【最新版】国内EC市場のEC化率まとめ|BtoBとBtoC

経済産業省が2016年6月に2015年の日本のEC市場、日米中の3ヵ国の越境EC市場などに関する市場調査を発表しています。本日は、経済産業省の調査結果をもとに、EC化率について記事にしました。

引用:平成 27 年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)

EC化率とはなんでしょうか?例えば、経済産業省のデータから2015年のBtoCアパレル産業(衣服・服装雑貨等)の例で説明します。

アパレル産業のネットとリアル(実店舗)を含めた全商取引は、15兆3086億円。そのうちECサイトなどの電子取引されているものが、1兆3839億円です。ですからアパレル産業のEC化率は9.04%と言えます。

■アパレル産業を例にとったEC化率
1兆3839億円(EC取引総額)  /  15兆3086億円(全商取引総額)= 9.04%(EC化率)

EC化率は対前年比7.9%上昇している他、物販系分野内での構成比率は19%で最も高く、アパレル産業は継続的にEC化率が進んでいる分野と言う事ができます。

EC化率からわかるのは、その産業でどれくらいEコマースが使われているかという指標です。これからビジネスを起こす人や新規事業の担当者は、EC化率を念頭にいれてビジネスプランを立てることで、将来性や競合環境の概要を把握する事ができるのです。

EC化率が高ければ、オンラインを基軸に戦略を置くことになりますし、一方でEC化率が少なければ競合他社の参入が少なくチャンスかもしれません。(産業によってはEC化の敷居の高い場合もあります)

本日は、このEC化率について、経済産業省のデータをもとにインターファクトリーでWEBマーケティングを担当している筆者が解説してまいります。

日本国内のBtoBのEC化率は?

BtoB-ECの市場は約290兆円と非常に大きなマーケットとなり、業種別に見てもEC化率は上昇しています。ECシステム各社の新規参入や、BtoBに特化したASPの展開する会社も出てきました。しかし、経済産業省が出しているEC化率の27.3%という数値は、EDI※等の受発注システムとECが区別されていないため、BtoBのEC化率はかなり高い数値になっています。

※EDIとは、Electronic Data Interchangeの事です。企業間の商取引において必ず発生する、帳票処理(注文、請求、決済など)を電子的に交換し自動化する仕組みであり、一般的に私達がイメージするECサイトとは異なります。

EDI等の受発注システムでは様々な制約があり、時流に合わせたマーケティング施策を実行する事が難しく、EDIからEC化を検討している企業が増えているのが現状としてあります。

BtoBのEC市場規模の推移

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日本国内のBtoCのEC化率は?

2015年度のBtoCにおける日本国内のEC市場規模は13兆7746億円で、対前年比7.6%の伸び率となりました。また、物販系分野のEC化率は4.75%で、対前年比0.38ポイント増になりました。

この事から、日本国内においては全産業において、EC市場はまだまだ伸びる余地があり、かつ堅調に成長している市場である事がわかります。

日本国内のBtoCの「EC化率」及び「EC市場規模」の表

btoc

日本国内のBtoCの分野別EC市場規模は?

分野別は下記表の通りとなります。

物販系分野は、7兆2,398億円で、伸び率6.40%(前年対比4,356億円増)
サービス分野は、4兆9,014億円で、伸び率9.37%(前年対比4,198億円増)
デジタル分野は、1兆6,334億円で、伸び率8.09%(前年対比1,223億円増)

2013年-2014年はどの分野でも伸び率が2桁台だったのに対し、2014年-2015年は1桁の伸び率となりました。しかし、これは市場が停滞しているというより、フリマアプリなどをはじめとしたCtoC-ECの台頭や、オムニチャネルによる消費者の店舗回帰が影響しているのではないかと推測します。

2014年にオムニチャネルが注目を浴び、この1、2年で国内でも多くの事例が出てきました。これまで、ECと実店舗は切り分けて考えていたのに対し、ECと実店舗で相互送客したり、商品を「消費」するという考えから「体験」「経験価値」に焦点が当てられています。

分野別の市場規模及びEC化率の表

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A.物販系分野のEC市場規模

EC化率が公表されているのは、この「物販系分野」のEC化率になりますので、物販系分野について最後に詳しく説明します。

B.サービス系分野のEC市場規模

サービス分野とは、旅行・宿泊、あるいは飲食などのサービス分野です。例えば、

旅行サービスは9.7%増の2兆8850億円
飲食サービスは34.9%増の2379億円

旅行サービスはEC化が早く、1990年代後半にはスタートしていました。国内外関わらず、インターネット上でいつでも手軽に航空券や宿の予約が出来ることや、チケットレスサービスの「eチケット」などは消費者にとっては便利なシステムです。

また、「エクスペディア」や「じゃらん」といったインターネット専業の旅行代理店(通称OTA)の台頭もBtoC-ECの活用度の高さの一因とも言えます。しかし、実店舗の需要もあり、ユーザー動向は二極化している状況です。

飲食サービスは2013年ごろからネット予約できる飲食店が急激に増えているのと共に、ネット予約数(予約件数、予約人数)も急増しています。また、スマートフォンやタブレットで POS レジ業務を行うことができるアプリケーションの台頭による更なる促進が期待されます。

