ネットショップ売上高ランキング「売れるサイト」の特徴とは


今や個人や事業規模を問わず、誰もがネットショップを始められる時代になってきており、競争は激化の一途をたどっています。ネットショップを開業している方の中には、以下のような疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか?

「どうすればもっと売上が向上するのだろうか?」
「あのショッピングサイトはどうしてあんなに売れているのか?」

そう思った時こそ、トレンドを知り、もっとも売れているネットショップのノウハウを学ぶことが大切です。ターゲットや商品に合わせ、利用しやすいネットショップを目指すことで、売上アップにつなげていきましょう。

本日は、2022年のGMV(流通総額)などを参考に作成した、ネットショップの売上高ランキングをご紹介し、今売れているネットショップについて、どんな強みがあるのか詳しく解説していきます。ネットショップをすでに展開している企業や、これからネットショップを始める方は、ぜひ参考にしてください。

関連記事:ネットショップ開業の基礎知識!失敗しないコツも徹底解説

目次

① 国内モールの売上高ランキングTOP4
② 国内ASPの売上高ランキングTOP4
③ 大手ネットショップに見られる特長

国内モールの売上高ランキングTOP4

各社が公表している2022年の流通総額や売上高に基づいて、国内3大モールをはじめとするショッピングモールをランキング形式で紹介します。

1位:アマゾンジャパン/推定6兆円超

アマゾンジャパンは、Amazon.co.jpというドメインで運営されるネットショップで、米アマゾンの日本法人です。米アマゾンが公表した年次報告書から推定される流通総額は、6兆円規模になるとみられます。

アマゾンは流通総額を公開していませんが、米国のAmazonが公表した2022年の年次報告書には日本事業における売上高が明記されており、それを日本円に換算すると、3兆1,958億円となります。

この売上高には、直販のほかにも第三者による販売(マーチャント売上)の手数料や定期購入サービス、AWS(Amazon Web Service)などが含まれるとのこと。第三者による販売手数料は毎年伸びており、今では全体の流通総額のうち6割以上を占めているといわれています。これらの情報を基に流通総額を算出すると、上記の価格に達するとみられています。

楽天市場との大きな違いは、店ではなく商品を出品するという形式(マーケットプレイス型)であるという点。ユーザーからは以下のような声が上がっています。

「Prime会員であれば多くの商品の送料が無料になる」
「注文してから配送までのスピードが助かる」

このように、発送スピードや送料無料など、利便性を評価する声が多いようです。

出品する側も、商品情報を登録するだけで出品が完了するという手軽さが魅力です。すでに同一商品が販売されている場合、細かい商品説明を省いて簡単に出品ができます。さらに、商品の保管から注文処理、配送、返品に関するカスタマーサービスを全て代行するフルフィルメントサービスが提供されているので、初心者でも出品しやすいといえます。

また、法人や個人事業主である必要がなく、個人で出品できる点も大きなポイントです。簡単に出品できて手間もかからない点を重視するなら、Amazonはおすすめです。

参考:About Amazon「Amazon.com, Inc. – Annual reports, proxies and shareholder letters

2位:楽天市場/5兆6,301億円

楽天における2022年の国内EC流通総額は、5兆6301億円となっています。この国内EC流通総額には、楽天市場だけではなく、楽天ファッション、ラクマ、楽天西友ネットスーパーなどの売上が含まれています。

楽天市場はテナント型ECモールなので、出店者側がオリジナリティを出して商品ページを作ることが可能であり、よりユーザーに商品の良さを伝えることができます。

楽天ユーザーからは、以下のような声が挙がっています。

「品ぞろえが良く、キャンペーンが多く、楽しんで買い物ができる」
「ポイントを貯められ、いろいろなショップでポイントを使える」

楽天市場では、「楽天スーパーセール」や「楽天お買い物マラソン」などのキャンペーンが頻繁に実施されています。さらに、楽天のポイントは貯めやすいため、ポイント獲得を狙うユーザー(主婦/主夫層など)から高い支持を得ています。これは、楽天トラベルや楽天モバイル、楽天カードなど、さまざまなサービスと連携することで「楽天経済圏」を築き上げ、「楽天のユーザー」の囲い込みと売上の安定に成功した結果といえるでしょう。

参考:
・楽天グループ株式会社「楽天グループ株式会社2022年度通期および第4四半期決算ハイライトに関するお知らせ」(2023年2月14日)
2023年度決算短信・説明会資料|楽天グループ株式会社 (rakuten.co.jp)
・ネットショップ担当者フォーラム「楽天グループの流通総額は12%増の5.6兆円、ファッション事業は1兆円を突破【2022年国内ECの業績まとめ】」(2023年2月15日)

