さまざまなEC業界の中でもアパレルECは市場規模が大きく、注目されている業界の一つです。2025年8月に経済産業省から発表された2024年度の物販系分野のアパレルECの市場規模は2兆7,980億円で、前年比伸び率が4.74%、EC化率は23.38%と物販系の中でも比較的EC化が進んでいる業界です。
アパレルEC業界には、他業界にはない大きな特徴があります。それは、ECにおける新たなテクノロジーやソリューションが最初に実装・活用される業界であるという点であり、それだけ消費者との接点が多く、テクノロジーとの親和性が高い業界ともいえます。
そのため、業界の最前線では新たなトレンドが次々と生まれておりますが、このような急速な変化による課題も生まれています。
アパレルEC業界には現在、以下の3つの課題が存在します。
② 「ソーシャルコマース」の台頭
③ 消費者のEC利用が急増する中で「実店舗の役割」をどう再定義するか
このように、アパレル業界は変化が激しい業界です。そのため、アパレル事業者は新しいトレンドをいち早く取り込み、ユーザーを常に満足させ続ける姿勢が求められるのです。
本日はインターファクトリーでWEBマーケティングを担当している筆者が、アパレルEC業界の最新トレンドを紹介し、その上で業界の3つの課題と解決策を解説いたします。
アパレルECの市場規模とEC化率
経済産業省の最新の調査結果より引用:「令和6年度 デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)報告書(経済産業省)
アパレルECの2024年の市場規模は2兆7,980億円
青色の棒グラフ=>EC市場規模(単位:億円)
オレンジ色の折れ線グラフ==>EC化率(単位:%)
| EC市場規模 | EC化率 | |
| 2014年 | 1兆2,822億円 | 8.11% |
| 2015年 | 1兆3,839億円 | 9.04% |
| 2016年 | 1兆5,297億円 | 10.93% |
| 2017年 | 1兆6,454億円 | 11.54% |
| 2018年 | 1兆7,728億円 | 12.96% |
| 2019年 | 1兆9,100億円 | 13.87% |
| 2020年 | 2兆2,203億円 | 19.44% |
| 2021年 | 2兆4,279億円 | 21.15% |
| 2022年 | 2兆5,499億円 | 21.56% |
| 2023年 | 2兆6,712億円 | 22.88% |
| 2024年 | 2兆7,980億円 | 23.38% |
このようにアパレルECの市場規模とEC化率が高い要因は5つあると筆者は考えます。
◆アパレルEC業界が伸びている5つの要因とは?
① 過去数年間で、アパレルECの管理・運用をカンタンにするツールやソリューションが多く誕生したことで、業界全体で業務効率化が進んだ
② ツールやソリューションの導入によりアパレルECの業務効率化が進み、アパレルECを運営するブランドが増えた
③ アパレルEC各社の戦略により、業務効率化を進めMD(マーチャンダイジング)サイクルを短くすることで、販売機会を増やし売上が増加した
④ 実店舗とECの会員データの統合を進め、CRM(カスタマーリレーションシップマネージメント)を行うことで、ユーザー毎に適した情報をうまく発信し、リピーターが増えた
⑤ ソーシャルコマースの台頭により、SNS上での新たな購買導線が生まれ市場がさらに拡大した
近年のアパレル業界では、新しいテクノロジーに熱心なブランドがデジタル投資に積極的なため、売上を大きく伸ばしている一方で、情報の一元化に苦しむブランドもあり、アパレルECは二極化が進んでおります。
それでは次に、アパレル業界のEC市場ランキングをもとに、上位企業の取り組みについて解説します。
アパレルECの売上高ランキング(2024年9月〜2025年8月のデータ)
日本ネット経済新聞が行った売上高のランキングデータには、最新のアパレルECの売上高のデータ(モールサイトは除く)が発表されております。
◆アパレルEC売上高ランキング(1〜50位)
下記リンク先で無料会員登録すれば記事をご覧いただけますので、興味がある方はぜひ会員登録をお勧めします。自社EC部門では、例年同様にユニクロが2位以降に大きく差をつけダントツの1位を獲得しています。
1位のユニクロはオムニチャネル施策により利便性を高める
ユニクロは、自社ECサイトでの販売に力を入れており、ユニクロの下記の最新の決算情報を見ると2025年8月期の国内ユニクロ事業のECの売上高は1,523億円、前期比約11.2%増と上昇しております。
ユニクロでは、オンラインにしかない限定商品を用意したり、店舗で自分のサイズが見つからない場合は、ECサイトでの購入を促し、さらにECサイトで購入した製品の店舗受取を可能にするなどオムニチャネル施策により利便性を高めております。
