EC事業についてのまとめ|BtoC,BtoB,CtoC,DtoC


ECという言葉はすっかり定番になりましたが、英語ではe-commerc(イーコマース)といい、略称がECです。つまりEC事業というのは、インターネット上で行う電子商取引のことです。

EC事業の種類には、企業と消費者間取引「BtoC」(Business to Consumer)、企業間取引「BtoB」(Business to Business)、消費者間取引「CtoC」(Consumer to Consumer)があります。また、発音が似ていることから「to」を「2」に置き換えて、B2B、B2C、C2Cと表現することもあります。また最近では、DtoCという新しいビジネスモデルが誕生しております。

EC事業者数は年々増加しており、経済産業省の調査結果によると、2018年度のECの市場規模はBtoCは17兆9,845億円、BtoBは約342兆円と極めて大きな市場です。

本日はECを事業としてみた場合について、EC事業の種類から、EC事業の運営に必要なことまで、ebisumart(インターファクトリー)でWEBマーケティングを担当している筆者が解説してまいります。

目次

①右肩上がりの「BtoC」のEC事業!2018年度の市場規模は17兆9,845億円
②342兆円の巨大な「BtoB」のEC事業とは?
③フリマアプリで一気に広がった「CtoC」のEC事業とは?
④新しいビジネスモデルの「DtoC」のEC事業
⑤ECの運営には「フロント業務」と「バックオフィス業務」がある

①右肩上がりのBtoCのEC事業!2018年度の市場規模は17兆9,845億円

BtoCの市場規模推移(2010年~2018年)

下記グラフの赤い線をご覧ください。BtoCのEC化率がここ数年堅調に伸びています。ゆるやかではございますが、今後EC事業者数はまだまだ伸びることが予想されます。

なぜなら、少子高齢化が進み、店舗での人員を確保しにくくなることや、スマホ普及によるインターネット利用が一般的になってきており、ECサイトの利用者、あるいはECサイト(Amazonや楽天などのモール出店を含む)を運営する事業者がますます増えてくるからです。

◆BtoCのEC市場規模とEC化率の推移

画像引用:※PDF:平成 30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)

BtoCのEC事業とは、皆さんがご存知のAmazon、楽天市場、ヤフーショッピング等のショッピングモールや、あるいはユニクロなどの自社商品を販売する自社ECサイトのことを指します。これらのサービスはほとんどの人がすでに利用しており、スマートフォンの普及とともに利用率が高くなっています。

◆スマートフォンの普及率

大企業のECサイトは、リアル店舗との会員データの統合を進めており、データ統合により、商品の購入、受取、返品が自由なオムニチャネル施策を進めています。とくに競争の激しいアパレルECで、データ統合が出来ているかどうかで、勝ち組と負け組がわかれるほどの差が出始めています。

アパレルECについてはこちら:【2019年版】アパレルECの市場規模と3つの課題をプロが徹底解説

また、スマホでゲームのアプリをダウンロードして楽しんでいると思いますが、これもBtoCのEC事業の一つです。AppleやGoogleのアプリ内課金で販売されています。そして、音楽や電子書籍などのデジタル商品もBtoCのECの代表的なものとなります。このようにBtoCのEC事業は、生活のあらゆるシーンに入り込んでいます。

普及のキッカケになったのが、やはりスマートフォンの普及なのです。

②342兆円の巨大なBtoBのEC事業とは?

BtoBの市場規模推移(2014年~2018年)

下記のグラフの緑の線をご覧ください。年々BtoBのEC化率が堅調に伸びています。2018年は30.2%であり、BtoBのEC事業者数は増えているのがわかります。ただし、後に説明しますが、30.2%の多くはEDI(電子データ交換:Electronic Data Interchange)と思われます。

◆BtoBのEC市場規模とEC化率の推移

引用:※PDF:平成 30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)

BtoBは、大企業間の取引にはEDI(電子データ交換:Electronic Data Interchange)と呼ばれる、決められたフォーマットで注文書や請求書をやり取りする方式があります。

EDIはインターネットが普及する以前からモデム(電話回線を利用した低速)を利用して行われていて、古い歴史があります。今では、電子部品の取引のための標準化などを行うロゼッタネットという団体もあり、業界を巻き込んで発展しています。EDIについては、下記の記事で詳しく解説しておりますのでご覧ください。

EDIを解説:7つのポイントでEDIをやさしく解説!EDIの必要性と今後の課題

BtoBでは、卸のECサイトが企業間取引でよく使われます。例えば、BtoBのEC事業で有名なのは文房具のアスクルで、ほとんどの企業でアスクルのサービスを使っております。アスクルのサービスをECサイトから頼めば、翌日には商品が低価格で事業者に届きます。これを実現しているのがアスクルの優れた流通・配達サービスです。

その他にBtoBのECサイトで成功事例としてあげられるのは、モノタロウです。モノタロウは膨大にある商品をうまくカテゴリーで表示することで、ユーザーが目的の商品を見つけやすくすることで売上を格段に伸ばしている企業なのです。

BtoBのEC市場やECサイト構築方法については、下記の記事で詳しく解説しておりますので、もっと知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

BtoBのEC市場について:【全解説】BtoB-EC市場と4つのBtoB-ECサイト構築手法の解説

③フリマアプリで一気に広がった「CtoC」のEC事業とは?