3位:Yahoo!ショッピング/3兆7,856億円

Yahoo!ショッピングは、市場規模は楽天市場とAmazonにかないませんが、商品数とストア数(出店店舗数)は3大ECモールの中で最も多いです。親会社であるZホールディングスの決算説明会資料によると、2022年度の国内eコマース事業における取扱高は3兆7,856億円となっています。なお、この取扱高には、経営統合しているZOZOTOWNやLINEショッピング、出前館、ebookjapanのなどの数値が含まれます。

Yahoo!ショッピングは、ソフトバンクやPayPay、LINEなどのサービスと連動した集客施策にも力を入れているため、顧客基盤が強みです。ユーザーからは、「PayPayのボーナスポイントが魅力」という声が多く聞かれます。

出店する側にとっても、月額料金といった固定費用が一切かからない点が魅力。ただし、商品の売上があった時にだけ、購入者にPayPayポイントを付与するための「ストアポイント原資負担」や、イベントなどの「キャンペーン原資負担」などが発生します。

出店のハードルが低い点や、幅広いターゲット層からのアクセスを重視したいなら、Yahoo!ショッピングはおすすめです。

参考:Zホールディングス株式会社「決算説明会資料 | ライブラリ | IR情報」(2023年4月28日)

4位:ZOZOTOWN/5,443億円

オンラインでアパレル商品の販売を目指すなら、最先端のマーケティングを実施している企業ZOZOTOWNに注目したいところです。株式会社ZOZOの発表によると、2022年度の商品取扱高(流通総額)は5,443億円となっています。

ZOZOTOWNは、トレンドをけん引する人気ブランドも多数出店し、流行のファッションから古着などの中古商品まで、幅広いアイテムが手に入るとユーザーに人気のショッピングモールです。商品点数の多さと細分化されたカテゴリに加え、クーポンやセールによる初回販促とリピート販促、バーチャル試着など、常にユーザーの購入意欲を高める施策に取り組んでいます。

ただし、ZOZOTOWNに出店する場合は審査に通過しないといけません。少々ハードルは高いですが、ZOZOTOWNに出店しているというだけで、ブランドアピールにつながります。

なお、ZOZOTOWNに出店する場合は、受託ショップの形式が基本となります。受託契約ののち、商品をZOZOの物流拠点へ受託在庫として預けると、商品の保管から梱包、発送までを代理で行ってもらえます。

注意点としては、販売手数料が商品販売価格の20~40%ほどかかるといわれており、出店時のまとまったコストは覚悟する必要がありそうです。しかし、ネームバリューを考えると、自社のアパレルや服飾雑貨を販売したい方には魅力的なECモールといえます。

参考:株式会社ZOZO 「IR News

国内ASPの売上高ランキングTOP4

国内のASP(Application Service Provider)について、2022年の年間流通総額に基づいてランキング形式で紹介します。

1位:Makeshop/3,055億円

Makeshopは、2022年の年間流通額が3,055億円に到達し、業界で11年連続No.1の売上を誇る国内ネットショップ構築SaaSです。

カスタマイズ性の高さが強みで、トップページ・カテゴリページ・商品ページ・フリーページなどにHTMLやCSSでの自由な編集が可能ですレスポンシブデザインにも対応しており、サイトのデザインを自動でスマートフォンサイズに調節可能です。

また、初心者でも使いやすい、集客に役立つ機能を豊富に搭載しています。メルマガ等の基本機能や、Yahoo!ショッピングをはじめとする外部サイトとの提携など、独自の集客ルートとサービスが確立されているので、初めてネットショップを開業する方や、すぐに売上を伸ばしたい方にも向いています。

画面内の会員専用ログイン制限や会員ごとのポイント付与等の設定も可能で、その会員データ(商品データを含む)はCSVでMakeshopへインポートできます。ショッピングモールのように、クーポン機能やまとめ買い割引機能を付けることもできるので、自力でネットショップを作るよりも楽に作成できます。

専門のアドバイザーによるサポート体制も整っています。

参考:
・GMOメイクショップ株式会社「「MakeShop byGMO」、年間流通額が11年連続でEC構築SaaS業界No.1に!前年比111%の3,055億円に到達し過去最高を更新~「イベント・チケット・サービス」売上の回復と「地方ショップ」の成長も~」(2023年3月15日)
・GMOインターネットグループ株式会社「決算短信・説明会資料|IRライブラリ|投資家情報」(2023年2月13日)