また、着なくなった服を全国店舗の回収ボックスで受け付け、リユース・リサイクルに活用する「RE.UNIQLO」にも積極的に取り組んでおり、サステナビリティの観点からもブランド価値の向上を図っています。
2025年8月期の国内ユニクロ事業のEC化率は14.8%でした。EC売上高とEC化率の推移を見ると、EC売上高は堅調に推移しているものの、ここ2〜3年ほどは店舗の売上構成比率が高まり、EC化率は下降傾向にあります。
◆国内ユニクロ事業のEC売上高とEC化率の推移
出典:「国内ユニクロ事業のEC売上高は1523億円で11.2%増、EC化率は14.8%(2025年8月期)」(ネットショップ担当者フォーラム)
2位のアンドエスティはEC売上が堅調
「グローバルワーク」「niko and …」など多くのブランドを展開するアンドエスティ(アダストリアより商号変更)のECは売上増を続けております。特に急激な伸長を見せたのが、コロナ禍の2020年でした。下記はネットショップ担当者フォーラムの記事の引用です。
新型コロナウイルス感染症の影響が直撃した3-5月期におけるアダストリア単体の売上高は同56.5%減の284億4400万円。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う害宿自粛、商業施設の休業・営業時間短縮などが響いた。
こうした環境下で気を吐いたのがEC事業。大幅増収に加え、自社ECサイト「st(ドットエスティ)※」の会員数は、2020年2月期末からの3か月で20万人増えた。
引用:コロナ禍でEC売上増! アダストリアのアパレルオンライン接客事例とは(ネットショップ担当者フォーラム)
※現在は「and ST(アンドエスティ)」
こうして一気にEC売上が増加し、2025年2月期の同社のEC売上高は、前期比105.7%の728億でEC化率は28.4%。また、自社ECサイト「and ST(アンドエスティ)」の会員数も前期末時点より220万人増の1,970万人に達しており、堅調な足取りで伸びております。
同社のEC売上拡大の大きな要因の一つが、「and ST」のオープン化(モール型ビジネスへの展開)です。
自社ブランドだけでなく外部ブランドも出店できるプラットフォームとして「and ST」を開放し、ニューバランスジャパン、ユナイテッドアローズ、ADAM ET ROPÉなど異なるブランドとの「共創」を積極的に推進しております。取り扱いブランド数と流通総額は想定以上に伸長し、2025年9月末時点のGMVは223億円、会員数は2,070万人以上に達しています。
引用:「アンドエスティ、「and ST」オープン化加速 UA、JUNら参加、GMV1000億円へ」(日本ネット経済新聞)
また、サステナビリティへの積極的な取り組みを進めており、全国の店舗に回収ボックスを設置し、自社ブランド以外を含む衣料品を回収してリユース・リサイクルに活用する「Play Cycle!」を展開しています。
累計回収量は169t(約54万枚)に達しており、ユニクロのRE.UNIQLOと並ぶ、アパレル大手によるサーキュラーエコノミーの代表的な取り組みとして注目されています。
ユニクロやアンドエスティなどのランキング上位企業に共通することは、上位企業の自社ECサイトはいずれも実店舗とWEBのデータを一元化することで、顧客の囲い込みに成功している点です。これらの上位企業は、業界の平均伸び率を遥かに上回る勢いで成長しています。
ただし、実店舗とWEBのデータの一元化の開発には、高いハードルがあり、そのハードルを越えた企業こそがアパレル業界での勝ち組となるのです。
それでは、次にアパレルECが抱える課題について詳しく解説いたします。
アパレルECの3つの課題
アパレルECの市場規模やランキングを把握したところで、それではアパレルEC業界には、どのような課題があるのでしょうか?具体的に解説します。
課題① アパレルECの新たな成長領域「リユース・リコマース」への進出
アパレルEC業界において、いま最も注目すべきトレンドの一つが「リユース・リコマース」市場への参入です。フリマアプリの普及で消費者のリユース習慣が定着した現在、ブランド自身がこの市場を取り込むことができるかどうかが、重要な経営課題となっています。
リユース経済新聞の調査によると、2024年のリユース市場規模は前年比4.5%増の3兆2,628億円に達し、2009年以降15年連続での拡大を記録しました。2030年には4兆円規模への拡大が予測されています。
◆リユース市場規模の推移と予測
特に注目すべきは、商材別で「衣料・服飾品」が前年比8.1%増の6,392億円と好調を維持している点です。
物価上昇による消費者の生活防衛意識の高まり、インバウンド需要の回復、そしてサステナブル志向の浸透が重なり、アパレルのリユース需要は一次流通(新品)の成長率を2〜3倍以上のスピードで上回って拡大しています。
これまで、リユース市場の牽引役はメルカリなどのフリマアプリ(CtoC)でしたが、近年ではリユース企業・一次流通企業によるBtoC販売がCtoCの成長率を上回るフェーズに移行しつつあります。この流れを受けて、アパレルブランド自身がリユースに乗り出す動きが加速しています。