C.デジタル系分野のEC市場規模

デジタル分野とは、電子出版・有料音楽/動画配信、あるいはオンラインゲームなどの分野です。例えば、

電子出版は38.8%増の2兆8850億円
オンラインゲームは5.0%増の1兆2647億円

デジタル分野全体で見ると、2013年-2014年の伸び率は37.1で、2014年-2015年は8.1%の伸び率となります。2014年はオンラインゲームの伸び率が対前年比で43.0%でしたが、2015年は5.0%の伸び率でした。しかし、スマートフォンやタブレットの普及拡大や、新しい映像配信サービスの開始に伴い、この市場は更に拡大していくことが予測されます。

 


 

これまで、簡単に「サービス系分野」と「デジタル系分野」の説明をしてきました。最後に、「物販系分野」についてブレークダウンしてみます。

EC市場においてもっとも伸び率が高かった分野とは?(物販系分野)

advance rate

1位:「食品、飲料、酒類」 10.5
2位:「衣類・服装雑貨等」  7.9
3位:「事務用品、文房具」  6.8

EC化率の「伸び率」という観点で言うと、昨年度に比べると全体的に落ち着いています。昨年度は全体的に13.5%の伸び率がありましたが、半分以下の6.5%でした。

その中でも、EC化率の伸び率が最も高い分野の食品関連ですが、食品は圧倒的にスーパーの需要が強いためEC化率は非常に低くなっています。しかし、2015年にネットスーパーへ本格参入を表明した、セブン&アイ・ホールディングスの「オムニセブン」や、アマゾンジャパンの「Amazonパントリー」のサービス開始が伸び率の高い要因の一つとして考えられます。

EC化率が高い分野とは?(物販系分野)

ec rate

1位:「生活家電、AV機器、PC・周辺機器」 28.34
2位:「事務用品、文房具」 28.19
3位:「書籍、映像・音楽ソフト」 21.79

「ヨドバシ.com」や「ビックカメラ.com」をはじめとし、生活家電のECサイトは伸びています。その背景には、そもそも家電系はECに向いている分野であることが言えます。型番等や製品名の指名買いができる点と、どこで買っても品質がかわらないのであれば、店舗で商品を確かめて、一円でも安い商品をWebで探すという消費者の傾向があるからです。

逆にEC化率が最も低いのは食品で、実際に目でみて鮮度を確かめる必要がある分野ではEC化率は低いのが特徴です。

ECの市場規模が大きい分野とは?(物販系分野)

market size

1位は「衣類・服装雑貨等」 13,839億円
2位は「食品、飲料、酒類」 1兆3,162億円
3位は「生活家電、AV機器、PC・周辺機器」 1兆3,103億円

EC市場規模ではアパレルは市場が1位ですが、靴やスーツ、パーティードレスなど、着てみてサイズを確かめる必要のある分野とECとは相性が悪い分野も含みます。

しかし、「サイズが合わない」「イメージが違う」などいったアパレルECならではの悩みを解決してくれる、返品無料のサービスを提供しECでの購入ハードルも下がってきました。(例)靴の販売サイト:ロコンド

また、マガシークナノ・ユニバースが導入する、自分の体のサイズをWEBに登録して、WEB上で試着するような仕組みやサービスが続々と登場しており、今後も拡大が見込める分野です。

2位の食品市場は、前述した通り様々な企業がネットスーパーに参入してきていることから、EC市場は拡大してきていると言えます。

今後のECトレンドは?

2014年から「オムニチャネル」というキーワードが広まり、2015年は「Web接客」が広く浸透しました。Webでも実店舗で買い物をしているかのような接客が出来るサービスやシステムの提供が急増しています。

例えば、チャットツールを用いてユーザーの質問に回答したり、購入履歴や閲覧履歴をもとにしたポップアップクーポンが表示されるなどが挙げられます。これには、日本のマーケティング予算のインターネット広告分野が大きく成長していることも影響していると言えます。

「パンダアップデート」や「ペンギンアップデート」によりSEO施策が変化、新規顧客獲得が困難になり、来訪顧客のCV率と既存顧客のLTVがより重要な指標になりました。更に、マーケティング予算の変化によって追客系サービスが充実しているのが現状です。

現在の主流は、来訪履歴や購入履歴に応じてレコメンドをかけるリターゲティング広告です。国内でいうと、「Criteo(クリテオ)」が最も有名かと思います。

このような時代の流れの中で、筆者が今注目しているのは「ビッグデータを活用したレコメンド」です。これは、サイトに訪問したことのない人に対しても広告配信ができるサービスです。ビッグデータを活用し、潜在顧客データを創出できるので、新規顧客の開拓が可能になります。

このような集客系サービスの取り組みが成功すれば、また新しい流れがくるのではないかと考えています。

最後に

EC市場が商取引全体の底上げに貢献していることから、店舗だけではなく、ECとの両立が重要になってきていることになります。実際に、実店舗を含めたサービスは定着してきています。今後も、オムニチャネル戦略が小売業にとって一般的な施策になってくると言えます。

更に、筆者が今後の注目するキーワードとしては、ビッグデータを活用した集客サービスです。これが浸透することにより、更にEC市場は拡大しそれに伴いEC化率も向上すると考えます。

このような時代の流れを素早くキャッチアップし、様々な施策を柔軟に対応することが、今後のEC事業者に求められてくるでしょう。



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