CtoCは、ebay、ヤフーオークション等で、個人間で商取引をするECで、フリーマーケットのインターネット版のようなものです。直接、消費者同士で取引することですが、入金されない・入金したが物が送られないという詐欺事件があり、EC運営会社が仲介をするようになっています。それでは市場規模を見てみましょう。

◆フリマアプリの推定市場規模

※単位は億

CtoCの市場規模は年々大きくなっています。その大きな原因となったのがフリマアプリの普及で、CtoCで最も勢いのある事業者はメルカリです。インターフェースが従来のオークションサイトと比べて、スマートフォンに最適化され、またテレビCMで有名になったことから、メルカリユーザーが一気に増えるにいたりました。

メルカリが従来のオークションサイトと決定的に違うのは、ユーザーとユーザーの間にメルカリが仲介するので、住所、氏名、名前など必要な情報をメルカリが仲介して相手に知らせますから、相手とのやり取りを気にすることなく、手続きを進めれる点が大きく受け入れられました。

このようにネット初心者が使いだすと、サービスは一気に普及します。

④新しいビジネスモデルの「DtoC」のEC事業

DtoCとは、ECの誕生と共に生まれた、新しいビジネスモデルで、メーカーは通常商品を仲介業者を通じて、店舗に出して販売しておりましたが、ECサイトの誕生により、メーカーが直接、消費者に売るモデルのことをDtoC(Direct to Consumer)と言います。

商品を販売するには、宣伝や広告が必要となりますが、インターネットやSNSを使うことでメーカー自身が、自ら商品をアピールすることが可能になり、仲介業者を使わずに、消費者に直接商品やブランドを伝えます。日本では成功事例はまだ少なく、このビジネスモデルについては、下記の記事に事例をまじえ紹介しておりますので、ご覧ください。

DtoCについて:DtoCを検討する前に知っておくべきDtoCの【成功事例と失敗事例】

⑤ECの運営には「フロント業務」と「バックオフィス業務」がある

ECを運営するには、消費者がアクセスするECサイトの運営を中心としたフロント業務と、出荷や在庫管理等をするバックオフィス業務があります。

表現を変えると、フロント業務はサイト運営がメインとなり、マーケティング活動や商品仕入等を担います。

バックオフィス業務は、物流、経理、コールセンター等のことで、商品を管理し、販売した商品を梱包し宅配業者に渡します。また、販売したお金の回収や、商品を仕入れた代金の支払い等を担います。

「フロント業務」とは売上を伸ばすための商品企画やマーケティング業務

フロント業務は、ECサイトの商品企画・仕入、そしてマーケティングが主な業務です。

商品企画や仕入とは、ECサイトで出品する商品そのものことです。自社ECサイトの場合は、ブランド力や独自性(そのサイトでしか手に入らない商品)があれば、ユーザーが集まりやすくなります。なぜならそのブランドのファンであったり、Googleなどの検索エンジンで探すユーザーは、そこでしか商品を手に入れられないからです。

ユーザーはスマホで気軽にいろんなサイトを見ることができますから、多くの競合他社から自社ECサイトで商品を選んでもらう必要があるからです。またAmazonや楽天市場という強力なショッピングモールに負けないためにも、そのECサイトでしか買えない!という商品力が売上を伸ばすために重要な要素となります。

商品力やブランド力がない場合は、競合他社と同じ商品より、価格を安くしたり、商品説明文を魅力的に訴求し、ユーザーを惹きつける工夫がないと、なかなか商品は売ることはできません。これがECサイト担当者におけるマーケティングの要素となります。同じ商品を扱っていても、売上に差がつくのは、マーケティングのノウハウが異なるためなのです。

予算を割いて、広告を行うことだけがマーケティング活動と思っている方が多いと思いますが、ECサイトの商品単価は数千円程度であることがほとんどで、広告費を使うと利益が削られるために、実際のところ1商品にかけられる予算は、ほとんどありません。

そのためGoogleの検索広告(リスティング広告)などにかける予算が中小企業だと捻出することができないため、商品の「①撮影」「②採寸」「③原稿」の頭文字をとって「ささげ」業務と言われる工程があり、この工程に力をいれることで商品を魅力的にみせることに注力することが小規模ECサイトでは主なマーケティング活動となります。