ブランド主導でリユースを取り込む動きも広がっている
リユース市場の拡大を受けて、アパレルブランドが取り組んでいる具体的なアクションは、主に以下の3つです。
① 自社ECサイトへの「リユース」専用カテゴリの新設
自社ECサイト内にリユース品の販売ページを設けることで、新品と中古品を一つのブランド体験としてシームレスに提供します。
◆ヒマラヤスポーツの公式リユースサイト
画像引用:HIMARAYA NEXT USED
第三者のフリマプラットフォームを介さず「ブランド公式」として運営できるため、品質管理やブランドイメージを守りながら新たな収益源を確保できるメリットがあります。
② 回収・メンテナンス・再販による独自の循環サイクルの構築
この動きの代表例として挙げられるのが、ユニクロが推進する「RE.UNIQLO」です。全国のユニクロ・ジーユー・プラステ店舗に設置した回収ボックスで着なくなった服を回収し、リユース・リサイクルの2経路に仕分けされます。
◆ユニクロ店頭に設置されている回収ボックス
リユース可能なものはUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)など世界中のNGO・NPOを通じて難民支援・災害支援に活用し、リサイクルできるダウン素材は新製品の原料として再生しています。
さらに「RE.UNIQLO STUDIO」や「UNIQLO古着PROJECT」として、回収した服に新たな価値を付加して顧客に再販する取り組みも進めており、単なる廃棄削減にとどまらないブランド価値向上につながっています。
③ 再生素材・サステナブル素材の積極活用
昨今、アパレル業界においてはサステナブル(持続可能な)ファッションへの取り組みが注目を集めております。環境省はサステナブルファッションへの取り組みとして、以下のサイトを立ち上げ、消費者にもサステナブルファッションへの啓蒙活動の普及に努めております。
参考:「サステナブルファッション」(環境省)
同サイトでは、消費者に対して以下の5つのアクションを呼びかけており、徐々に消費者の間にもサステナブルの意識が浸透しつつあります。
◆サステナブルファッションへの取り組み
・リユース(再利用)でファッションを楽しもう
・先のことを考えて買おう(その服が本当に必要かどうか?見極める)
・作られ方をしっかり見よう(再生原料の利用等)
・服を資源として再活用しよう
このような消費者意識の変化は、アパレルブランドにとってもビジネス上の変化をもたらしています。
回収した服の素材を新製品に循環させることで、原材料コストの削減とともに「環境に配慮したブランド」としての訴求力を高められます。ESG意識の高い消費者層への訴求として、ブランドの長期的な競争力強化にもつながります。
株式会社ZOZOもコーポレートサイトで「サステナブルなファッションを選択できる顧客体験の提供」や「廃棄ゼロを目指す受注生産プラットフォームの構築」を掲げており、アパレル大手においてサステナビリティへの取り組みはもはや任意ではなくなっています。
参考:2022年4月19日 プレスリリース「サステナブルなファッション産業への移行推進を目指す 「ジャパンサステナブルファッションアライアンス(JSFA)」に正会員として加盟」(株式会社ZOZO)
ただし、「一着を長く着る」「リユースの促進」「環境に優しい製造工程」といった取り組みは、短期的にはアパレル事業者の売上・利益を押し下げる側面もあります。
サステナビリティとビジネス成長を両立させるには、リユースを単なるコストではなく新たな収益モデルとして設計する発想の転換が求められます。ブランド主導のリコマースは、まさにその答えの一つといえます。
公式リユースを自社ECで実現するソリューションも登場
このようなブランド主導のリユース展開を技術面で支えるソリューションも登場しています。
例えばFree Standard株式会社が提供する「Retailor(リテーラー)」は、ブランド・メーカーが自社ECサイト上に「リユース機能」を実装し、独自の二次流通市場を構築できるリコマースオペレーティングシステムです。
リユース品の回収から、真贋確認・メンテナンス・保管・撮影・商品登録・販売まで、リコマース運営を一気通貫でサポートします。2022年のサービス提供開始以降、大手ブランド・メーカーを中心に導入実績を積み上げております。
ブランドが自社でリセールを運営することで得られるメリットは、収益創出だけではありません。第三者プラットフォームに依存しないためブランドイメージを保護でき、新規顧客の獲得や休眠顧客の掘り起こしというCRM上の効果も期待できます。
自社ECとリユースを統合することで、顧客の「購入→使用→売却→再購入」というサイクルをブランドが丸ごと囲い込む新しいビジネスモデルを実現することが可能になるのです。
新品と中古品の併売はカニバリズムを起こすのか?
