の物販のBtoC-EC市場規模  8兆6,008億円
・上記のうち、スマートフォン経由  3兆90億円
・スマートフォン比率        35.0%

かつて、スマートフォンはパソコンに比べて文字入力がしずらい点、移動中など通信環境が一定ではないなどのデメリットがあるため、ユーザーにとってスマートフォンでの物販には高い敷居が存在しておりました。しかし、スマートフォンや通信環境の進化、ユーザーのスマートフォンでの商品購入の”慣れ”が進み、スマートフォンで購入することが一般的になりました。

また、2000年以降の携帯電話の普及によりクレジットカード支払いが広く普及し、スマートフォンにクレジットカード番号を入力することに抵抗が少なくなったことも、スマートフォン経由での市場規模が拡大した大きな要因です。

その結果、スマートフォンを経由してのEC市場規模が全体の35%に達しており、今後もスマートフォン経由の物販は広く普及していくはずです。

◆インターネット利用端末の種類

特定のターゲットや業界別の傾向だけではなく、あらゆる分野において、スマートフォンが基準となりつつあります。

インターネット利用端末として、スマートフォンが過去5年で急上昇していおり、16年末にはついに過半数を超え、57.9%となりました。このデータからユーザーがインターネットを使う端末はPCからスマートフォンが基準となりつつあることがわかります。

特に10代後半から20代までがターゲットのサイトでは、9割以上のユーザーがスマートフォンからの購入というケースもあり、ガラケー時代同様、若年層や女性ユーザーのほうがモバイル端末からの購入の親和性が高いという傾向が見られます。

業界別の傾向では、アパレルや化粧品・医薬品業界の様に女性ユーザーがメインターゲットになる業界ほど、スマートフォンの利用率が高い傾向があります。

また、Googleが2017年にMFI(モバイル・ファースト・インデックス)を発表しました。今までは、検索順位の基準はPCサイトだったのが、今後は検索結果の基準がスマートフォンになります。この影響はPCの利用者圧倒的に多いBtoB事業においても、スマートフォン対応が求められており業界に関わらずスマートフォン対応されたサイトの普及が加速することになるでしょう。

若年層のPC離れもあり、今後はどの分野においても、スマートフォンがインターネット端末の基準になることは確実です。

課題の多い”物流”について

◆宅配便取扱個数の推移(単位:百万個)

ニュースでは、ネット購入の普及による宅配荷物増加と、宅配業者の人手不足や残業が社会問題になっております。

もはや物流業界だけの問題だけではなく、ECに係る業界全体の問題として取り組まなくてはなりません。例えば、再配達を減らせる仕組みをECサイトで対策するなどの抜本的対策が必要です。このままだと、この問題がボトルネックになり、ECのマーケットが発展しません。

政府も駅やコンビニなどに宅配ボックスを設置することに対して、補助金を出すなど対策を行っておりますが、設置個数や設置スペースに限界があり、それだけでは解決に結びつきません。今後は受取時間指定の細分化と、再配達時に料金徴収を行わないと配達業者もビジネスが成り立たなくなるでしょう。

また、Amazonも倉庫内のピッキングや梱包の効率を追求した結果、過剰包装により、小さな荷物でさえも均一の大きさの箱で包装されています。そのため物流全体、つまり宅配便の車のキャパシティーに無駄ができ、この問題を加速させている背景があります(あくまで小さな一例です、課題は各社、政府及びユーザーにも多く存在します)。

この例からもわかるとおり、業界を超えて、この問題を対策する必要があり、日本は少子高齢化により、人手不足はあらゆる業界で加速しますから、ネットやITを駆使した効率化は日本の命題であり、その土台を支えるのが物流なのです。

一人ひとりがこの問題に関して積極的に改善に向けて取り組まないといけません。この記事を読んでいるあなたも決して例外ではありません。可能であれば受取先を会社にしたり、店舗受取の利用を積極的に利用を進めていきましょう。

決済(コンビニ払いやキャリア決済が急上昇!)