2位:カラーミーショップ/推定2,174億円

カラーミーショップは、国内の有料ショッピングカートASPの中で最大級の出店店舗数を誇っています。公表されていないため推定になりますが、2022年の流通総額は2,174億円程度とみられています。

カラーミーショップの料金プランには、有料のものだけでなく初期費用・月額費用が無料のフリープランも用意されているので、気軽にネットショップを開設できます。有料・無料ともにデザイン性の高いテンプレートが豊富に用意されているため、アパレルや美容、食品などを扱う場合におすすめです。

また、集客に有効なAmazon連携機能(有料)やInstagramショッピングとの連携機能(有料)、noteストア(無料)との連携機能が利用できます。

なお、月商10万円以上を見込めるようになったら有料プランへの移行がおすすめです。商品登録数無制限かつ決済手数料も業界最安水準なので、ショップの規模が大きくなってもコストを抑えて運営できます。

参考:
カラーミーショップ
・eccLab「2023年時点最新【2022年EC流通総額ランキング】国内21・海外25のECモール・カート・アプリの流通総額から見る市場トレンド」(2023年9月12日)

3位:フューチャーショップ/1,929億円

フューチャーショップは、SaaS型のネットショップ構築プラットフォームです。親会社である株式会社コマースOneホールディングスの決算説明会資料によると、2022年度の流通総額は1,929億円でした。

フューチャーショップは、革新的な機能が充実しているのが特長です。ポイントやクーポン機能はもちろん、SNS連携や各種キャッシュレス機能、実店舗との連携機能(OMO)、越境EC対応など、さまざまなサービスが利用できます。店舗のファンを獲得するための機能や、イベント性の高い機能が搭載されているので、ファン獲得の促進が期待できます。

また、デザインの自由度が高く、特許技術「コマースクリエイター」によって柔軟な導線の設計が可能な点が強みです。マルチデバイス、クロスデバイスにも対応しており、顧客ごとにパーソナライズされたスムーズな購買体験を提供できます。

ただし、機能が多いため全てを使いこなすのが難しいのが懸念点といえます。さらに、初期費用と月額費用が高めの設定(いずれも22,000円~)なので、初心者よりも明確に「こういうサービスを使って集客したい」と本格的な運用を決めている方におすすめです。

参考:
futureshop
・株式会社コマースOneホールディングス「IRニュース」(2023年5月15日)

4位:BASE/1,186億円

BASEは、ショップの開設数が200万を超えている、初心者向けの定番ともいえる無料ASPサービスです。運営会社であるBASE株式会社の決算説明会資料によると、2022年におけるBASE事業のGMV(流通総額)は、4期合計で1,186億円となっています。

BASEは、ネットショップを開きたい個人や小さなチームに対し、ネットショップを簡単に作れる機能と決済機能を提供しています。初期費用、月額無料から利用できますが、有料のグロースプランも用意されています。

ブランドの世界観や欲しい機能に合わせてデザインテンプレートやパーツをカスタマイズできるほか、スマートフォンにも対応。さらに、マーケティング機能や各種SNSとの連携も可能で、さまざまな販売方法や決済方法にも対応しています。別途手続きや審査が必要ですが、Instagram販売も可能です。

参考:
BASE
・BASE, Inc.「IRニュース」(2023年2月8日)

関連記事:無料で始められる!個人向けのネットショップおすすめサービス

大手ネットショップに見られる特長

人気のネットショップ3社が実施している戦略や特徴について、詳しくみていきます。

①プライベートブランド戦略と物流の効率化/アマゾン

国内外問わず圧倒的なシェアを誇るアマゾンの強みは、国内大手メーカーと共同でのプライベートブランド(PB)の展開、そして、フルフィルメントセンターによって実現した、プライム会員を対象とした即日配送です。

AmazonはPBの商品数を飛躍的に増やしており、アパレルや食料品を中心に、100以上のブランド運営をしています。成功の要因は、ブランドごとに商品やターゲットの的確なすみ分けをした点だといえるでしょう。

AmazonのPB戦略は、「低価格かつ幅広く手がける主要ブランド」と、「中堅価格かつ一部の客層に絞った小規模ブランド」の二本柱で支えられています。また、「フルフィルメント by Amazon(FBA)」という独自の物流網による即日配送も強みです。

物流の効率化を図るため、24時間稼働のAmazonの倉庫に従業員と専用のロボットを配置し、一般的なネットショップでは越えられないほどのスピーディーな配送を実現しています。

参考:Amazon

関連記事:【世界・日本市場まとめ】世界一のECサイトAmazonを徹底解説!