自社ECサイトにリユース品の販売カテゴリを設けることに対して、「新品の売上を食ってしまうのでは」と懸念する声もあります。
しかし結論から言えば、新品とリユース品の併売がカニバリズム(自社内での顧客の奪い合い)を引き起こす可能性は低く、むしろ総売上の拡大につながると考えられます。
その理由は、新品とリユース品を求める顧客層と購買目的が根本的に異なるためです。新品を購入するユーザーは最新トレンドや新鮮なコンディションを求めているのに対し、リユース品を探すユーザーは価格の手頃さや、すでに廃番になった過去のデザインを目当てにしていることが多いです。
つまり、両者はそもそも別の動機で購買行動を起こしており、競合するのではなく相互に補完し合う関係にあるのです。
◆新品・中古品の各購買層が市場全体を拡大させる
さらにリユース品を入り口にブランドを知った新規顧客が、次の購入で新品を選ぶというアップセルの動線も期待できます。新品とリユースを一つのブランド体験として設計することで、顧客との接点が増え、LTV(顧客生涯価値)の向上にもつながりやすくなります。
課題② 「ソーシャルコマース」の台頭
近年では、「モールか自社ECか」という従来の二択に加え、第三の販路としてソーシャルコマースが重要性を高めています。特に、2025年6月30日に日本でサービスを開始した「TikTok Shop」は、全く新しい購入体験を提供するチャネルとして注目されています。
◆TikTok Shop
画像引用:TikTok Shop
TikTok Shopは、ショート動画やライブ配信を視聴しながらその場で購入が完結する「ディスカバリーEコマース」と呼ばれる新しい購買体験を提供します。ローンチからわずか3ヶ月で国内流通総額が約30億円に達し、売上の約20%をアパレルカテゴリが占めています。
引用:「TikTok Shopの国内市場規模、2026年6月に累計500億円と予測 studio15調査」(ECのミカタ)
さらに、日本ローンチから2025年末にかけて、全体流通総額の約70%がショート動画やライブ配信などのコンテンツを起点とした購入によるものというデータも発表されており、コンテンツの力が購買を直接動かすプラットフォームであることが実証されています。
引用:「TikTok Shop、日本での提供開始から半年が経過。流通総額の約70%が動画やLIVE配信等のコンテンツ起点と判明。 「ディスカバリーEコマース」を体現する成長を実現」(TikTok)
従来の、検索して購入するECと異なり、TikTok Shopは「偶然出会って欲しくなる」という衝動購買を設計できる点が、アパレルとの相性が高い理由です。国内アパレルブランドでもいち早く出店する動きが始まっており、今後の販路戦略において重要性が高まっています。
課題③ 消費者のEC利用が急増する中で「実店舗の役割」をどう再定義するか
かつて日本のアパレル業界では、人口あたりの店舗数が米英と比べても突出して多く、消費者の店舗アクセスが良いため、ECへの移行がなかなか進まないという構造的な課題がありました。
しかし2020年以降、コロナ禍による外出自粛と商業施設の休業が、消費者のECシフトを一気に加速させました。EC化率は2019年の13.87%から2020年に19.44%へと急上昇し、2024年には23.38%に達しています。
店舗が多いからECが普及しないという課題は、ある意味コロナによって強制的に解消されたといえます。これにより新しく生まれた課題が、「ECが当たり前になった時代に、実店舗の役割をどう再定義するか」です。
コロナ禍に、実店舗運営は大きな打撃を受けましたが、以降も店舗運営のリスクは依然として残っており、人口減少や高齢化の進展により国内アパレル市場全体が拡大しない中で、ECだけが伸び続けているという構造は、リアル店舗のリスクをむしろ高めています。
「良い立地に適切な品揃えを揃える」という従来のビジネスモデルだけでは、もはや顧客の心をとらえることが難しくなっていると、下記の記事でも指摘されています。
参考:コロナ禍のEC拡大で凋落するリアル店舗、復活への「3つの処方箋」(DIAMOND online)※会員限定記事