予算があれば「ささげ」だけを専門で行う担当者やスタジオがあったり、あるいは専門業者やライターに依頼して、ユーザーを惹きつける写真や原稿を商品説明文を委託することができます。

また、ターゲットが10代であれば、クレジットカード以外の決済方法である、コンビニ決済を導入したり、シニア層がターゲットならば、銀行振込を検討したりと、ターゲットユーザーが、購入しやすい決済方法も検討する必要があり、こういったことを検討するのもマーケティング活動の一環です。

「バックオフィス業務」とはECを運営するための在庫管理・梱包・配送等の業務

バックオフィス業務はカンタンに説明すると、商品の在庫管理から商品梱包、商品発送。さらには商品発送後の消費者からの問い合わせまでのことです。

まず在庫管理ですが、ECサイトで商品が注文が入ると、在庫に引き当てる必要があります。商品がひとつ売れれば「マイナス1個」として、在庫管理しなくてはなりません。この在庫管理をしっかり行わないと

EC担当者「注文がきたけど、商品がない!まずい!」

ということになり、せっかく注文してくれたユーザーにお詫びのメールを送らないといけませんし、ユーザーから見れば「このサイトからは二度と買わない!」ということになってしまいかねません。そして、このようなことが1件でも起こると、担当者には大きな作業負担となり、ほかの作業にも影響を与えます。

商品の梱包については、届いた商品が傷つかないように、梱包することで、Amazonで商品をたのむと、商品サイズを大きく上回る段ボールに梱包されていることがよくあります。これは商品が傷つかないように配慮し、効率を追求した結果なのです。

そして商品の配送は、EC事業者が付き合いのある配送事業者に依頼し、配送業務を行います。配送業者はどこでも同じというわけではなく、配送スピードや、配送品質、配送料金を比較した上で、自社商品に最適な配送業者を選ぶ必要があります。

ここまでに解説した、在庫管理、梱包、配送などが、ECサイトからの注文が一日に100件を超えるようになると、ミスが多発し、業務効率が落ちてくるようになります。そのため、「ECサイト」と「バックオフィス」の両システムを連携させるシステム連携が必要になります。

システム連携が必要な規模になると、ECシステム構築の費用は1000万円以上が基準となり、中規模以上のECサイトはコスト負担が大きくなってきます。ECサイトの費用感や種類については下記の記事で詳しく解説しているので、これからECを作ったり、リニューアルする方は、下記の記事もご覧ください。

ECサイトの費用感や種類:EC初心者が10分で理解するECサイトの制作の手順と費用相場

また、商品発送後の、お客様からの問い合わせ対応もバックオフィスの重要な仕事の一つです。単にお客様の疑問やクレームに対応するだけではなく、よくあるお客様の声や、商品についてのフィードバックをフロント業務担当に報告し、商品の改善や、ECサイトの見せ方に修正を加えることも行います。

フロント業務とバックオフィス業務を分けて解説しましたが、個人や小規模ECサイトの運営では、この両方をたった一人の担当者が行っており、必要な業務のバックオフィス業務ばかり行うと、なかなかフロント業務に着手する時間を用意することができず、売上を大幅にあげることが難しくなります。

ですからECサイトの運営では、単に売上(マーケティング)だけではなく業務効率を高めていく工夫があわせて必要になります。そうしなければ、ECサイトの規模感を高めていくのはなかなか難しいからです。

ECの運営については、下記の記事で「フロント業務」及び「バックオフィス業務」について詳しく解説しているので、もっと詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。

ECの運営について:今からEC担当者になる方が知るべき9つのECサイト運営業務とは?

まとめ

ECは大きな市場であり、これからも毎年成長していくことは間違いありません。そして、ECサイトと実店舗のデータ統合を果たす、オムニチャネルは小売の標準形態となっていくことでしょう。

ECを始めることは、とても簡単です。ヤフーショッピングでは、個人は基本的には無料で利用することができますし、今では無料で自社ECサイトをつくるASPも出てきており、個人でも30分でECサイトを作ることができます。

無料ECサイトの作り方:【完全解説】無料でECサイトを開設するための4つの方法

もし、家族経営で店舗を営んでいるが、ECにも参入したいと検討されているようでしたら、リスクも少なく、ECをはじめるには無料のECサービスはカンタンです。しかし、ECサイトで難しいのは集客です。

ECサイトのノウハウがない事業者は、いきなり自社ECサイトをつくるより、楽天やAmazonへの出店を検討したほうが良いでしょう。なぜならこうしたショッピングモールには強力な集客力があるからです。詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

「そろそろネットショップ!」と考える人が最初は楽天で出店すべき理由


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