◆インターネットで購入する際の決済方法(複数回答)平成28年末アンケート結果(n=1,933)

決済方法としては、圧倒的に「クレジットカード払い」が多いですが、2位の「コンビニエンスストアでの支払い」つまり後払いが増えてきております。昨年2位だった「代金引換」が3位に落ちていることから、代引きが後払いにシェアを奪われつつあります。

また「ネットバンキング・モバイルバンキングによる振込」つまり、キャリア決済もクレジットカードをもたない若年層に支持され、急激に伸びております。

EC業界において課題は、クレジットカードの個人情報漏えいの事故が社会問題になっている点です。この問題を受けて、経済産業省は「クレジットカード取引におけるセキュリティ対策の強化に向けた実行計画」を指導しており、EC事業者には、以下のどちらかの対応を2018年3月までに実行する必要がありました。

・クレジットカード情報の非保持化
・PCI DSS準拠

この動きを受けて、EC事業者はクレジットカードの決済システムの入れ替えを検討していますが、時間もないために、間に合わない企業も多く、もし、実行計画へ対応できていない企業がクレジットカード情報漏えいの事故を起こした場合、遅くとも、2018年6月以降は割賦販売法違反となる事が決定しており、EC事業者は責任ある対応を求められています。

日本国内のBtoBのEC化率は?

◆BtoBのEC市場規模とEC化率の推移

BtoB-ECの市場は約317兆円と非常に大きなマーケットとなり、業種別に見てもEC化率は上昇しています。その背景の一つに、ECシステム各社の新規参入や、BtoBに特化したASPの展開する会社も出てきたこともありますが、経済産業省が出しているEC化率の29.6%という数値は、EDI※等の受発注システムとECが区別されていないため、BtoBのEC化率は実際より、かなり高い数値になっています。

※EDIとは、Electronic Data Interchangeの事です。企業間の商取引において必ず発生する、帳票処理(注文、請求、決済など)を電子的に交換し自動化する仕組みであり、一般的に私達がイメージするECサイトとは異なります。

EDI等の受発注システムでは様々な制約があり、時流に合わせたマーケティング施策を実行する事が難しく、EDIからEC化を検討している企業が増えている傾向があります。また、2024年にINSネット(EDIが最も使用されているネットワーク網。カンタンに言えばISDNのことです)が廃止され、EDIのIP網への移行が進むとともに、EC化を検討する企業は増加すると予想されます。

EDIについては、過去の記事でまとめており、下記の記事をご覧ください。

5つのポイントでEDIをやさしく解説!EDIの必要性と今後の課題

 

また、今回の経済産業省の資料から、BtoBの業種別内訳のデータが追加になりましたので、次に紹介します。

◆BtoB-EC市場規模

製造業は比較的EC化率が高いです。なぜならもともと自分達が作った”モノ”をお客様に売るというビジネスモデルは、ECのモデルそのものであり、最も伸びやすい分野だからです。

それに対して建設・不動産、情報通信、サービスは”モノ”がないため、サービスをシステム化しづらい面があるため、全体的に”モノ”がない分野のEC化率が遅れている印象です。ECの市場規模が最も大きい卸売は中間業者のため、日本のEC化率が全体的に進めば市場規模は縮小に転ずることが予想されます。

最後に

現時点でBtoC取引の約94%は非ECで行われていますが、ECの取引が占める全体シェアは毎年上がっており、今後の成長も期待されています。事業者にとっては、これまで以上に店舗とECの両立が重要になってきており、いかにユーザーにとって使いやすいサービスを提供していくのかという点が注目されています。

また、デジタルマーケティング分野の伸びにより、これらの広告の出稿先であるECには非常に注目が集まっており、それに比例してEC関連サービスはマーケティング分野を中心に新しいサービスが誕生し続けています。

これらのサービスをキャッチアップし、ユーザーの利便性をいかに追及するかが、これからのEC事業者に求められている事ではないでしょうか?

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