このため、リアル店舗が存在感を示すには、その店ならではの体験を顧客に提供できるかどうかにかかっています。単に商品を販売する場としての店舗の意義が薄れつつある一方で、試着・スタッフによる接客・ブランド世界観の体感など、ECでは代替できない価値を創出することが求められます。
このような体験をECとシームレスにつなぐ「オムニチャネル戦略」が、今のアパレルブランドに不可欠な経営課題のひとつとなっています。
複数チャネル展開で深刻化する「在庫の分散管理問題」
昨今のアパレル業界において、自社ECサイトに加え、ZOZOTOWNや楽天、Amazonといったモール、さらにはSNSコマースと、アパレルブランドが複数の販路を持つことは今や当たり前になっています。
しかし、販路が増えるほど売上の最大化が期待できる一方で、深刻な問題として浮上するのが在庫の分散管理です。
例えばZOZOTOWNに出店する場合、販売する在庫はZOZOが運営する倉庫(ZOZOBASE)に納入する必要があります。自社ECサイト用の在庫とは物理的に切り離されるため、「自社ECでは売り切れなのにZOZO側に在庫が余っている」といった機会損失が発生しやすくなります。
◆ZOZOTOWNと自社ECサイトを展開するブランドの在庫問題

このよ
特にアパレル商品はシーズン性が強いため、売れ残りが発生すると大きなロスとなります。そのため、在庫の一元管理や効率化、あるいは運用フローの構築が必要とされるのですが、システムでの実現が困難であり、ボトルネックとなる企業が多いのが現状でした。
しかし、この課題の解決のために、株式会社ZOZOは「Fulfillment by ZOZO(フルフィルメント バイ ゾゾ)」というサービスを展開しています。
このサービスは自社ECサイト分の在庫も全てZOZOTOWNの倉庫に(ZOZOBASE)預け、在庫一元管理をします。あとはZOZOBASEが、在庫をまとめて管理をしてくれるので、販売機会を逃さず、効率的な販売が可能になるのです。さらにZOZOBASEの在庫がなくなった場合、店舗の在庫を引き当てることも可能です。
◆Fulfillment by ZOZOによる在庫の一元管理のビフォーアフター
ただし、現実にはZOZOTOWN以外にも楽天・Amazon・自社ECと複数のモールを並行展開しているブランドも多く、その場合は当然ながらFulfillment by ZOZOだけでは対応しきれません。そこで重要になるのが、OMS(受注管理システム)や在庫一元管理ツールの活用です。
これらを導入することで、チャネルをまたいだ在庫情報をリアルタイムで統合管理し、どの販路で注文が入っても在庫を最適に引き当てることが可能になります。
複数チャネルへの展開を進めるアパレルブランドにとって、在庫管理システムの導入はEC戦略の根幹をなす重要な経営判断といえるでしょう。
アパレル担当者が目指すべき「ZOZOTOWNのWEBマーケティング」
アパレルECで自社サイトの売上を伸ばすうえで、ZOZOTOWNのWEBマーケティング戦略は格好のベンチマークといえます。
例えば一つ具体例を挙げると、ECサイトにおいて、売上を高めるための徹底的なチューニングが施されています。
ZOZOTOWNは初回購入を絶対に失敗させないように、ECサイトで購入を戸惑っているユーザーに対しては、チャットボックスを表示して顧客対応したり、初めてサイトを利用するユーザーや、使えるお金の少ない10代のユーザーに対しても購入しやすいようにクーポン券の利用を促したり、定期・不定期でセールやキャンペーンを開催するなど、売上を上げるための改善が積み重ねられているのです。
◆ZOZOTOWNの施策例
さらに、集客面では、同社が運営するファッションコーディネートアプリのWEAR(ウェア)が強力な集客ツールとなっております。ダウンロード数は1,900万を超え、世界中のユーザーが利用しているアプリです。
WEARをダウンロードしたユーザーは、コーディネートの写真をアップロードし、公開することができます。そしてユーザーの中にはフォロワーが多い有名人(ウェアリスタ)がおり、フォロワーは彼らのチョイスした商品をWEARと連携しているZOZOTOWNで、気になった商品をスムーズに購入できる仕組みになっており、ZOZOTOWNでの売上を大きく伸ばす一因になっているのです。