②高いポイント還元率と独自の配送システム/ヨドバシ・ドット・コム

JCSI(日本版顧客満足度指数)の調査において、通信販売部門で9年連続1位の座にいるのがヨドバシ・ドット・コムです。

家電からオフィス用品、日用品、食料&飲料、ベビー&マタニティ、カー&バイク用品、医薬品、書籍など多岐にわたり、グループ会社の石井スポーツストアを同サイト内に開設するなど、充実したジャンルでアプローチしています。

また、店舗での購入と同様、10%のポイント還元をしている点も特長です。キャンペーンや抽選によって10%のポイント還元が得られるネットショップは他にもありますが、常時10%のポイントが付与されるネットショップは希少です。

さらに、ヨドバシ・ドット・コムでは独自の配送システム「ヨドバシエクストリーム」によって顧客満足度を高めました。利用料金、配送料金ともに無料で、対象エリア内であれば最短2時間30分で荷物を配送するという驚異のスピード配送を可能にしています。また、自社配送のため、顧客が注文時に配送時間が分かるシステムを実現しています。

参考:
・公益財団法人日本生産性本部「2022年度 JCSI(日本版顧客満足度指数)調査 年間発表 | 調査研究・提言活動
ヨドバシ.com

③アパレル商品の課題解決に注力/ZOZOTOWN

サイズ合わせがシビアなアパレル商品を専門で扱うZOZOTOWNは、ユーザビリティを意識した運営が特長です。

特に、伸縮センサーが内蔵されているスーツを着用し、スマートフォンを使って、肩幅や胸囲など人体の約1万5,000カ所のサイズが計測できる「ZOZOSUIT」、そしてマット全体に施されたドットマーカーをスマートフォンのカメラで360度撮影することで、自宅にいながら簡単に高精度で足の3D計測ができる「ZOZOMAT」は画期的でした。どちらも一般顧客向けの提供は終了していますが、これらのテクノロジーを活用した新たなサービスを開発中です。

また、ネットショップが実店舗に比べてコーディネートのイメージをしにくい点に着目したファッションアプリ「WEAR」も成功を収めています。ユーザーはWEAR上で検索すれば、実際に衣服を着用している様子や、コーディネートのバリエーションを確認して、写真の画面から直接商品購入のページにアクセスすることもできます。

WEARでは、気になる服があったら数タップで購入が可能です。このように、ZOZOTOWNはファッションECを支えるさまざまなテクノロジーによって、課題を解決しています。

参考:
ZOZOTOWN
WEAR
・株式会社ZOZO 「3D計測用ボディースーツ『ZOZOSUIT 2』を発表 ZOZOSUIT 2・ZOZOMATの計測テクノロジーを活用した新サービス共創のパートナー企業を募集」(2020年10月29日)

まとめ

ネットショップの売上高ランキングをみると、業種や商品はそれぞれ大きく異なりますが、ユーザビリティの高さや信頼を得られる運営体制は共通しています。

ネットショップを利用するユーザーは利便性を求めているため、商品検討から購入に至るまでいかにスムーズに行えるかがポイントになります。ターゲットや商品に合わせ、利用しやすいネットショップを目指すことが、売上やリピート率の向上にもつながります。

スモールスタートの場合は、無料ASPやショッピングモールなどから始め、事業の成長にあわせて、より本格的な自社ネットショップへと切り替えていくのもよいでしょう。ぜひ読者の皆様もユーザビリティを追求し、サイトの利便性を高め、便利な機能を活用して売上アップにつなげましょう。

事業が成長し、ASPやショッピングモールでは物足りなくなってきたら、フルカスタマイズできるクラウドECなどに乗り換えるのもおすすめです。その際は、他社サービスとあわせ、弊社インターファクトリーのクラウドコマースプラットフォーム「ebisumart」もぜひご検討ください。

クラウドコマースプラットフォーム:ebisumartの公式ページ


セミナー情報

ABOUT US
首藤 沙央里
2019年9月、株式会社インターファクトリーに入社。 マーケティングチームにてオウンドメディア運用を担当し、年間40本以上の記事を掲載。 社内広報、採用広報に加え、EC業界やクラウドコマースプラットフォーム「ebisumart」についての情報発信も行う。