◆ウェアリスタによる投稿
2025年10月には、WEARの新機能として、ファッション特化AIによる「着回し提案」機能が導入されました。ユーザーが特定のアイテムを選ぶと、AIがそのユーザーの好みのジャンルや体型の悩みに合わせたコーディネートを提案してくれます。
提案に使われる画像はWEAR上の1,400万件以上のコーディネート画像から選ばれ、ZOZOTOWNの商品データとも連携しているため、気に入ったアイテムをそのまま購入できる導線が設計されています。
WRARは単なるコーディネートアプリにとどまらず、発見から購買までを一気通貫でつなぐプラットフォームへと進化しています。
引用:2025年10月15日 プレスリリース「WEAR、ファッション特化のAIが進化 新機能「着回し提案」を導入」(株式会社ZOZO)
このように、ZOZOは新しい取り組みに貪欲な企業で、新しいサービス開発や改善を次々と行っており、また社員の自社サービスを改善する思いは強いものがあります。こういった取り組みの結果、高い業界シェアを獲得しているのです。
アパレルECの最大の弱点「サイズ問題」の解決策
EC化が進んでいるアパレル業界ですが、実はアパレルはECサイトとは最も相性の悪い業界の一つです。
店舗であれば試着してサイズ感を確かめられますが、ECサイトでは商品を手に取ることも着ることもできません。採寸データをどれだけ丁寧に記載しても、「買ってみたらサイズが合わなかった」「イメージと違った」という返品・交換はアパレルECにとって慢性的な課題です。
それでもアパレルのEC化率が着実に伸びてきた背景には、この問題を解決するためのソリューションが年々充実してきたことがあります。
例えば株式会社メイキップが提供する、サイズレコメンドサ-ビス「unisize」というサービスは、アプリでカンタンな質問に答えることで、自分の身体にあったサイズを推奨してくれるサービスです。
◆unisize
画像引用:unisize公式サイト
また、Nike.comでは1回に限り「返品やサイズやカラーの交換」を無料で行っており、NIKEのECサイトで靴を買うと返品に必要な書類が梱包されており、ユーザーはサイズ感の不安を払拭する努力を行っており、とても満足度の高いサービスになっています。
◆商品と一緒に梱包される返品に必要な用紙や着払い用紙
そして近年、このようなサイズ問題の解決策として急速に注目を集めているのが「ARバーチャルトライオン(仮想試着)」です。
スマートフォンやPCのカメラ機能とAR技術を組み合わせることで、ユーザーが実際に服やアクセサリーを身につけたような状態を画面上でリアルに確認できます。正面だけでなく側面・背面の着用イメージも確認でき、サイズ感だけでなく色味や全体のシルエットまで把握できる点が従来のサイズ表記との大きな違いです。
ECサイトにバーチャルトライオンを導入することで、購入率の向上や返品率の低下、サイト滞在時間の延長といった効果が期待でき、GUCCIやAmazonなど国内外の大手ブランドが積極的に導入を進めています。
バーチャルトライオンについては、過去の記事で詳しく解説しておりますので、こちらもぜひご覧ください。
今後、ARバーチャルトライオンの精度と普及がさらに進めば、ECでは試着できないという最大のハードルは大きく低下し、アパレルECの購買体験は実店舗により近いものへと進化していくでしょう。
アパレル事業者にご提案!EBISUMARTのEC支援サービス
「EBISU GROWTH」
もし、アパレル事業者の方がECサイトでの売上拡大にお困りでしたら、弊社、EBISUMARTのEC支援サービス「EBISU GROWTH」までお問い合わせください。アパレル業界の経験が長い、弊社のコンサルタントが貴社ECサイトの成功に導きます。
◆EBISUMARTのEC支援サービス「EBISU GROWTH」の提供サービス
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